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勉強日記③ 有痛性筋痙攣

 「こむら返り」とは、一般的には「足がつった」と言われることが多い。医学用語で「有痛性筋痙攣」と呼ばれているが、メジャー過ぎて医療関係者でも「こむら返り」と言っている。ざっくり言うと持続的な筋痙攣に痛みや圧痛を伴うもの。筋クランプって呼び方もあるらしい。
なぜ起きるのかという原因については、はっきりしてないようだが、医療現場では良くあることなので調べた限りをまとめておく。命の危機に関わる重篤な状態ではないからか、調べてみても情報は少なかった。

【原因】
・電解質の異常。
・筋内運動神経終末の過度の興奮。
・痛みは何らかの代謝産物の蓄積、部分的な虚血。

【分類】
1)生理学的状態の変化で生じるもの
・運動中:水電解質代謝の不均衡。同一筋の繰り返しの使用で神経終末の活動性が高まる。
・妊娠(後期):おおよそ50%の方が経験するらしい。循環動態の変化、神経圧迫、カルシウムやマグネシウムの低下。

2)症候性有痛性筋痙攣
・内分泌代謝疾患:甲状腺機能亢進・低下症、副甲状腺機能亢進・低下症、肝硬変、副腎疾患、腎不全、血液透析など
・電解質異常:高・低ナトリウム血症、高・低カルシウム血症、高・低カリウム血症、低マグネシウム血症、脱水。
・薬剤:利尿剤、スタチン、β刺激薬、β遮断薬、ACE阻害薬、カルシウムチャネル阻害薬、男性ホルモン、女性ホルモン、ペニシラミン、ステロイド、モルヒネ、シンチジン、リチウム、ビンカアルカロイド、サイクロスポリン。

3)特発性有痛性筋痙攣
特に重要なのは「夜間」。原因不明なことが多いが、尿毒症、糖尿病、甲状腺疾患、電解質異常、一部薬剤。

【治療】
1)対処療法(応急処置的)
筋痙攣を起こしている関節運動方向と反対方向へのストレッチ。脊髄の抑制性神経を介して、下腿三頭筋に分布するα運動神経線維を抑制する。過度なストレッチに注意。
末梢から中枢に向かって、なでるようにマッサージする。

2)薬物療法
肝硬変患者には全体の40%くらい起きるらしい。利尿剤を服薬している方が多いため、電解質異常が起こりやすい。ビタミンE、芍薬甘草湯など。
※芍薬甘草湯は過剰な筋活動を抑えるのだろうが、筋緊張を低下させる作用がなくはなさそう。一応、転倒しやすくなる可能性があると覚えておく。ここら辺は医師に聞いたほうが良さそう。

【肝硬変、糖尿病患者でなぜ起きやすいのか】
糖尿病:インスリンがうまく働かない状態。
肝硬変:肝臓が機能していない状態。

以下の流れ
・糖分は肝臓と脂肪と筋肉に蓄えられている。
・食事のあと必要以上の糖分は肝臓に蓄積。
・食事をしていない時間帯(夜間)になるとインスリンが作用し、少しずつ肝臓に蓄積した糖分を血液中に送り出す。
・この機能がうまく働かない場合、肝臓以外から糖分をとるしかない。
・筋肉を分解して糖分を得ようとする。
・分解の過程で老廃物がたまり有痛性筋痙攣が起きる(筋組織が正常に機能していないって感じだろうか)。
・だから夜間から朝方にかけて生じる人が多い。

参考程度って感じですね。

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