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旅の記憶 1994・夏 トルファン #1


30年前の夏
 僕は中華人民共和国ウイグル自治区
トルファンにいた


灼熱の太陽の下で
とにかく暑かったのを覚えている


ウイグル族のおじさん


日中は暑すぎて活動できないものだから
午後3時を過ぎた頃から
屋台がぽつぽつとではじめる


現地で知り合った日本人バックパッカーのアサイ君とその友達


僕たちのような旅行者も
その中に混じって食事を取るのが常だった


売り子のお姉さん


この街まで来る旅行者はそんなに多くなくて
地元の人にカメラを向けると、
少し緊張しながらもポーズを
とってくれる人が多かった
そんな時代だった


ロバの荷馬車


街には、ロバ車がたくさんいて
小さな体で大きな荷物をたくさん運んでいる
ロバは時々「 荷物が重すぎるよ 」
とでも言うように鳴くのだが
その大きな鳴き声は悲痛な叫びのようで
なんとも切ない気持ちになったのを覚えている

日除けのために街路樹でできた歩道のトンネル

日中はあまりに暑いものだから
日陰を探しながら歩くことになる


夕暮れとともに活気ずく屋台


僕たちは毎日
こんな風に現地の人々の暮らしの中で
旅をしていた


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