「DX、UX、 AIって何? 何が起きて、どうなるのか一発で理解できます」ロジラテ思考のイノベ塾
今、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進して、社内データに価値を持たせようとしています。
特にティア企業(下請けメーカー)では、製造、生技、設計データを集め、「当社はDXを積極的に推進しています!」なんて自慢げにアピールしている企業をよく見ます。
DX事業部長に、「御社は、DXでどんな価値を顧客に提供するんですか?」と聞くと。。。
「データを統合し、高品質、高付加価値の製品をお客様に提供することを目的としております」とおっしゃいます。
これじゃ単に社内データを寄せ集めて統合するだけで、今まで散々やってきたことではないでしょうか?
集めたデータでどんな価値を創造するのか分かっていないのに、イノバティブな製品やサービスができるとは思えません。
1.顧客が欲しがるUXを、どのように作るのか?
さて、このDX事業部長に欠けていることはなんでしょうか?
ずばり「顧客の利益となる新しい体験を提供する」ことです。
この体験をUX(ユーザーエクスペリエンス)と言います。
DX事業部長が答えるべきは「当社が持つ強みや価値で、お客様が喜ぶUX(体験)を開発をします。」でなければなりません。
世間ではDX、UX、AI、デジタルマーケティングのような難解なIT用語が飛び交っていますが、要は「企業理念に基づいた自社の強みや価値で、顧客が喜ぶ新しい体験を提供する」ことです。
2.そもそもUXって何?
DXが現れる以前は、市場調査や社内情報から属性データを作り、ターゲットを見出してきました。
例えば、この商品を購入するターゲットは。。。
⇒20~30代の独身女性で
⇒年収は250万程度で
⇒ダイエットに興味がありジムに通っていて
⇒週に一度、外食を楽しんでいる人達
といった具合です。
しかし、この属性データだけでターゲッティングするのは、あまりに乱暴です。何故なら同じ属性の人達が、同じモノを欲しがると考えるのは無理があるからです。
例えば、ジムに通う目的がダイエットであっても、
ただ痩せたいだけの人にプロテインは必要ありません。
マッチョを目指す人に、低タンパクの健康食品は必要ありません。
つまり、ターゲットの行動データを分析しなければ、的を得た商品開発やサービスが提供できないということです。
3.行動データって何?
行動データとは、ターゲットとする顧客の時系列の行動です。
例えば、ダイエットを目指す顧客の行動を見ると。。。
朝起きて何を計測したか?(体温、体重、体脂肪率など)
朝食は、何を食べたか?
出社は何処に、どれくらい歩いたのか?
昼食は何を食べたか?
退社は何時ごろで、その後何をしたのか?
エクササイズは何をしたか?(メニューなど)
その後、食べたものは何か?
就寝前に何をしたか?
こういった行動データがあれば、顧客自身が気づかなかった欲しい商品やサービスが見えてきます。
これまで企業は、商品やサービスを買って頂くことが目的でした。
しかし、これからは商品を売るだけでは許されなくなります。
企業が顧客に寄り添って、「顧客が楽しくなる体験(UX)」を提供することを求められるようになります。
つまり、顧客が直面した「何が起こって」、「何故そう感じたのか」、「何をしたのか?」、「どうなったのか」の行動データを分析し、それぞれの局面ごとに、顧客自身が気づいていない欲求を満たすことです。
今、私達は非常に恵まれた環境にいます。
スマホが出現するまでは、行動データを入手することはほぼ不可能でした。顧客にいちいち聞いても、正確な情報を得ることは難しかったと思います。
今はアプリを使って、顧客と合意の元に行動データを入手する方法を考えることが出来ます。さらにAIで分析させることもできます。
これはティア企業であっても、知恵を絞ればできることです。
今後、UXを開発できる企業になるか、それともUXを開発する企業の下請けとなるかの二者に分かれていくと思います。
次回は、UXについてもう少し踏み込んでみたいと思います。
冒頭のDX事業部長のようにならないようにしないと。。。。笑
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