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【レポート】TVドラマ『ハゲタカ』と『リーガル・ハイ』の共通性

自己評価:具体的でありレポートにふさわしいテーマな筈

以前、サンデル教授の正義論(「幸福の最大化」「自由の尊重」「美徳の促進」)が世界中で受けていましたね。

「これからの「正義」の話をしよう―いまを生き延びるための哲学」サンデル,マイケル(著)鬼澤忍(訳)(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

「これからの「正義」の話をしよう―いまを生き延びるための哲学」サンデル,マイケル(著)鬼澤忍(訳)(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

過熱する競争社会の中で忘れがちな判断基準を再考させるものであり、私たちに、何が重要で、その理由はなぜなのか考えることを強いるものでした。

私たちを取り巻くものすべてが速く流れ、何もかもが流動的である時代。

本当の道標は自分たちの内面に揺らぐことなく存在するのだと知ることは、心強く、勇気づけられるものです。

ビジネスや日常の中で、道徳哲学が今また注目され、正義について我々が再び語り出したことは、まさしく時代を反映しているといえるのかもしれません。

そこで、タイトルにある二つのTVドラマ『ハゲタカ』と、

ハゲタカ

『リーガル・ハイ』を観て感じたことが、この正義とは何なんだろうか?、社会での「力」とは何なのだろうか?ってこと。

リーガル・ハイ

小説『ハゲタカ』の中に以下の文章があります。

「俺は悪党じゃないさ。正義の味方だ。ただ、世間の正義と俺の正義が違うだけだ」(p.174, ハゲタカ(下) (講談社文庫))

「ハゲタカ〈上〉」真山仁(著)(講談社文庫)

「ハゲタカ〈上〉」真山仁(著)(講談社文庫)

「ハゲタカ〈下〉」真山仁(著)(講談社文庫)

「ハゲタカ〈下〉」真山仁(著)(講談社文庫)

また、以下は、映画『ハゲタカ』において、一連のマネーゲームの後での2人のやりとりのセリフです。

「じゃああなたが経営者ならどうしたんだ」(古谷社長)

「私は経営者ではない。ファンドマネジャーだ。」(ハゲタカ)

「おまえは傍観者じゃないか!(叫)」(古谷社長)

正に「資本の論理」と「経営の論理」の断絶があらわれています。

また、TVドラマ『リーガル・ハイ』の第四話での出来事。
https://www.youtube.com/watch?v=c4iidIO4hDw

利益背反の黛に「なぜそんなことをした?」と古美門。

黛「正義のためです。」「私は正義を守るために弁護士になったんです。」

古美門は「可哀想な人間を憐れんでいるだけだ」と指摘。

黛は「正義はどこにあるんですか!」と、赤面しそうな「青臭い」ことを言い返します。

古美門「神でもない我々にそんなこと分かるはずもない。正義は特撮ヒーローものと少年ジャンプの中にしかないと思え。自らの依頼人の利益のためだけに全力を尽くして戦かう。我々弁護士にできるのはそれだけであり、それ以上のことをするべきでもない、分かったか朝ドラ!!」

「正義は特撮ヒーローものと少年ジャンプの中にしかない」とは、サンデル教授も思いつかない?正議論の白眉か(^^)

『ハゲタカ』の鷲津しかり、『リーガル・ハイ』の古美門しかり、強大なものを操るライセンスを持っていること。

それは間違いなく強いと思うのですが、ライセンスを持つ者自身は、その闇の部分や重みも抱え込まなくてはならないのでしょうね。

闇も重みも抱え込まないもう一つの強さの形は、ライセンスを持つ者へのパイプと、彼を動かすためのカードを保有していること。

それが鷲津や古美門の強さなのかな、という印象を持ちました。

具体的には情報収集力と、情報を使った根回し。

そして情報の意味を咀嚼する頭脳と、大胆に使いこなす、その実行力。

この4つの情報リテラシー能力が大切です。

ここで、内田樹さんは、情報リテラシーについて以下の見解を述べられていました。

【参考記事】
情報リテラシーについて
http://blog.tatsuru.com/2011/09/16_1350.php

思うに、最強の勝負師は、「開戦の前から勝負は決まっている」状態に持って行くのがうまいのでしょう。

何事も壊れるという前提があるから、そこがスタート!

ものや人のつきあいも、そう。

ぶつかり合って摩擦がおき、壊れたりひびが入ったときが、まさにスタート!

であれば、豊かさとは、目に見えるものではなく、そこに隠された物語なんだろうね。

自分が真剣に手をかけてかかわるのであれば、少なくても豊かな人生と言えるはずです(^^)

そう言えば、TBSドラマ『半沢直樹』は、『ハゲタカ』と『リーガル・ハイ』を足して割ったようなストーリー展開が実に面白かったですよね(^^)

半沢直樹

【参考サイト】
書店でちゃんと本が選べない人の「本選びリテラシー」は、どうしたら身につくか。
https://blog.tinect.jp/?p=68155

「権威」とメディアリテラシーについて
https://blog.tinect.jp/?p=9649

現実として、約6割の人がネットニュースの出所を「気にしない」。
https://blog.tinect.jp/?p=59627

誰でも有益な情報を”無限”にギブできるのが、現在のソーシャルネットワーク時代。
https://blog.tinect.jp/?p=59194

語彙力がとても重要なのは、検索が「知っていること」しか教えてくれないから。
https://blog.tinect.jp/?p=58125

「知識を手に入れるための知識」がない人にとって、Google検索はあまりにも難しい。
https://blog.tinect.jp/?p=40340

こういう時代だからこそ、「本で調べる」「図書館で調べる」経験を子どもにさせてあげたいなあと思った
https://blog.tinect.jp/?p=34348

将来子どもが詐欺にあわない為に、今後教えていきたいことを整理してみた
https://blog.tinect.jp/?p=33041

表現者のもっとも重要な条件は、「誤解」を受け手の責任にしないこと。
https://blog.tinect.jp/?p=21034

ウェブ上の情報は随分と偏っているようだ
https://blog.tinect.jp/?p=3211

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