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【オーディション詐欺に遭った私の話】3年間の葛藤※オーディションで迷ってる人へ

わたしは
オーディション商法の詐欺に引っかかりました。

今日はその時のことをお話しします。

因みにこちらの事業者です。

当時私は歌手になりたくて
広島から東京に上京したてでした。
2016年の6月頃でした。
年齢は22歳でした。

ネットで見つけた歌手オーディションに応募し
渋谷のとあるビルに
オーディションを受けに行きました。

オーディション会場は
そのビルの中の一部屋で行われており
部屋の外には参加者の行列が出来ていて
そこに私も順番に並びました。

暫くすると
鏡張りの少し大きめの部屋に案内されました。

部屋の中には5人くらい審査員がいました。
有名なプロデューサーだとか何とか名乗っていましたが覚えていませんし、私は全員知らない方たちでした。

部屋の中にいる大勢の参加者は
10人ずつくらいに振り分けられ
順番に審査員の前に出て
自己紹介をした後
好きな歌をワンコーラス歌うという流れでした。

オーディション風景を撮影しているカメラマンがいて、何かのTV番組の密着だとか言っていました。
TV番組名は言っていなかったので、
どこかで放送されたのか、
嘘だったのかは分かりません。


「オーディションの会場で出会った人同士は
絶対に連絡先の交換をしてはいけない。
ネットでも繋がるな。
絶対にこのルールは守れ。」
そう何度もしきりにアナウンスをされました。


オーディションが終わり
1週間後くらいに
結果を聞きにまた渋谷に行きました。

オーディション会場とは別の建物で
そこの1フロアが事務所の様な雰囲気になっており
入口や壁には沢山の芸能人たちのポスターやCD、
知らないアイドルや歌手のポスターやCDなども
兎に角至る所にありました。

私の担当らしき人のデスクに案内され
そこで結果を伝えられました。


最初にまず
今回のオーディションの参加者人数を聞かされ
その中で合格することはどれだけ凄いことなのかを聞かされました。
殆どの人が不合格になり
夢が叶わないんだという話もされました。

長い前置きが終わり
私は合格ですよと伝えられました。

審査員のプロデューサーも褒めていたと。

そして、CDデビューをする為に
1年間レッスンを受けなければいけない、
そのレッスン代が62万円必要だと言われました。
その内の38万円が入学金
24万円がレッスン代だと。

合格なのに何故レッスンを受けるのか
何故お金がかかるのかと聞くと

プロの歌手は皆デビューしてからも
日々レッスンをしている、
プロの世界は甘くないから
レッスンを1年間受けてもらわないといけない。
これはデビューする人皆そうだから
芸能界では必ず必要なことだ
と説明されました。

当時上京したての私はお金が無かったので
払えませんと言いました。


担当の人はとても必死に説得してきました。

今日どうするか決めないと
合格は取り消しになって
デビューも無しになる、
こんなチャンスは2度と来ない、
1年間レッスンを受けるだけでデビューが確約されている、
今辞退したら絶対にこの先後悔する、
歳を取ったら無理だ、

そんな言葉を沢山並べられた後に
クレジットカードがあれば
ローンを組んで支払いが出来るから
ローンを組んだらいい。
月々の支払いは少なくて、
デビューしたらそんなローンは簡単に払える
と言われました。

結果わたしは
クレジットカードでローンを組みました。



誰かの参考になればと思い
申込書兼契約書
クレジットお申込みの内容
の一部をここに共有します。


レッスンは写真の通り
合格と伝えられた日の翌月から始まりました。

中野坂上の駅から少し歩いたところの
ビルの中の一部屋が
レッスンが行われる場所でした。

真夏でしたがクーラーは無く
とても蒸し暑かった記憶があります。
とことん経費削減していたのでしょう。
あんな環境では何も頭に入ってきません。

毎月のレッスンは
大学の授業のように自己選択制で
月12回、受けたいレッスンがある日に
受けに行くシステムでした。

私は最初のレッスンとして
ボイストレーニングを選びました。

その日の生徒は20人くらい居たと思います。

福岡から毎回通ってきている
と言っている女の子も居ました。
もう既にレッスンを受ける必要の無いくらい
歌の上手な女の子も居ました。

1レッスン120分なので
1人ずつ前に出て、
持参したカラオケ音源を流しながら
最後まで歌い、
歌い終わりに先生から少しばかりのアドバイスを貰うというものでした。

それで終わりです。

正直、ボイストレーニングを受けたことが無かった私でさえ、これはボイストレーニングなんかじゃないんだということだけは分かりました。
ただの蒸し暑い部屋で行われる遊戯会でした。

私はそんなレッスンを3回程受けに行きましたが
時間と交通費と若さの無駄遣いだと感じ、
レッスンを辞めたいと
担当の方に連絡しました。


担当の方はとても焦っており
取り敢えず事務所に来てほしいと言われ、
行きました。

合格を伝えられた事務所に行き、
担当の方にもう一度
辞めます、と伝えました。

理由を聞かれたので
レッスンの内容が料金に見合っていない
私はレッスンを受ける意味を感じられない
と言いました。

担当の方は
そんなことはない、
1年間頑張るだけで良いんだよ、
と何度も止めてきました。

結果、辞めることは出来ましたが
レッスン代としての20万円だけの返金で
入学金は払い戻せないと言われました。
そして、カードローンは一度組んだら払い終えるまで払い続けるしかないと言われました。


利子付きの80万5256円の
カードローンだけが残りました。
(返金された20万を引いて60万5256円)




この時点で消費者センターに相談に行っていれば
返金はされなかったとしても
カードローンの支払いを
停止できたかもしれません。

しかし私は担当の方の言葉を間に受けてしまい
残りのローンは支払うしかないものだと思いました。


因みにこの後
私は別の理由で鬱になり
働けなくなり
口座残高が足りなくなり
支払いを滞納してしまいました。

結果、広島の実家まで
借金取りが取立てに来たそうです。

両親はその当時、
私がカードローンを組んでいる事など
何も知らなかったので
いきなり借金取りが家に来て
怖くて居留守を何度もしたそうですが
借金取りは外が暗くなるまで家の近くの木の裏にずっと隠れていたりしていたそうで
怖くて払うしかなかったそうです。

全ての原因は私にあるのですが、
カードローンを安易に組むと
こんなことになったりします。

たかがカードローン、
されどカードローンです。

私はこの事があり
今現在、クレジットカードを作ることが出来ません。
クレジットカードとは
そういうものです。


両親には迷惑と心配をかけ
怖い思いをさせてしまい
お金の負担までさせてしまい
本当に毎日懺悔の気持ちでいっぱいです。


私の知識の無さ
経験の浅さ
お金さえ払えば上手く行く
そんな他力本願な思いや
勉強不足が招いた出来事だったと思っています。



そんなこともありながら
2019年7月29日の引き落とし
22300円を最後に
私のカードローンの支払いは幕を閉じました。

36回払い、3年です。

長かった。
そして辛かった。

様々な思いがあった3年でした。

何度も消費者センターに相談に行こうか迷いましたが、
心のどこかで
騙された自分が悪い、
1年間頑張ることを選べなかった自分が悪い、
そもそも叶うか分からない夢を見た私が悪い、
そんな罪悪感と劣等感の方が大きく
結局このことは思い出さないようにしながら
毎月お金だけ引き落とされる毎日を選びました。

全ての支払いを終えた頃
やっとオーディションの事と向き合う決心が付き
3年越しにネットで事業者名を検索をしてみました。

そこで初めて
オーディション商法で業務停止になっていることを知りました。

後の祭りとはこの事です。


その後、消費者センターに
事の経緯を話してみたところ

お金を完済してしまっているから
取り返すことは無理に等しい、
事業者自体が業務停止になった後
行方が分からない、
今から突き止めて訴えるにしても
取り返す金額よりも高くつく可能性の方が高い、

そんな風に教えてもらいました。

もし、支払い途中だった場合は
消費者センターから事業者やカード会社に連絡をして支払いを停止させられたかもしれない
ということも教えてもらいました。

実際
オーディション商法っぽいものや
詐欺に近いもの等は
消費者センターに相談した場合
支払い停止に出来る場合が多いそうです。






ということで、
私のオーディション商法の詐欺に引っかかった話は終わりです。


正直、何度恨んでも恨みきれないし
それと同じだけの
自分への怒りもありました。


60万円あったら
何が出来ただろう…




詐欺に遭う方が悪い
と考える人もいるだろうし
実際詐欺に遭わない様に
普段から色んなことに当事者意識を持つことが
大切だと思います。


そういう全部を抜きにして
ただ、今、私に出来ることは

この経験と悲しい現実を
嘘偽り無く
伝えるということだけです。

1人でもいいから
私と同じような目に遭わないように
辛い思いをしないようになれば良いな。

そして何より
音楽というものを
夢というものを
嫌いにならないでほしい。


そんな思いで
今日はこの話をしました。



少しでも
詐欺の無い世界に近づけたら良いな。






追伸


この後

音楽活動をしたり

作詞家として仕事をした中で知った

音楽業界の現実を

こちらの記事で綴っています。


因みに、
この詐欺に遭った後にすぐ
お金が足りないまま
無理矢理クレジット5回払いで
どうにかアコースティックギターを購入し、
何も分からないまま独学で作詞作曲を始めました。

歌手になりたいなら
歌いたいなら
音楽をしたいなら

自分で作って自分で歌うしかない

そう思ったからです。

その時から、これだけの曲が出来ました。
良かったら見てみてください。



【掲載報告】

共同通信社様から取材いただき

2022年10月27日
デーリー東北 茨城新聞 京都新聞
四国新聞 高知新聞 徳島新聞

にオーディション商法の被害者としての思いを語ったインタビューが掲載されました。ありがとうございました。

※「バブみき」表記で
      載せていただきました。


【掲載報告】

読売新聞社様から取材いただき
オーディション詐欺に遭った話が
2022年10月27日の
朝刊およびオンライン記事にて
掲載されました。

ありがとうございました。


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