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【雑考】人生の一番のリスク

何かをすれば、リスクってある程度はついてくるものですね。

リスクとは、すっかり日本語になってしまいました。

まず、リスクの理解について紹介(出典:日本学術会議)しておきます。

【リスクの理解について】
1.影響は、影響を与えるものと影響を受けるものの関係できまる

①影響を与えるものと影響を受けるものの双方の理解が必要

② 「何が起きるか」と「どのような影響があるか」は別の視点・知識

2.不確かさの捉え方

①不確かさをどう捉えるかがリスク理解の重要さの一環

② 不確かさを確率で表現することの有効性と課題

3. 意思決定・受容の考え方

①同じリスク分析結果を見ても、判断が異なる場合もある

② 受容は、その必要性によっても異なる

1)リスク基準は、社会としての受け入れの目安

③不確かさの意味を理解する必要がある

この様なリスクの理解について知っておくことで、仕事でも、プライベートでも、心強くサポートしてくれます。

何かを実行する時、もしかしたら、うまくいかないかも、損をするかも、後悔するかも、傷つくかも、嫌になるかも、などなど、人生で選択することには、こんなリスクがついてまわります。

ほかにも身近で言えば、キャリアでもそう。

仕事を変えるときなど、リスクを考えない人はいないはず。

たとえば、お給料は維持できるか、それともあがるか、今の生活を維持できるか、という現実的なリスク。

もしかしたら、新しい仕事はやってみたら、本当は好きじゃないかもしれない、なんてリスクもあります。

キャリアを変えなくても、今の職場でこれからどうなるか、とかね。

リスクがあるから、できるだけ計算して、その可能性ができるだけ低くなるように対策を立てますが、まったくのゼロにすることは、逆に非現実的かもしれません。

あなたが、今取ったほうがいいと思っているリスクには、どんなものがあるでしょうか。

実際、リスクを取らないことのリスクもありますよね。

たとえば、リスクを避けるために何もしないこと。

リスクは避けられるかもしれないけど、逆に何もしないから何も変わらない、今の状態からどこにもいけない、で、それも立派なリスクです。

人生での一番のリスクは、リスクをとらないことかもしれない、と思ってみると、物事が違って見えてきます。

いずれにしても、リスクだとか不安材料は、消えてはまた出てくるものです。

だから、それをどう受け止めて、どう考えて処理していくかのスキルがあれば、出てきた不安やリスクは、いつでも管理できます。

そう、リスクは、影響を最小限にしたり、回避することも可能です。

例えば、仕事の場合、締め切りがつきものですが、敢えて決めない勇気も、時には重要になってきます。

いくつもの素案を出して試行錯誤の中から生まれた思考の集積である企画書を、更に、行きつ戻りつしつつ磨き抜いた結果、その中身は、極めて濃いものです。

安易にリスクを回避するために、即断即決して、「やっぱりああしておけばよかった」と後悔するよりも、よっぽど健全かもしれません。

また、石川啄木は、以下の様な発言を残していました。

「明日は何を為すべきか、これは今日のうちに考えておかなければならぬ唯一のものである。」

明日、何を為すべきかを考えるのは、とてもシンプルなことです。

但し、これが出来ずに、明日起こるかもしれないこと等を心配してしまっている人は多いと思います。

その場合、心配するよりも、自分が明日は何を為すべきかを考えることがより重要となります。

リスクは、リスクだと思っていることがリスクではなかった事も多く有り、前述の通り、不確かさをどう捉えるかが重要となってきます。

それは、リスクの正しい意味が「影響の大きさと可能性(確率)の組合わせ」だからです。

例えば、心を海と捉えて、そこに一滴の水滴が落ちて波紋が発生した場合、その波紋の影響の大きさ(リスク)が、その時の心の持ちよう(可能性(確率))で、何かしなければともがいてジタバタしたくなり、頑張ろうとすればするほど、かえって苦しくなったりします。

でも、その様な心持だと、心の海の上では、逆に、溺れて沈んでしまうかもしれません。

その場合、仕事でも、プライベートでも同じなのですが、直ぐに反応しないことです。

時間が許す限り、そんな時は、抗うのを止めてみて、ただただ、じっと水面に浮かんでみるみたいな感覚が大切です。

深呼吸をしてリラックスした状態になれば身体が軽くなって、水面をゆらゆら~と漂うことによって、思いもよらない場所(アイデアの発見等)へ辿り着けるかもしれません。

その時を待って、ただ、じっと波に揺られて(心を委ねて)みる中で音に耳を澄ましてみると、色んな音が溢れていると思います。

さざ波の音。

波が跳ねる音。

イルカが跳ねている音。

空高く翔ぶ鳥の声。

遠くで微かに聞こえる汽笛の音。

そして、そのまま空を眺めてみると。

朝だと、空の青さに気づくかもしれません。

夜だと、大海原の星空の中に、自分だけの布置(コンステレーション)(※)が見えてくるかもしれません。

※印:
ユングの重要な概念の一つに、布置(コンステレーション)があります。
布置とは、本来は「星の配置」「星座」を意味する言葉です。
一見、無関係に見える夜空の星の配置を、全体として(星座として)見ると、何らかの意味を持ってくる、そして神話を想像する。
そこから、心理臨床では、クライエントの問題を考えるにあたって、その人個人にだけ着目するのではなく、クライエント(主星)を取り巻くさまざまな人間(星)の配置全体に目を向けることで、クライエントが直面している問題の意味・物語を読み解こうとするのが、布置という考え方です。

大切なのは、全体的な事象としての意味を考えることです。

その時、「なぜ?」という問いを大切にすること。

「なぜ?」という問いは、以下の通り、2つの方向性があると思います。

一つ目が自分自身に向けられる自分という本質を問うための「なぜ?」です。

二つ目が人と関わる上で相手を理解するために生じる「なぜ?」です。

そして、一つ目の「なぜ?」と二つ目の「なぜ?」に共通しているのは、わからないを大切にすること。

わからないなりに考えようという姿勢を持つことが大切だと思います。

今の世の中に足りないのは、こんな感覚なのかなと、思うことが多いですね。

誰しも、わからない考えや感覚や感情を持っています。

自分にはわからないそれらについて。

なぜこんなふうに考えるのか?

なぜこう感じざるを得ないのか?

自分のわかっているわかり方によってのみわかろうとするのではダメで。

そこには、わからないものをわかろう、自分ではない他人をわかろうとする想像的努力が必要です。

では、なぜ大切なのか?

それは、私たちの考えや気持ちを言葉にする時、そこには語られない心(うら)が生じています。

心を理解するためには、表だけではなくて、その心(うら)にあるものこそが心で、どうしても言葉にして相手と共有する必要がありますが簡単なことではありません。

そして、その言葉だけでなく、見えない人との関わり、その人が生きて来た歴史等、目に見えないものに思いを馳せて、想像し、共に感じる必要があります。

人間関係において、その想像的努力をしないことが、一番のリスクであり、広く世界を見渡せば、表層だけをなぞった理解だけが横行し、分かり合うには程遠い環境の様に感じます。

関わるところに生まれる心(うら)を大切にしていきたいですね。

この様に、人とより良い関係を築くためには、繰り返しまずが、この様な不確かさをどう捉えるかがとても重要となります。

色んなものを理解する上で、やはり「問い」は欠かせません。

その問により、今まで気づかなかった小さな発見があるかもしれません。

そして、まずは、自分だけの不確かさの意味を理解できれば良いと思います。

そこからがスタートです。

そして、感情は選べるものですから、リスクを取るなら、ちょっとした対策をまず立てておくといいですね。

対策があるという気持ちの余裕があるだけで違います。

また、リスクをリスクと思わない考え方を取り入れることもできます。

たとえば、自分の情熱が余りあることなら、リスクなんて考えている暇はないでしょう。

リスクよりも何よりも結果にフォーカスしていれば、考えずにすむから、また効果的だと思います。

となると結局、必要なのは、心の持ち方次第で見えるものが変わってきますから。

まずは、バランスを考慮して、あまり考えすぎないことや理詰めで考えない姿勢で行きたいですね。


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