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中日ドラゴンズ2022年のドラフトを考えてみる

こんにちは、ばやのりです。プロ野球のレギュラーシーズンも終わって、まだまだポストシーズンの戦いが控える中、ドラフト会議まで残り1週間となりました。
今回はドラゴンズの今季の戦いを大まかに振り返りつつ、ドラフト戦略に考えていきます。

補強ポイント分析

まずは補強ポイントの分析からです。正直、全部と言えば全部なのですが、なかなか外国人やFAといった大型補強を望めないドラゴンズにとって、ドラフトは貴重な戦力供給の手段となります。そのためにも、どこが弱みでどこが強みなのかはしっかりと分析することが必要です。
以下の表は今オフの戦力外を受けての編成表です。

各選手の成績はこちら

先発投手

プラス要素

大野雄大投手、小笠原投手の2人が規定投球回到達、2人とも防御率は2点台と素晴らしい働きを見せる
髙橋宏斗上田ら高卒2年目投手が慎重な起用ながらも台頭、特に髙橋宏斗は規定未到達ながらリーグ3位の134奪三振を記録する
松葉投手が100回 防御率3.33とローテ投手として優秀な成績を残す

マイナス要素

・昨季2冠の投手が序盤の登板過多もあり不調、昨季から成績を落とす
福谷投手の衰え&不調による成績悪化
鈴木博岡野岡田笠原ら中堅投手が振るわず
勝野橋本梅津らの怪我や伸び悩み
大野雄大投手の衰え、松葉投手のFA

投手に関して大きいのはやはり髙橋宏斗の成長でしょう。正直2年目でここまでの成績は予想出来ませんでした。必ずやドラゴンズだけでなく日本のエースになる存在でしょう。
彼だけでなく、小笠原投手も2年連続の規定投球回に到達し、大きく成長を見せました。また松葉投手や衰え知らずの大野投手の活躍もあり、先発投手は充実しているように見えます。
しかし、右のエース柳投手の不調があり、中堅投手が振るわず若手投手も伸び悩む形となっています。
また、松葉投手がFA権の行使を表明しました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5a0ee13b5d9ace8dbd0238d07eb34d9638b5b7cb

残留してもらうことがベストですが、編成を考える上では抜けることを前提として考えた方がよいでしょう。そしてその場合の投手陣は盤石な状態であるとは言いづらいです。

二軍に目を向けて見ると高卒2年目の福島、松木平らが一軍の2人に負けることなく先発投手として経験を積んでおり、来季から投手転向した根尾投手もここに加わることが予想されます。しかし一方でコロナや怪我人続出の影響で二軍投手の頭数が足りずリリーフ投手である石森やタバーレスらが先発し、他の投手もイニング負担が増え若干球数が嵩むことが多々ありました。

一軍でも二軍でもローテを回せないことは中継ぎ投手への負担が増加することに繋がり、投手陣の崩壊を招きかねません。また、二軍に関しては本来の目的である育成や調整の場としての機能を失うことにもなります。

先発投手について、まず開幕からローテーション争いに食い込める即戦力の投手ないし将来的にエース格の投手を目指せる選手の獲得はマストになります。それだけでなく、とにかく質も量も足りない状態なので、年齢を考えると二軍で経験を積んでゆくゆくはローテに入れる高校生の投手も欲しいところです。

リリーフ投手

プラス要素

ロドリゲス投手が中継ぎに転向、清水投手、R.マルティネス投手が勝ちパターンとして1年を走り切り、ロドリゲス投手は最優秀中継ぎ、マルティネス投手は最多セーブのタイトルを獲得
藤嶋投手、山本拓実投手が便利屋として活躍し藤嶋投手は1年完走
森博人投手が後半戦から台頭
根尾投手が主に敗戦処理として投手の可能性を見せる

マイナス要素

・又吉投手の穴埋めを期待された岩嵜投手が1年稼働せず、トミージョン手術により来年1年いないことが濃厚
・根尾投手が先発調整により来季は中継ぎ陣からいなくなる
祖父江投手、谷元投手らの衰え
ロドリゲス投手流出の可能性
・来年以降キューバ組はシーズン中の離脱あり?
左リリーフ投手が手薄

リリーフ投手は勝ちパターンに関しては12球団でもトップクラスと言って良いと思います。3人とも初めてのシーズン完走を果たしました。ここは大きな強みになるでしょう。
勝ちパターンだけでなく、藤嶋投手、山本拓実投手、後半戦からは森博人投手が各々のポジションで台頭しました。

ただ、中継ぎ陣にも不安要素があります。
まず、FAで退団した又吉投手の人的補償として入団した岩嵜投手が開幕カードでの怪我以降登板がなく、トミージョン手術を受け、来季は1年稼働しないことが濃厚になりました。年齢も考えると、全盛期のようなパフォーマンスは期待しづらいでしょう。

加えて、セットアッパーとして圧巻の投球を披露したロドリゲス投手に流出する可能性があることも考えなくてはなりません。

こちらも松葉投手同様編成を考える上でいないものと考え、引き留め交渉を行うのがベストでしょう。
さらには祖父江投手が年齢や勤続疲労もあっての成績悪化、谷元投手にもその可能性があることも見逃すことは出来ません。

また、左で安定した投手がいないことも懸念点の一つです。もちろん左右関係なく能力の高い投手を揃えることが大前提ですが、質、量ともにリリーフ陣の更なるレベルアップが求められます。リリーフに厚みが増せば、今シーズン緊急先発して好投した藤嶋投手を本格的に先発として調整させるなどのプランも取れるでしょう。可能ならば1年目から一軍に割って入れるような投手の獲得は出来るならばしたいところです。

捕手

プラス要素

木下拓哉選手が2年連続で規定到達
石橋選手が木下拓哉選手の離脱などもあり経験を積む

マイナス要素

木下拓哉選手が昨季から成績を落とす
・木下選手のみならず大野奨太選手、選手も30歳以上である
郡司選手、A.マルティネス選手らのコンバートにより捕手の頭数が少ない

捕手に関しては、昨季同様木下拓哉選手が正捕手として起用され、成績は落としたものの規定打席に到達しました。
木下拓哉選手が離脱の際は、高卒4年目の石橋が主にマスクを被りました。来季以降も着実に経験を伸ばしていくことが予想されます。
しかし一方でA.マルティネス、郡司選手らの本格的なコンバートによりキャッチャーの頭数が減ってきています。

石橋選手を次世代の正捕手として据えるとしても、一軍で一年目から活躍が見込める守備型の捕手の獲得は考えられます。

内野手(一、三塁)

プラス要素

石川昂弥選手が途中離脱ながら長打力、守備力のポテンシャルを発揮
・レビーラ選手が外野起用ながら打撃で爪痕を残す
・阿部選手が後半からサードに定着、守備もそつなくこなす

マイナス要素

・石川昂弥選手が1年完走したことがない
レビーラ選手はまだ課題がありそう
ビシエド選手の衰え
高橋周平選手の不調、FA

サードに関しては、開幕から石川昂弥選手がレギュラーとして出場し、攻守に渡ってそのポテンシャルを発揮しました。長期契約1年目のビシエド選手も、良くも悪くも落ち着いた成績を残しています。
また、後半戦からは将来的なことも踏まえ前半戦でセカンドのレギュラーだった阿部選手がサードに就き、守りもそつなくこなしてみせました。

石川昂弥選手に関しては、来年の3月から実戦復帰を目指すです。

能力の高さは誰もが認めるところではありますが、外的要因が多いながらも離脱の多い選手になっていることは不安要素として大きいでしょう。阿部選手に関して来季の起用法は不明ですが、セカンドに戻り、高橋周平選手が国内FA権を行使して移籍した場合にサードの選手層が薄くなってしまうことはひとつポイントです。
ファーストに関してもビシエド選手が年齢的にいつ大きく衰えてもおかしくなく、次世代レギュラー候補のレビーラ選手も一軍レベルの投手に関しては打撃で課題が見られました。

一、三塁の内野に関してまとめると、ファーストは郡司選手然りA.マルティネス選手然り他ポジションの打撃型選手のサプポジションにもなるため優先度は低いと考えます。サードは高橋周平選手の去就に限らず層を厚くすることが求められます。そうなると即戦力となる大学生や社会人の獲得が望ましいです。

内野手(二塁、遊撃)

プラス要素

土田選手がシーズン途中から攻守に渡って存在感を放つ
阿部選手が前半戦セカンドのレギュラーとして

マイナス要素

・次世代セカンドレギュラー候補の不在
京田選手の不調&来年国内FA権取得
堂上選手、三ツ俣選手が30歳を超える

今年の二遊間事情で唯一と言ってもいい明るい若手の要素は、土田選手が高卒2年目ながら後半戦はほとんどレギュラーとして出場していたことです。送球の確実性やアプローチの改善などまだまだ攻守に課題はありますが、将来が楽しみな選手であることは間違いないです。
ただこのポジションは不安要素の方が大きいです。まず京田選手に関して、過去5年間は良くも悪くも一定の水準で攻守共に安定していましたが、過去類を見ない不振にあえぎ、二軍に落としてもなかなか調子が上向かずシーズンを終えました。来年はFA取得もあり復活が期待されますが。二軍には高卒ルーキー星野選手がいるものの、まだまだ一軍で勝負という段階にはないことを踏まえても、ショートのポジションのレギュラー争いにもう1人若い選手が欲しいところではあります。
セカンドは主に前半戦はベテラン阿部選手を中心に、後半からは中堅の高橋周平選手三ツ俣選手、溝脇選手、若手の石垣選手などが起用されましたが、阿部選手以外はこれといった成績を残すことが出来ませんでした。阿部選手の年齢を踏まえても、やはり若手でレギュラー候補となる存在は必要でしょう。

外野手(中堅)

プラス要素

岡林選手の大抜擢
大島選手も打撃は衰え知らず

マイナス要素

ブライト選手は怪我がち
・大島選手の起用問題

センターのレギュラーに関しては非常に明るい要素があり、開幕からは大島選手が打撃キャリアハイクラスの働きをしました。怪我で途中離脱をしたものの、両翼も併せての起用でシーズンを走り切り、2000本安打まであと115本と迫りました。高卒3年目の岡林選手は大島選手が不在であったり両翼を守る際にセンターを守り、打撃では抜群のセンスで最多安打を獲得、守備では持ち前の俊足と肩を活かして素晴らしい活躍を見せました。
大島選手の起用に関しては色々な要素が絡んでくるので難しいところではありますが、岡林選手をセンターのレギュラーとして起用が増えてくると思われます。
二軍では更なる次世代のレギュラー候補として大卒ルーキーのブライト選手がセンターとして起用されました。所々に能力の高さは伺えますが、怪我が多くそもそも試合に出る身体づくりも課題に上がります。岡林選手の存在は頼もしいですが、個人的には取るなら高校生を獲得してポジション争いを激化させてみてもいいかなと考えています。

外野手(両翼)

プラス要素

岡林選手の大抜擢
鵜飼選手が前半戦で活躍
A.マルティネス選手がコンバートされ活躍

マイナス要素

・岡林選手をセンターとすると圧倒的なレギュラーは不在
大島洋平選手の起用問題
・チームでも上位の打力を誇るA.マルティネス選手の退団
右打ちの選手が多すぎる

両翼の外野に関しては、いいところも悪いとこともある、といった感じでしょうか。
昨年の両翼の不振に伴い、今季は打撃のいいキャッチャーであった郡司選手、A.マルティネス選手をコンバートして起用しました。マルティネス選手はチームでもトップクラスの打撃貢献を見せましたが、今オフに退団することが発表されました。

郡司選手も二軍では無双しているものの、一軍では持ち味を発揮出来ていません。
ルーキーでは鵜飼選手が一軍で爪痕を残し、福元選手も二軍で着々と経験を積んでいます。
よく言えば競争が激しい、悪く言えばレギュラーを掴み切れないといった感じでしょうか。
岡林選手は大活躍ですが今後の基本はセンターと見て、両翼の起用はないものと思われます。
鵜飼や福元、郡司選手が両翼以外にも一、三塁を守るようになっていること、右打者に偏り過ぎていることを考えると、左打者で打撃がウリの選手の指名があってもいいでしょう。

補強ポイントまとめ

投手まとめ
1位は基本投手に割きたい、即戦力もしくは将来性豊かな先発投手がベスト
リリーフも可能ならば欲しい
・高校大学社会人バランス良く取りたい

野手まとめ
・上位で二遊間最低一人(可能なら2人)は欲しい
スラッガー、特に左打者の獲得はしたい
守れる捕手も必要
即戦力重視

立浪監督自身もシーズン総括ののち、「バランス良くドラフトをしたい」と語っており、1位指名の公表はしないことを発表、視察にも意欲を見せています。

候補選手紹介

ここからは、各ポジションの補強ポイントに合致する選手を紹介していきます。
プロ志望届提出者一覧
高校生

大学生


先発投手

即戦力ないし将来的なエース級の活躍が見込める投手としてはまず4人の名前が上がります。
即戦力では最速153キロのストレートに多彩な変化球を操る吉村貢司郎よしむら こうじろう投手(東芝)、将来的なエースという意味では、力みのないフォームから力強い球を投げる左のパワーピッチャー曽谷龍平そたに りゅうへい投手(白鷗大)、二刀流としても有名で今年のドラフト最大の目玉でもある矢澤宏太やざわ こうた投手(日本体育大)、188cmの長身から角度のある球を投げ降ろす荘司康誠しょうじ こうせい投手(立教大)らが挙げられます。特に吉村、矢澤、曽谷の3人は1位候補としてリストアップされたことが明かされています。

吉村投手に次ぐ即戦力投手になり得るのが、大学生では大学生屈指の完成度を誇る金村尚真かねむら しょうま投手、東都二部リーグで無双とも言える活躍を見せ、日本代表にも選出された菊地吏玖きくち りく投手(専修大)、今年の東都一部春季リーグでタイトルを総なめにし大学選手権でも優勝、大学日本代表でもエース格として活躍した(富士大)青山美夏人あおやま みなと投手(亜細亜大)らの3投手です。
社会人では、都市対抗でエースとして準優勝に貢献した益田武尚ますだ たけひさ投手(東京ガス)、解禁年である2年目に大きく成長した吉野光樹よしの てるき投手(トヨタ自動車)、ゲームメイク能力を高く評価される河野佳かわの けい投手(大阪ガス)らは上位指名の可能性があるでしょう。

貴重な左腕の候補には伊原陵人いはら たかと投手(大阪商業大)、増居翔太ますい しょうた投手(慶應義塾大)が、社会人では入江空いりえ そら投手(茨城日産)、高野脩汰たかの しゅうた投手(日本通運)、加藤三範かとう みづき投手(ENEOS)らが名を連ねます。

高校生に関して、圧倒的なナンバーワンとなる存在はいないように感じますが、力強いストレートとスライダーが武器の斉藤優汰さいとう ゆうた投手(苫小牧中央)、ショートアームから高校生でもトップクラスのスピードボールを投げる齋藤響介さいとう きょうすけ投手(盛岡中央)、3年生になって大きく成長した川原嗣貴かわはら しき投手、甲子園でも2年生から結果を残し続けている山田陽翔やまだ はると投手(近江)と素質のある投手が揃っています。
左投手では、奪三振能力が魅力の大野稼頭央おおの かずお投手(大島)、ノビのある直球が持ち味の門別啓人もんべつ けいと投手(東海大札幌)、打者としても能力が高い森下瑠大もりした りゅうだい投手(京都国際)、多彩な変化球を操る森山暁生もりやま あきお投手(阿南光)でしょうか。

中位以降の即戦力の候補に挙がりそうなのが、大津亮介おおつ りょうすけ投手(日本製鉄鹿島)、石黒佑弥いしぐろ ゆうや選手(JR西日本)、小谷野楽友こやの がくゆう選手(JR東日本)あたりでしょうか。

また1位で曽谷、矢澤、荘司らを獲得出来なかった場合に面白くなりそうな大学生投手が右投手だと羽田野温生はたの はるき選手(東洋大)、左は松本晴まつもと はる投手(亜細亜大)です。2人とも潜在能力は高く、特に松本投手は亜細亜大の生田監督が「髙橋遥人(現阪神)よりいいボールを投げる」と絶賛しています。

地元という意味では、今年は愛知大学リーグにも多くのドラフト候補がいます。日渡柊太ひわたし しゅうた投手(中部大)、中井大和なかい やまと投手(愛知大)、漢人友也かんど ともや投手(中京大)、三浦大輝みうら だいき投手(中京大)、本田健悟ほんだ けんご投手(名古屋大)あたりでしょうか。ドラゴンズは上田投手、松田投手、マルク投手など育成でも地元の選手を獲得する傾向があるので是非とも足を運んでみてください。

また、指名解禁年を過ぎていますが指名の可能性がありそうな実力のある社会人投手として、臼井浩うすい いさむ投手(東京ガス)、鈴木大貴すずき ひろき投手(TDK)、小孫竜二こまご りゅうじ投手(鷺宮製作所)船迫大雅ふなばさま ひろまさ投手(西濃運輸)の4選手も社会人の実績は確かなだけに注目したいところです。


リリーフ投手

ここからはリリーフ投手になりますが、チームでリリーフ起用がメインであったり、個人的にリリーフ起用ならハマりそうだと思った選手をこちらで紹介していきます。

渡辺翔太わたなべ しょうた投手(九州産業大)、橋本達弥はしもと たつや投手(慶應義塾大)の2人は大学日本代表にも選出されており、渡辺投手はチェンジアップ、橋本投手はフォークという大学球界屈指の決め球を持っており、プロでも1年目から活躍が期待出来ます。
他に大学生では190cmの長身から力強い速球を投げ込む田中千晴たなか ちはる投手(國學院大)、下級生のころから成績を残している鉄腕リリーバー宮海土みや かいと投手(立教大)、ストレートは抜群の威力を誇る才木海翔さいき かいと投手(大阪経済大)、大学選手権でリリーフとして力を発揮した木村光きむら ひかる投手(佛教大)といった名前が挙がります。
社会人ではキレのあるストレートが魅力の富田蓮とみだ れん投手(三菱自動車岡崎)、プロU23選抜チームとの対戦で2回3奪三振と力を発揮した佐藤廉さとう れん投手(ヤマハ)、特徴的なフォームからテンポのいい投球をする林優樹はやし ゆうき投手(西濃運輸)、高い奪三振能力が魅力の藤村哲之ふじむら てつゆき投手(東芝)、都市対抗の再三のピンチで見事な火消しを見せた長谷部銀次はせべ ぎんじ投手(トヨタ自動車)、らがおり、藤村投手はドラゴンズジュニア出身、その他の4投手は東海地区の社会人でもあるため注目です。

捕手

即戦力のキャッチャーの目玉として1番に名前が上がるのが、地元愛知出身の野口泰司のぐち たいし選手(名城大)でしょう。強肩強打で大学ナンバーワンキャッチャーとの呼び声も高く、大学選手権ではその実力を存分に発揮しチームのベスト8入りに貢献、その後大学日本代表にも選ばれました。

他の大学生では、三重県出身の石伊雄太いしい ゆうた選手(近大工学部)は注目しておいて損はないでしょう。肩の強さは群を抜いており、昨年12月の日本代表選考合宿では野口選手が参考にしたほどです。

リーグ戦で圧倒的な打撃成績を残す吉田 賢吾よしだ けんご選手(桐蔭横浜大)、森下暢仁投手(現広島)とバッテリーを組み、2019年に大学の日本一も経験した蓑尾海斗みのお かいと選手(明治大)らも注目です。

大学生キャッチャーは魅力的な選手がいますが、石橋選手と年齢が被ってしまうことがネックにはなります。そうなると社会人に目を向けてみるのも面白いでしょう。
社会人キャッチャーでまず紹介したいが拾尾昌哉じゅうお まさや選手(三菱重工West)です。高卒社会人ながら早くからレギュラーに定着し、昨年エースだった森翔平(現広島)投手ともバッテリーを組んでおり、安定した守備が持ち味です。
大卒社会人で注目したいのが立松由宇たてまつ ゆう選手(日本生命)です。もともと打撃がいい選手でしたが、社会人になって守備面も伸びてきている大型のキャッチャーです。

内野手(一、三塁)

今年の高校生右打者の中でトップクラスの選手にあたるのが、内藤鵬ないとう ほう選手です。体格もどっしりとしており、スイングスピードは160キロを超えるまさに「和製大砲」といった感じの選手です。守備にも柔らかさがあり、攻守両方でチームの核になれる選手でしょう。

大学生の強打右打ち内野手の目玉としてひときわ注目を浴びるのが山田健太やまだ けんた選手ではないでしょうか。根尾投手と高校時代のチームメイトということもあり、ドラゴンズファンからも注目度は高いです。
上級生になって成績が下級生のころに比べて下降気味でしたが、今秋のリーグ戦ではドラフトを前にして4年間の集大成とも言える活躍を見せています。
チームではセカンドを守っていますが、範囲内での堅実さとは裏腹に守備範囲の狭さが目に付くため、プロでは打撃を活かす形でサードかファーストになる、もしくはセカンドならば守備を鍛えるため時間がかかると思われるので、即戦力内野手としてはこのポジションで紹介させていただきます。

フルスイングから生み出されるパワーと盗塁も出来る脚力が自慢の平良竜哉たいら りゅうや選手(NTT西日本)、パンチ力が魅力でプロのU23選抜チームとの試合でも長打を含む猛打賞を記録した中山遥斗なかやま ゆうと選手(三菱重工East)が注目です。彼らもセカンドを守りますが、サードの方が計算はしやすいと考え、こちらでの候補とします。
守備は一塁ですが古寺宏輝ふるてら こうき選手(ホンダ熊本)は今年の都市対抗で2試合3発を記録しており、振りの強さは必見です。

他に大学生で言うと北村恵吾きたむら けいご選手(中央大)、小中健蔵こなか けんぞう選手(西南学院大)の2人は日本代表候補合宿にも選ばれた実力者です。

また、上川畑大悟選手(現日本ハム)、野村勇選手(現ソフトバンク)といった解禁年を過ぎてから指名された社会人選手の活躍で、社会人野球屈指の右打者である福永裕基ふくなが ひろき選手(日本新薬)も指名があるかもしれません。

内野手(二塁、遊撃)

続いて二遊間ですが、今年の二遊間は、特に大学生にバラエティ豊かな面々が揃っています。
中でも即戦力ショートとして真っ先に名前が挙がるのが田中幹也たなか みきや選手(亜細亜大)、友杉篤輝ともすぎ あつき選手(天理大)、和田佳大わだ けいた(トヨタ自動車)選手の3人ではないでしょうか。
田中幹也選手、友杉選手は日本代表、全国の舞台も経験している守備走塁においてトップクラスの選手です。2人とも小柄ではありますが、打撃に関してもレベルは高いです。
和田選手は強豪社会人のトヨタ自動車でショートのレギュラーを務めており、安定した守備で同じトヨタOBの源田壮亮選手(現西武)に続く活躍が期待されます。

他に大学生ショートでは強肩を活かした守備とパンチ力のある打撃が魅力の門脇誠かどわき まこと選手(創価大)、積極的な守備に周りの雰囲気を変える能力も持った奈良間大己ならま たいき選手(立正大)、堅実な守備が魅力の朝日晴人あさひ はると選手(慶應義塾大)らがいます。
セカンドでは抜群のバットコントロール、コンタクト能力を持つ村松開人むらまつ かいと選手(明治大)、脚力とトップクラスの守備力を併せ持ち、国際大会でも活躍した林琢真はやし たくま選手(駒澤大)、盗塁技術も高いプルヒッターの齊藤大輝さいとう だいき選手(法政大)がいます。

高校生ではイヒネ・イツア選手が最注目の選手でしょう。両親がナイジェリア人ということで、日本人離れした身体能力とバネを兼ね備えており、いい意味で完成形の読めない選手です。
地元静岡出身の紅林二世とも呼ばれる勝又琉偉かつまた るい選手(富士宮東)、今年の春のセンバツで大暴れした金田優太かねだ ゆうた選手(浦和学院)も注目です。
他に社会人では今年の都市対抗で結果を残し、プロU23チームと戦うアマチュア選抜、U23日本代表ではキャプテンにも選出された中村迅なかむら じん選手(NTT東日本)、軽快な守備が持ち味の児玉亮涼こだま りょうすけ選手(大阪ガス)、セカンド、ショートをそつなくこなす佐藤勇基さとう ゆうき選手(トヨタ自動車)らがいます。

また、このポジションの解禁済み選手では昨年の都市対抗で打ちまくった中川智裕なかがわ ともひろ選手(セガサミー)も注目選手の一人です。

外野手(中堅)

次にセンターの外野手になります。センターを守れて+αの能力がある選手と言うと、三塚琉生みつか るい選手(桐生第一)、田中多聞たなか たもん選手(呉港)が候補になります。2人ともパワーとスピードという天性のツールを持ち合わせています。
黒田義信くろだ よしのぶ選手(九州国際大学付属)は走攻守三拍子揃ったタイプの選手で、全国大会でもしっかり実績があり、高校日本代表にも選ばれています。古川雄大ふるかわ ゆうだい選手(佐伯鶴城)も超人的な身体能力を有しており、注目選手の一人です。
また、先ほど二遊間で紹介したイヒネ選手を高い身体能力を買って外野手として育成してみても面白いかなと思います。
大学生では日本代表に選出された3人の選手を紹介します。
大学生では右の長距離砲候補としては森下翔太もりした しょうた選手(中央大)が1位候補としてもリストアップされており、振りの強さ、強肩を含めた守備力は要注目の選手です。しかし、他のポジションとの兼ね合いを考えると上位で獲得する可能性は低いと考えます。
左打者では、投手で紹介した矢澤選手が上がり、日本代表でもナンバーワンの脚力、抜群の肩の強さ、全身を使ったフルスイングでプロのU23選抜チームにも結果を残しており、むしろ投手より野手の方が可能性を感じる選手かと思います。
他には仙台六大学の三冠王で走攻守三拍子揃った杉澤龍すぎさわ りゅう選手がいます。

外野手(両翼)

外野手では、スラッガーとして指名がありそうな選手を紹介します。
高校生では王貞治を彷彿とさせるフォームから夏の県大会6試合で打率6割越え、ホームラン4本という圧巻のパフォーマンスを魅せた西村瑠伊斗にしむら るいと選手(京都外大西)の名前が真っ先に上がります。

大学生では野手としてトップクラスの総合力を兼ね備えた蛭間ひるま たくや選手(早稲田大)、レベルの高い愛知大学リーグでコンスタントにホームランを記録している澤井廉さわい れん選手(中京大)の評価が高く、蛭間選手は昨年冬の時点で1位候補にも挙がっています。
また、昨年のブライト選手同様に大学選手権で大暴れを見せた上崎彰吾うえざき しょうご選手(東日本国際大)も短期間で大幅な爆発力を見せたという点は注目の選手です。
社会人では大阪桐蔭出身の2人のスラッガーに注目したいところでしょう。1人目は大卒1年目からの社会人野球の年間ベストナインにも選ばれた三井健右みつい けんすけ選手(大阪ガス)、2人目は解禁済みではありますがフルスイングに加えて強肩も魅力の藤井建平ふじい けんぺい選手(NTT西日本)です。2人ともレベルの高い社会人野球で結果を残しているだけに即戦力スラッガーとしての期待は高いです。


指名予想をしてみる

最後に、指名予想をして締めたいと思います。(若干願望が入っているのでそこはご注意ください)

今年のドラゴンズのドラフトは、これまでとは大幅に変わったドラフトをすることが予想されます。支配下指名人数は2015年以降6人で統一されていましたが、6~7人と明かされ、昨年不参加であった育成ドラフトへの参加もするそうです。

https://www.sanspo.com/article/20221006-FP6542DQMFGAPO4RNLGX7TXSP4/

今回は支配下7人指名を前提として予想をしていきます。

1位 曽谷龍平 投手 白鷗大学

先発ローテーションの強化及び将来的なエース候補の獲得のため、曽谷投手の入札が予想されます。昨年ブライト選手を同じ関甲新リーグから指名したことも要素のひとつとして挙げられます。
今年の投手でもトップクラスの投手である曽谷投手は競合が予想されます。外れた場合は荘司投手、矢澤投手(日本ハムが10/12時点で公言済み)、吉村投手が残っていればそのどれか、そうでなくとも基本は大学生 or 社会人の投手指名が予想されます。もしかしたらスラッガーや二遊間の選手を指名して2位で投手ということもあるかもしれません。

力みのないフォームから最速152キロ、平均でも140キロ台の威力抜群のストレートを投げ込み、決まった時のクロスファイヤーはプロでもそう簡単に打てないでしょう。スライダー、カーブ、カットボールを投げ分け、ゴロを打たせる打ち取るツーシームもあります。
なんといってもリーグ戦3~4年の4季で187.2回 244奪三振 奪三振率11.72を記録した高い奪三振能力が魅力です。リリーフとしてなら一軍ですぐに通用するでしょう。
将来的的に先発を考える上では左右関係なく投げられる落ちる球がカギとなります。現状はチェンジアップがあり、このレベルを高めたら一軍で先発ローテを担うのも遠くないでしょう。

2位 澤井廉 外野手 中京大学

2位は即戦力ショートと迷いましたが京田選手の復活に期待し、セカンドの選手ならば3位でも取れると考え2位で打力強化のためスラッガー、特に左打者の指名があると予想します。ドラゴンズの2位は14番目の指名となり、いい選手が残っている可能性があり、田中幹也選手、友杉選手といった即戦力ショートと内藤選手、イヒネ選手(10/11時点でソフトバンクが公言済み)らのスラッガーを天秤にかける形になりそうです。澤井選手に関しては、根尾選手と同じの2012年ドラゴンズジュニア出身であり、当時の監督が現在ドラゴンズの音重鎮現チーフスカウトでもあること、伊藤康祐選手、鵜飼選手と同じ中京大中京で一つ違いのチームメイトであったことも要因に挙がります。

今年のドラフト候補の中でもトップクラスに振れる打者であり、かつ体重も100kg越えと身体が完成されています。また、振りの鋭さ故、自分の間でボールを見れるため選球眼もいいです。地方リーグでもレベルの高い愛知大学リーグで21春に1本、20秋、21秋、22春、22秋に2本とコンスタントにホームランを打っており、プロの球に慣れたらホームラン量産もそう遠くないと思われます。
守備に関して、投手経験があるので肩も強く守備で大幅マイナスという感じには見えません。
若干ポジション、年齢が被る選手が多いですが、外野手の中には一、三塁を守るようになるなど、そこまで心配することでもないかなと思います。

3位 村松開人 内野手 明治大学

次世代のセカンドレギュラー候補としては村松選手の指名があると考えました。ドラゴンズの選手指名傾向に、柳投手、郡司選手、星野選手、福元選手等キャプテン経験者を獲得する傾向があり、特に明治大学のキャプテンは坂本選手(現阪神)、柳投手、森下投手(現広島)、丸山選手(現ヤクルト)は活躍しているということもあってこの予想です。
もし村松選手を獲得出来ない場合は、林琢真選手や奈良間選手が候補になります。

打撃に関して、21春、21秋、22秋の3季で打率.360越え、通算168打席で8三振(2022年10月11日終了時点)という高いコンタクト能力バットコントロールを持っています。
松山坊ちゃんスタジアムで行われた今年の東京六大学オールスターゲームでも、いきなり荘司投手の152キロのストレートをセンターに弾き返してヒットにするなど、今年のドラフト候補の中でも卓越した打撃技術を備えています。

また足も非常に速いため、プロで盗塁、守備の技術を磨けば走攻守全てで活躍出来る選手になれるでしょう。
元々高校時代はショートであり、今年の春からショートに再挑戦しようとしていました。春は怪我で出場自体が断念となり、下級生に有望なショートがいるため今年ショートとしての出場はないものの、プロで再びショートに挑戦してみても面白いかもしれません。

4位 小孫竜二 投手 鷺宮製作所

1位で素材寄りの投手を獲得できた場合、投手補強のため1年目から一軍で稼働出来る投手の獲得はマストになります。また、小孫投手は遊学館時代に石森投手とチームメイトであったこと、八木スカウトと同じ創価大学出身、井端弘和氏がコーチを務めるNTT東日本ハムの補強選手として昨年の都市対抗に出場した、などの繋がりからも指名の可能性が考えられます。
他には大津投手や残っていれば河野投手が候補になります。

最速155キロのストレートにスライダー、カットボール、カーブ、フォークを投げます。先発中継ぎ両睨みでの活躍が出来る、今のドラゴンズに少ないパワーピッチャーであり、昨年の都市対抗ではトヨタ自動車を2回ノーヒットに抑える投球を披露しました。いわゆるオールドルーキーという扱いにはなりますが、実力は今年のドラフト候補の中でも上位でしょう。

5位 榎谷礼央 投手 山梨学院

いわゆる地元枠の指名であり、2016年以降5位指名はは偶数年高校生投手(16藤嶋、18垣越、20加藤翼)奇数年高校生野手(17伊藤康祐、19岡林、21星野)の流れを考えると、地元出身の高校生投手の指名が考えられ、浜松出身の榎谷投手と予想します。
しかし、今年は6人縛りがなくなる可能性があるため、この5位の枠も順位変動や撤廃があるかもしれません。

投手としては非常に制球力が良く、ストレートはそれほど速くないですが、カーブ、カットボール、スライダーなどがあり決め球となるチェンジアップもあります。2年の秋季関東大会では27回を投げ防御率1.67という抜群の安定感を見せました。


6位 拾尾昌哉 捕手 三菱重工West

6位は既存の捕手の能力や頭数を踏まえ、守備型の捕手の指名があると考えます。
小田幸平現二軍バッテリーコーチが三菱重工Westのコーチであった時に直々に指導を受けているという関係もあり、この予想となりました。

高卒社会人なので若く、石橋や郡司、味谷と年齢も被らないという点も挙げられます。
他のキャッチャーとしては立松選手、石伊選手が挙がります。
正直6位はスカウトのいわゆる隠し玉枠になることが多く予想が難しいです。

キャッチャーとして安定したキャッチングブロッキングが持ち味の選手です。スローイングにも安定感があります。また若くして様々な社会人投手をリードしているという点にも注目です。
打撃も全く打てないというわけではなく、今年の都市対抗ではチャンスの場面で逆転の狼煙を上げるタイムリーヒットを放ちました。JABA京都大会で打率.389(18-7)、JABA四国大会で打率.375(8-3)の結果も残しています。
高卒社会人ということで、攻守ともにまだまだ伸びてくる可能性はあるでしょう。

7位 富田蓮 投手 三菱自動車岡崎

ここまで投手3野手3のバランスで来ており、やはりバランスを考えると投手多めになることが予想され、かつ即戦力寄り、一軍でなくとも二軍ではローテーションを回して将来的的な一軍でローテを狙える投手として富田投手を選びました。高校は岐阜、社会人は愛知のチームという地元要素も加味しての予想になります。
他には林優樹投手、大学生なら漢人投手あたりでしょうか。

持ち味は球速以上に伸びる空振りの取れるストレートで本人も自信を持ってストレートを武器と語っており、チームメイトからも「ストレートは山下輝のよう」とも表現されています。

変化球はスライダー、チェンジアップ、カーブを投げ分けます。また、今年の都市対抗でも東海地区第一代表ヤマハの補強選手として、そしてU23社会人日本代表にも選ばれており、実力は確かです。体格を考えればまだまだ伸びしろもあるでしょう。


これらの支配下選手に加えて、育成では地元要素を含めて投手を中心とした指名が行われるものと思われます。

ここまで中日ドラゴンズのドラフトについて様々なことを述べてきました。今年は立浪政権になって初めてのドラフトであり、今までとは大きく変わることが予想されます。「運命の日」まであと7日、どんな選手が竜の未来を担うのかとても楽しみです。
読んでいただきありがとうございました。

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