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ばっち - BATCH
2024年2月26日 21:20
第百二十五話 俺たちなりの恩返し これは10コートに到着して由香里準備運動を始めた徹が知る由もない、観覧席での一部始終である。徹に促された通り、朋美が観覧席につくと、「あれ?朋美先輩じゃないですか!みんなには言わないでって言ってたのにどうしてここに?」徹の県大会決定戦の際に言伝を頼まれた歩実がその存在に気づくなり尋ねた。「いや、岸自身に来てるのバレたからもう無理に隠れなくてもいいかなって…
2024年2月23日 22:05
第百二十四話 各々の激励 先輩たちの試合の決着がまだついていないことを不思議に思った俺は、先輩たちが試合をしているコートに近くの席を目指す。先輩たち、果たして大丈夫だろうか。いつの間にか負けてた、なんて事態が起こっていないだろうか。「とーる!」一人歩いていたところ、後ろから由香里が追いかけてきた。「先輩たちまだなんでしょ?あたしもちゃんと先輩たちの勝ちを確認して決勝行きたいから観たい!決勝
2024年2月19日 21:00
第百二十三話 決勝で逢おう 「ミックスダブルス、準決勝第一試合。東帆高校、岸くん、織田さん…」「由香里先輩!徹先輩!遂にですね!」やっと俺と由香里の準決勝のコールがかかった。「この試合勝てば決勝!且つ県大会決定ですもんね!センパイたち、負けちゃダメですよ!」「わかってる。ここで負ける気はさらさらない。もちろん優勝するつもりだし…」「負けるとしても、決勝で莉桜と桜森先輩のペアに対する負け
2024年2月16日 21:00
第百二十二話 勝手にインスパイア お昼休憩を挟み、30分間ダブルスとミックスのアップの時間が与えられた。俺は今回もダブルスには出場せず、由香里を相方にミックスに出場する。そして今回、ミックスの県大会出場枠は3つ。決勝に進めば無条件に県大会進出が決定する。我々東帆高校から出馬するミックスは俺と由香里、そして男女それぞれの部長である桜森先輩と春田先輩のコンビの2チームだけで、幸い山は反対側。つまり、
2024年2月12日 21:00
第百二十一話 IN THE ZONE 第3セットを逆転で奪い、流れを引き寄せた俺は、いわばゾーンに入った状態となった。続く第4セットも、楊原のネットイン地獄をものともせず、11-3で完全制圧。セット数2-2と、星を五分五分に戻した。「徹すげぇよ!!よくあんなネットインまみれの野郎相手にここまでいけるな!流石は次期うちのエースだよ。これなら安心して部を任せられるよ。」「気が早いですよ。まだ団体
2024年2月9日 21:04
第百二十話 俺のステージ 17位決定戦の幕が開こうとしていた。今俺は相手である楊原と試合前のラリーをしている。団体の決勝戦。俺はコイツに敗れたことで、団体戦の優勝を逃してしまった。つまりこの一戦は俺個人のリベンジではない。我々東帆高校のリベンジと言うこともできるだろう。更には、県大会出場を賭けた試合でもあるときた。ホントに何が何でも勝たなくてはならない大一番だ。「ねえ由香里ちゃん。岸くんの相
2024年2月5日 21:01
第百十九話 最速リベンジマッチ 大会2日目。今日は午前中にシングルスの上位戦と俺が出る17位決定トーナメント、そして午後にダブルスとミックスがある。午前と午後で綺麗に分かれているおかげで、午後の部の前にそれぞれダブルスとミックスの練習時間がとれることになっている。そのため、朝のアップの時間はシングルスに残っているメンバーだけがアリーナで練習する権利を持っていた。ともなると俺の練習パートナーはもち
2024年2月2日 21:01
第百十八話 料亭級家庭料理 初日の全日程が終了し、俺たちは一度解散。それぞれ明日のダブルス、ミックス、シングルスの上位戦に向けて英気を養ってくることとなった。ちなみに東帆高校の男子で明日のベスト8決めに残ったのは、俺を叩き潰した桜森先輩一人。そして県大会出場最後の一枠を賭けた16人での17位決定トーナメントには俺が残っている。女子はと言うと、部長の春田先輩と俺のミックスのパートナーの由香里は既に