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いよいよ開幕!第73回全日本大学野球選手権大会!

みなさんこんにちは。いよいよ明日から全日本大学野球選手権大会(以降選手権)が始まります。今回はその選手権について、色々と書きたいことがあったのでまとめてみました。

そもそも全日本大学野球選手権とは?という方に簡単に説明をすると、全国にある26連盟の春季リーグ戦等を勝ち抜いた全27校がトーナメント形式で日本一を争う、いわば大学野球の"甲子園"です。
どのチームも激しいリーグ戦を勝ち抜いてきたチームであり、非常にレベルの高い勝負が繰り広げられ、ここで活躍した選手はスカウトから高い評価を受けプロ入りしています。広島カープ・常廣羽也斗投手もその例に漏れず、この大会で圧巻のパフォーマンスを見せ最優秀防御率と最優秀選手のタイトルを受賞したことで評価を高めドラフト1位で指名を受けました。

今回は「東京六大学・東都大学代表チーム紹介」「注目選手紹介」「ベスト4・優勝チーム予想」という大きく3つのテーマに分けて色々書いてみました。

東京六大学・東都大学代表チーム紹介

まずは出場チームを全て紹介、といきたいところですが全代表校を追うキャパシティもないので、筆者が主に観戦している東京六大学・東都大学の2連盟の代表校について紹介していきます。
組み合わせはコチラ

青山学院大学

春季リーグ戦成績
12試合 9勝3敗0分(勝率.750) 勝ち点4(最大5)

安藤寧則監督

投手
抜群の安定感を誇る4年生左腕児玉 悠紀こだま はるき投手(日大三④・左左)がエース。終盤にパフォーマンスを落としたものの、32 1/3回 8四球 24奪三振でフィニッシュとなりました。キレのあるストレートにチェンジアップ、スライダーなどを高い制球力で投げ込みます。渡辺 光羽わたなべ こうは投手(金沢学院大③・左左)も児玉投手に負けず劣らずの好左腕であり、リーグ戦序盤は二枚看板を形成しました。
リーグ戦中盤からは中西 聖輝なかにし まさき投手(智辯和歌山③・右右)も先発し切れ味鋭い複数の変化球を武器に活躍、優勝決定戦となった中央大戦ではリーグ屈指の中央大打線相手に1失点完投勝利を収めました。

児玉悠紀投手

リリーフの中心はチームトップ2の身長を誇る左右の投手。左のヴァデルナ・フェルガス投手(日本航空③・左左)はテークバックの小さなフォームから曲がりの大きなスライダーを操り打者を打ち取ります。
右の鈴木 泰成すずき たいせい投手(東海大菅生②・右右)は2年生ながらポテンシャルで言えば大学球界全体を見てもトップクラス。地を這うようなストレートに曲がりの大きい変化球で三振の山を築き上げます。國學院大戦ではリリーフで登板し4 1/3回を1安打6奪三振という圧巻の投球で勝利を呼び込みました。北條 慎二ほうじょう しんじ投手(花巻東①・右右)も1年生ながらストレートの良さを買われリーグ戦デビューを果たしています。

野手
先述した強力な投手陣をリードするのが渡部 海わたべ かい選手(智辯和歌山②・右右)。スローイング・ブロッキング・フレーミングといった高い捕手能力を兼ね備えており、昨年は1年生ながらにドラフト1位コンビらを巧みにリードし大学三冠へ導きました。打撃も長打力が光り、今年もそのパフォーマンスは健在です。
打線の中心となるのは西川 史礁にしかわ みしょう選手(龍谷大平安④・右右)・佐々木 泰ささき たい(県立岐阜商業④・右右)選手の日本代表経験もあるコンビです。西川選手はトップチームに選ばれた勢いそのままにリーグ戦で打ちまくり、最高殊勲選手賞を受賞しました。佐々木選手は主将に就任し悩めるシーズンを過ごしたものの、優勝決定戦で殊勲打となるホームランを放つあたり流石といったところでしょう。3年生では小田 康一郎おだ こういちろう選手(中京③)・松本 龍哉まつもと たつや選手(盛岡大付属③)・中田 達也なかた たつや選手(星稜③・右左)らが注目。いずれも強烈なスイングから火の出るような当たりを連発します。

小田康一郎選手

二遊間を固める初谷 健心はつたに けんしん選手(関東一③・右左)・藤原 夏暉ふじわら なつき選手(大阪桐蔭③・右両)はパンチ力があり、今年に入って守備にも安定感が出てきました。
大手 晴おおて はる選手(横浜④・右右)・田中 幹大たなか みきひろ選手(武田③・右左)・星子 天真ほしこ てんま選手(大阪桐蔭②・右左)ら控えの選手も能力は高く、充実のラインナップです。
1年生では青山 達史あおやま たつふみ選手(智辯和歌山①・右右)・森澤 拓海もりさわ たくみ選手(履正社①・右左)・山口 翔梧やまぐち しょうご選手(龍谷大平安①・右右)の3選手がデビューを果たしています。

展望
戦国東都とも呼ばれる東都リーグで3季連続優勝を果たしたその強さは本物であり、大学四冠(春季リーグ・選手権・秋季リーグ・神宮大会)の最有力候補と呼んで差し支えないでしょう。
投手力がカギを握るトーナメントにおいて長いイニングを投げられる先発が3枚いるのは強みであり、継投のタイミングさえミスしなければ盤石の布陣と言ってよいでしょう。

攻撃に関して、4番西川選手は厳しいマークに合うでしょう。やはり前後を打つ打者が大事になってきそうです。ハマったらどこからでも長打が飛び出す打線ではあるので、誰が打線の火付け役になれるか注目です。

早稲田大学

春季リーグ戦成績
12試合 10勝2敗0分(勝率.833) 勝ち点5(最大5)

小宮山悟監督

投手
3年生ながら小宮山監督からエースナンバーの11番を託された伊藤 樹いとう たつき投手(仙台育英③)が優勝の立役者となりました。
54 1/3回 45奪三振はいずれもリーグトップであり、3勝0敗と負けなかったことも大きく、ベストナイン投手部門にも選出されました。

伊藤樹投手

主に2番手の先発を担ったのは宮城 誇南みやぎ こなん投手(浦和学院②・左左)。伊藤投手ほどの安定感はありませんが、指にかかった時のストレートは目を見張るものがあります。

リリーフ陣の軸となったのが下級生投手2人。2年生左腕の香西 一希こうざい かずき投手(九州国際大付②・左左)低いアングルからテンポよくボールを投げ込みアウトを積み重ねます。
1年生右腕の安田 虎汰郎やすだ こたろう投手(日大三①・右右)が操る甲子園で猛威を奮ったチェンジアップは大学野球の聖地神宮でも健在であり、並居る強打者をきりきりまいさせました。

安田虎汰郎投手

他には鹿田 泰生しかだ たいせい投手(早稲田実業④)、中森 光希なかもり みつき投手(明星④)といった4年生がブルペン陣を支えます。
髙橋 煌稀たかはし こうき投手(仙台育英①)はリーグ戦途中からベンチを外れており、コンディション不良もしくは怪我の可能性がありそうですが、仮に戦線復帰すれば大きな戦力になるでしょう。

野手
打線について1~4番についてはよほどのことがない限り固定でしょう。1番の尾瀬 雄大おせ ゆうだい選手(帝京③・右左)は巧みなバットコントロールで安打を量産、打率.479とリーグダントツトップの打率(2位は.381)を残して首位打者に輝きました。2番の山縣 秀やまがた しゅう選手(早大学院④)は大学球界屈指のショート守備を誇り、今季は打撃でも大きく成績を伸・右右ばしました。3番の吉納 翼よしのう つばさ選手(東邦④・右左)は広角に長打を打てるリーグ屈指の強打者であり、優勝がかかった早慶戦では1試合2発の離れ業をやってのけました。4番の印出 太一いんで たいち選手(中京大中京④・右右)は主将でキャッチャーという大きな重責を背負いつつも打率.375 2本塁打 17打点と打撃3部門でキャリアハイ(打点はリーグトップ)となる成績を残しチームを牽引しました。

尾瀬雄大選手

5番以降はショート以外の内野とレフトを相手の投手や選手の調子に応じて変えていくでしょう。内野はパンチ力のある小澤 周平おざわ しゅうへい選手(健大高崎③・右左)・前田 健伸まえだ けんしん選手(大阪桐蔭③・左左)・梅村 大和うめむら やまと選手(早稲田実業④・右左)、高い守備力を持つ中村 敢晴なかむら かんせい選手(筑陽学園④・右右)・田村 康介たむら こうすけ選手(早大学院③・右右)らがおり、どの選手も複数ポジションを守ることが出来るのも強みです。
レフトは右の強打者寺尾 拳聖てらお けんせい選手(佐久長聖②・右右)・コンタクトに長けた左打者の石郷岡 大成いしごうおか たいせい選手(早稲田実業③・右左)が選択肢になってきます。

展望
絶対的エース伊藤投手はリーグ戦同様フル回転が予想されます。気になるのがそれ以外の先発投手。リーグ戦では伊藤投手と宮城投手以外先発していませんが、奇襲を好む小宮山監督ならば今季のリーグ戦で先発していない越井 颯一郎こしい そういちろう投手(木更津総合②・右右)あたりの抜擢があるかもしれません。

香西・安田の下級生リリーフは安定していますが、普段のリーグ戦とは違い連戦が続くトーナメントであり、鹿田・中森の4年生がカギを握ると考えます。

打線に関してはバントなど必要以上に1点を取る野球に固執しなければ安定して得点が見込めると思います。また選手権ではリーグ戦とは違いDHがあります。吉田 瑞樹よしだ みずき選手(浦和学院③・右右)・岡西 佑弥おかにし ゆうや選手(智辯和歌山②・右左)のどちらかが入ることが予想され、ここが機能してくれば試合を優位に進められるでしょう。

今季はリリーフや代打など思い切った策が見られたので、そこも注目ポイントです。初の全国大会となる小宮山監督が悲願の日本一達成となるでしょうか。

注目選手紹介

続いては注目選手の紹介です。挙げたらキリがないので、個人的に注目の選手に絞ってピックアップしてみました。

福谷 宇楽選手

関西学院大・福谷 宇楽ふくたに うた選手(社②・右右)は関西の大学球界屈指のショートです。広い守備範囲と打力を兼ね備えており、2年春終了時点で通算35安打を放っています。

佐々木 泰選手

青山学院大・佐々木泰選手は世代屈指のスラッガーです。1年次の圧倒的なパフォーマンスは上級生になってから鳴りを潜めていますが、主将ということもあり大学四冠にかける思いは人一倍強いでしょう。昨年の選手権でも逆方向へホームランを放っており、大爆発が期待されます。昨年の主将である東北楽天ゴールデンイーグルス・中島大輔選手のように"追加招集からの日本代表主将"ルートを辿れるかも注目です。

鈴木 泰成投手

青山学院大・鈴木泰成投手は長いリーチと角度を活かしてしなやかな投球フォームが特徴的な本格派右腕。ストレートのみならずスライダー・フォークといった変化球も抜群の威力を誇ります。そのポテンシャルで言えば下村投手・常廣投手をも上回るでしょう。

川瀬 譲二選手

中京大・川瀬 譲二かわせ じょうじ選手(藤枝明誠③・右右)はがっしりした体格を誇る右の強打者です。今春はリーグ2位となる打率.405を残し大ブレイクを果たし、トップチームにも選ばれた愛知工業大・中村優斗投手からホームランも放ちました。

小川 夢叶投手

中部学院大・小川 夢叶おがわ ゆめと投手(栄徳④)は伸びのある真っ直ぐを投げる右投手です。主戦格の北田投手が今季投げておらず、トーナメントでフル回転が期待されます。大学の先輩である秋田投手(現日本製紙石巻)を彷彿とさせるロジンの使い方にも注目です。

吉田 瑞樹選手

早稲田大・吉田瑞樹選手は強打の右打ち捕手です。1個上に4番を打つ印出選手・捕手能力の高い栗田選手がいるため出場機会は代打に限られていますが、高い打力を秘めています。選手権ではDHがあり、そこで起用される可能性が高いため是非打棒を発揮して欲しい選手です。

吉田瑞樹選手

その他の主なドラフト注目選手


右投手
中央学院大・清水 一眞しみず かずま(共栄学園・右右)
八戸学院大・加藤 響かとう ひびき(金足農業・右右)
東海大九州キャンパス・廣池 康志郎ひろいけ こうしろう(都城農・右右)
大商大・中島 黛我なかじま たいが(大商大・右右)

左投手
青山学院大・児玉悠紀
星槎道都大・佐藤 爽さとう そう(札幌山の手・左左)

捕手
早稲田大・印出太一

内野手
九州産業大・浦田 俊輔うらた しゅんすけ(海星・右左)
早稲田大・山縣 秀
中央学院大・梅澤 唯冬うめざわ いぶき(市立柏・右右)
中部学院大・森 翔太郎もり しょうたろう(熊本工業・右左)
上武大・荒巻 悠あらまき ゆう(祐誠・右左)

外野手
佛教大・岡野 翔海おかの しょうか(神戸国際大付・右右)
大商大・渡部 聖弥わたなべ せいや(広陵・右右)
青山学院大・西川 史礁
早稲田大・吉納翼
仙台大・平野 裕亮ひらの ゆうすけ(山村学園・右左)
広島経済大・寺本 聖一てらもと せいいち(広島商業・右左)
東農大オホーツク・江川 輝琉亜えがわ きるあ(熊本工業・右左)

他にドラフトイヤーとなる4年生では、3年前に日本一を経験した中央学院大・清水投手やロマン溢れる右腕の東海大九州キャンパス・廣池投手らがいます。

清水一眞投手


九州産業大・浦田選手のスピードと守備能力は一見の価値アリ。中部学院大・森選手と上武大・荒巻選手は共に左の強打者。豪快なスイングで打球を飛ばします。
浦田
外野手ではトップチームにも選ばれた青山学院大・西川選手と日本代表経験のある大商大・渡部選手を筆頭に仙台大・平野選手、広島経済大・寺本選手など地方にも逸材が揃っています。

ベスト4・優勝チーム予想

最後のテーマはベスト4・優勝チーム予想です。ズバリベスト4と予想するのはこの4チームです。

・青山学院大
・関西学院大
・仙台大
・上武大

トーナメント形式ということでシード権がないチームは最大5試合、シード権を有するチームでも最大4試合を1週間で戦わなければならず、投手力の高いチームが上位に来るという根拠のもと選出しました。
1番上の山は投打にタレントを揃える青山学院大が来ると予想。2番目の山は4年生中心となり数々の接戦を制してきた関西学院大が来ると予想します。3番目の山は強豪がひしめき激戦必至、最も過酷なブロックになりそうですが仙台大が上がってくると予想します。最後の山は上武大と佛教大で迷いましたが、シード権を有する上武大が上がってくると予想します。
優勝については青山学院大と予想します。是非とも大学四冠のリベンジを果たすのが見たいです。

最後に

いかがでしたか?このnoteを読んだ方が少しでも選手権について興味を持っていただければ1人のオタクとしてこれほど嬉しいことはありません。

個人的には1人でも多くの方が神宮球場・東京ドームに足を運んでこの熱気を感じ取っていただきたいです。
チケットについてはコチラ

遠くて行けないという方向けにも、選手権はJSPORTSオンデマンドで全試合中継&アーカイブが視聴出来ます。また、アマゾンプライムビデオの無料体験でも視聴可能なので、是非とも見てもらいたいです。
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今大会の主役となる4年生は高校3年生の時にコロナの影響で甲子園がなかった世代であり、並々ならぬ思いでこの大会に臨んでいることでしょう。
彼らの活躍と素晴らしい戦いを願って今回のnoteを締めさせていただきます。

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