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【メモ(memo)】不安の正体をさぐる

私たちは、本来できることをやらなかったり、やるべきことをやらなかったりするときがあります。

これはもちろん、セルフ・サボタージュ(自分をなおざりにすること)でもあるけれど、その一因に、不安や恐怖があげられます。

また、ときにはプレッシャーもあります。

プレッシャーも、詰まるところ、不安や恐怖と類は一緒です。

何かにおびえてビクビクするのは、できるならしたくないものですよね。

あなたは、今、何かに怯えていると自分で思いますか?

もしそうなら、何に対してでしょう。

なんとなく不安、というのもありますが、そのままではどうにもできません。

不安は、その正体をしっかり探ってみると、意外に存在していない架空のものだと発見したり、ちゃんとわかれば、そのための対策を講じることもできます。

今、自分が行動していない、動いていない、と感じるなら、一度、不安の正体を探ってみるといいでしょう。

不安には、種類もたくさんありますが、拒絶されるのではないか、という不安がとても大きくて、多くの人が、このおかげで自分を曲げています。

つまり、嫌われるのではないか、認めてもらえないのではないか、受け入れてもらえないのではないか、というもの。

人から、どうこうされることを中心にしていると、自分の本当に思うことが、できなくなってしまうのです。

ほとんどの人に、思い当たる節があるはず。

みんなと意見は違うけど、同じにしておけば、無難だから何も言わずにいたり、断りたくても、その後、どう思われるか不安だから断れなくなったり。

自分が、それで全く苦しまないならいいけれど、こんな思いは積もってくると、いいことはありません。

いずれ、「なんで私だけがこんな思いをしなければならないの?」なんて、自分が選んでやったことに、憤りを覚えるようにもなるでしょう。

嫌われるのは、確かに、気持ちの良いことではないけれど、意外に、そう思っているのは、自分だけだったりするときもあります。

認めてもらえないのでは、受け入れてもらえないのでは、と思うなら、相手と話をしてみることも良いでしょう。

話してみたら、自分一人の思い込みだった、なんてことも、ありうるかもしれません。

いずれにしても、一人で相手の気持ちを推し量っているだけでは、真実はわかりません。

また、そのために自分を犠牲にしてしまって、それでいいのか、もう一度、自分の気持ちに正直になってみたら、答えもまた違ってきます。

【今日の短歌】

「ゴンドラが緑の谷の上をゆく うれしさと不安の起源はおなじ」
(五島諭『緑の祠』より)

「開けっ放しのペットボトルを投げ渡し飛び散れたてがみのように水たち」
(近江瞬『飛び散れ、水たち』より)

「どこにでもある不安なりペンに書く文字をゆがめてブルーブラック」
(久我田鶴子『雀の帷子』より)

「水に書く言葉に似たるこの生をマルクス=アウレリウスも生きしと想へば」
(鷺沢朱理『ラプソディーとセレナーデ』より)

「愛を告げすぎて不安になるこころあまたなるゆすらうめの実のゆれ」
(渡辺松男『けやき少年』より)

「最後まで話さなくていいカーテンに染みこませておく君の悩みは」
(野村まさこ『夜のおはよう』より)

「失った時間をチャージするためにサービスエリアがあるたび止まる」
(九螺ささら『ゆめのほとり鳥』より)

【参考図書】

「無(最高の状態)」鈴木祐(著)

<参考記事>

①感情コントロール能力の低下

②自己を批判する思考

③習慣的な心配性

④ネガティブなボディイメージ

「The Extended Mind The Power of Thinking Outside the Brain」(English Edition)Annie Murphy Paul(著)

「地に足をつけて生きろ! 加速文化の重圧に対抗する7つの方法」スヴェン・ブリンクマン(著)田村洋一(訳)

<参考記事>

「ポジティブ病の国、アメリカ」バーバラ・エーレンライク(著)中島由華(訳)

「考えすぎない練習」ジョセフ・グエン(著)矢島麻里子(訳)

「不安型愛着スタイル~他人の顔色に支配される人々」(光文社新書)岡田尊司(著)

「スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険」谷川嘉浩(著)

「ジャック・ラカン 不安(上)」ジャック=アラン・ミレール(著)小出浩之/鈴木國文/菅原誠一/古橋忠晃(訳)

「ジャック・ラカン 不安(下)」ジャック=アラン・ミレール(著)小出浩之/鈴木國文/菅原誠一/古橋忠晃(訳)

「極限の思想 ラカン 主体の精神分析的理論」(講談社選書メチエ)立木康介(著)大澤真幸/熊野純彦(編)

「極限の思想 サルトル 全世界を獲得するために」(講談社選書メチエ)熊野純彦(著)大澤真幸/熊野純彦(編)

「極限の思想 ニーチェ 道徳批判の哲学」(講談社選書メチエ)城戸淳(著)大澤真幸/熊野純彦(編)

「極限の思想 ハイデガー 世界内存在を生きる」(講談社選書メチエ)高井ゆと里(著)大澤真幸/熊野純彦(編)

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