5年間、文句を言い続けたOS XのFinder

いろんな文句を連載の中で言ってきましたが、一番そのターゲットとなったのがFinderです。数えてみましたが、コラムのメインで文句なりを言ってる回が9回もありました。全52回のうち9回。なかなかな打率。

ただの文句、今までと違うぞなんとかしろーっていうことが基本なんですが、なかなか読み返してみると良いことも言ってます(贔屓目)。

この回は、自分的にも連載を続けていく力となった考え方でした。どうにも新しいFinder、自分が思うように扱えている気がしない。この感覚を所有感というテーマで語ってみた回でした。いまだにこの感覚は、最近のFinderもだいぶ良くなったとは言え、旧MacOSに匹敵する感覚は得られていません。まぁ、途中で諦めがちに言ってる通り、こればかりは時代が違ってしまって扱うモノも量も変わってきてしまっているので、一概にFinderが悪いのではなく、まだその解決策が見つかってないだけ、ともいえるのですが。

こちらも手応えを感じた回。もっと未来が見たい、どうせズタズタに使い勝手悪くしたんであれば、言ってるような未来を見せてくれ、それってNewtonとかKnowledge Navigatorの先にあるものだよな?夢見させてくれよ?という。おっと3行でまとめてしまったぜ。

ちょっと進んで半年後、今や語られることも少ない存在がなかったこととされているコードネームPuma。その次からのJaguar、Panther、Tigerの流れに乗れていない知名度のPuma。出来もひどかった。いや、一部はいいんですが、相変わらず昔ながらのMacユーザーを安心させるレベルではなかったですな。

そして時代はiPodの登場へ。このへんから、自分でも未来のFinderの形をいろいろ探っていくようになってます。やっぱり旧世代と違う一番な環境的変化といえば、ファイル数が桁違いに増えたこと。画像や音楽、どのように扱っていったらいいのかまだ探り探りだったこと。

とりあえず現状の解決策としては、それぞれのライブラリをバンドルとして他からは見えなくする、という手法をとってしのいでいるが、理想からはほど遠いだろう。ある時点から先は特別なアプリケーションにゆだける必要がある。もちろん検索などの仕組みによって串刺しには検索できるようにはなっているが、ディレクトリ構成でたぐれる情報に壁ができてしまっているのは事実。ぼくが夢見ていたのはServantの世界。

Macintosh Servant

とはいえ、大量のデータをどう扱っていいのかの答えは自分でもまだ出ていません。

この辺まではNeXTエンジニアに対する敵対心は全然消えてませんでしたね。ここから数回は文句のオンパレード。NeXTエンジニアが悪いわけではない、ということは今はわかるのですが、ズタズタにされた環境へのやり場のない怒りがそっちへ向かってしまっていたのでしょう。申し訳なかったですが、こちらの気持ちも察していただきたい。いまや、JobsがNEXTSTEPを売り込んだことは色んな証言から明らかなのでw

という文句タラタラな連載によく皆さんついてきてくれたなと思うぐらい、いま読み返しても辛いところはありますが、この回にしてようやく文句終了宣言。次に進むぜ、オレらは自分の好きなFinderを作るぜ!っと言って海に旅立っています

…とは威勢のいい何でしたが、その後数回は進捗を語っていますがうまくいかず、1年弱でしょぼんと終わってしまってます。ほんと、申し訳ありません。風呂敷を広げすぎるのはよくないですね、なんとかなると思っちゃうのが正確なんでしょうが。いく時も多いんですがFinderはそうはいかなかった。くさっても The Great Finderなのです。

というわけで連載の最終回に飛ぶのですが、さらに2年経ってもまだ満足はしていませんでしたね。まぁ、それどころかそこからさらに15年経った今でも満足はしていないので、当たり前と言えば当たり前なのですが、今の自分、Windowsを5年間使ってきて最近久々にMacに戻ってきたこともあり、なんてFinderは使いやすいんだって感動しています。早い話が自分の満足度を下げれば幸せな未来はすぐやってきていたのです。なんて簡単なことだったのか…。

もちろん、そんなことではないんですけどねーw


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