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旅の記憶 1994・夏 トルファン #5


30年前の夏
 僕は中華人民共和国 新疆ウイグル自治区
トルファンにいた



番外編
ハミウリを喰らう

バザールのハミウリ売り

あの時の僕たちは
時間だけはふんだんにあった
安宿に泊まり
現地の人の感覚で食事をし
路線バスを乗り継いで旅をする
実質約1ヶ月の旅行の予算は
10万円でお釣りがくるほどだ
そんな僕らのある日の過ごし方


ハミウリ買って宿に帰るの図

例えばバザールで
ハミウリを見つけて
当初スイカだと勘違いした僕らは
小躍りしながら買い求めた
なぜならジュースは高かったし
安い果物で喉の渇きを潤せるなら
そんないいことはない
といった感覚


ハミウリ1人半分がノルマ

どうせなら
日本でできないことをしようぜ
ってことで
ハミウリを半分に割って
貪りつこうってことに

ハミうりにかぶりつく


真っ二つにわったハミうりにかぶりつく
上品に食べるのではなく
野性味あふれる感じで丸ごとかぶりつこう

素手で実をほじくりだす

スプーンなんかは
あえて使わずに
行儀が悪いとか気にせずに
日本ではできないことをやろう
って感覚で
無為な行為を楽しんでいた


四苦八苦して食べ尽くす

あの時の僕たちは
旅の空の下
非日常を楽しんでいた


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