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旅の記憶【1993〜シルクロード】

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当時大学生だった1993年以降の旅の記憶を撮り溜めたフィルムを見ながら、記録しています。 すっかり忘れていた事も色々思い出せるのが不思議です。 当時撮影したフィルムをデジカメを使…
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2022年1月の記事一覧

旅の記憶 上海でのこと

旅の記憶 上海でのこと

少し話が前後するが、上海でのことを少し書こう。

鑑真号を降りた僕たちは、拍子抜けするほど簡単に税関を抜け、徒歩でホテルを目指す。
事前に先輩から、船を降りたら客引きのタクシー運転手が群がってくるけど、歩いて行けるところに良いホテルがあるから、と聞いていたので、僕たちは客引きの片言の日本語に足を止めることもなく、港を後にした。

ちなみに当時の中国のタクシーには、メーターがついてないので、乗る前に

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中国大陸上陸

中国大陸上陸

上海の街へ

1994年3月11日
鑑真号乗船から4日目の朝。
僕はついに中国大陸に到達した。

これから始まる旅に心浮かれてはいるものの、
同乗者たちとの会話以外に特にすることのない船の上、見える景色は360度ぐるりと水平線。
幸い天気は良かったので船酔いに悩まされることはなかったけれども、
この環境での3日間はなかなかに長い。

食傷気味になっていた4日目の早朝
二等船室の雑魚寝の床で目を覚ま

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旅のはじまり 1993年春

旅のはじまり 1993年春

鑑真号
横浜から上海へ3泊4日の船旅

僕がはじめての渡航先に選んだのは中国だった。

理由は明確で、海外旅行をするなら
地球の大きさを肌で感じたいという思いがあり、
飛行機ではなく、地に足をつけた乗り物、つまり電車やバス、船を使って移動したいという思いがあったからだ。

バックパッカースタイルの旅行について教えてくれたフジノさんから、この船の事を教えてもらった時に、最初に海外に出るときは、絶対に

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Pig in the basket

Pig in the basket

1993年3月 中国 陽朔
  陽朔(Yangshuo)のマーケットにて

上海で数日を過ごしたあと、僕は船の中で教えてもらった、陽朔の街を目指した。

陽朔は中国の内陸部、広西チワン族自治区、
水墨画のような美しい風景で有名な観光地
『桂林』から、南に90キロほどに位置する小さな街だ。

上海から桂林までは電車で約30時間、そこからバスで陽朔を目指す。

桂林から陽朔までは今は高速道路で1時

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