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アートや建築の役割を考える(岐阜工業高等専門学校 建築学科)

この記事では、ベネッセアートサイト直島が学校や団体、企業の様々な目的やテーマに応じて実施した、2023年度の教育プログラムについてお伝えします。

プログラム概要

2日間で直島、豊島、犬島を周遊し、自然や集落の中で展開するアートプロジェクトを体験。ガイド付きで鑑賞しながら、アートや建築の役割について考えるプログラム。

■開催日時
2023年11月7日(火)~8日(水)
■参加者
4年生40名+先生2名+添乗員1名
■問い合わせ日
2023年4月25日(火)
■認知経路
ウェブ問い合わせ

スケジュール

■1日目

12:35 宮浦港着
13:00 地中美術館、家プロジェクト
16:00 本村港発

■2日目

  9:15 唐櫃港着(豊島)
10:00 豊島美術館、心臓音のアーカイブ
12:45 チャーター船で移動
13:15 犬島着
13:30 昼食
14:15 犬島精錬所美術館、近代化産業遺産
16:00 犬島発

特徴

プログラムの特徴

・異なる環境における様々な建築に触れられるよう、2日間で3島を巡る行程。
・施設の概要や各島の歴史的な背景を部分的にガイドしながら、自由鑑賞を中心にプログラムを構成した。

参加者の反応

■満足度

4.9 / 5 点

・建築と美術の両方を楽しむことができ、たくさんのインスピレーションを得られたから。
・初めての場所ばかりで新鮮で楽しかったし、これほど建築や芸術と触れる時間はなかったので、良かった。
・見どころ盛りだくさんで、ずっと驚いたり感動したりしていた。三島三様で、どこも良さがあった。もともとアートにはそれほど興味はなかったけど、すごく楽しかった。

■今回の3島の鑑賞で特に良かった内容

■直島
・本村散策が楽しくて、時間が足りないくらいだった。

≪地中美術館≫
・建築と美術は密接であり、それを体感することができた。
・いつもとは違う非日常的な感覚、スマホを使わないこと、カフェからの眺め、作品、全てが自分の心を確かに豊かにしました。

■豊島
・豊島の産業廃棄物との戦いの歴史や棚田見学などが良かった。
・豊島美術館に行く道中も心地良く、着いた時の棚田の青い自然と豊島美術館が、本当に素敵でした。

≪豊島美術館≫
・居心地の良い空間がすごく気持ちよかったです。
・最初なにをしたらいいのか、どこを見たらいいのかわからないけれど、その考えさせられるところがよかった。

■犬島
・犬島精錬所美術館とその周辺の地域両方を見学できたから。また、地域資源を活用し、後世に残し、島の人の誇りとなっているのを見ることができたため。

≪犬島精錬所美術館≫
・鍰煉瓦の話や建物の構造の話が今後の製図にも活かせそうでとてもタメになった。

■地域におけるアートや建築の役割を考える機会になったか

4.8 / 5 点

・アートや建築で、あそこまで島が活性化されるとは思ってもいなかったから。別世界に来ている感覚だった。
・美術館見学などでその地域固有のアートや建築にふれることができたため。
・現代アートに触れたことがなかったが、建築と融合してそれが町おこしとして島に活気づいていて良かった。
・特に西洋の方々が日本の瀬戸内海の島というニッチなところにいることにアートの力を感じた。
・地域を活性化させる手段としてアートや建築は重要なものだと改めて学ぶことが出来ました。私も建築学科として、将来地元の活性化に関わりたいです。
・アートは「よく分からないもの」というイメージがあって敬遠していましたが、全ての日程で楽しく見学できました。食わず嫌いするのではなく、何でも一度経験してみることが大切だと感じました。

■改善点

・美術館の滞在時間がもう少し長いとよかった。
・徒歩での移動が大変だった。
・もう少しゆっくり島内を自由に散策したかった。
・全てが良すぎて時間が足りなかった。

企画担当者からの評価(先生)

■満足度

5 / 5 点

■再利用意向

4 / 5 点

・全て良かったです。自然、人、芸術、建築が一体となった時間の流れが最高でした。
・建築学生には良い機会になったと感じています。
・直島の家プロジェクトで、参観人数が制限されているものがあり、希望通り見学できなかった学生がいたようです。
・今回は、学生の強い希望によって見学が実現した。次年度希望があるかどうかは今のところ不明。船が出航できないような荒天の場合の対策を検討する必要がありそうです。

まとめ・考察

・もともと建築に関心の高い学生だったこともあり、自由鑑賞後に質問や感想を積極的に話してくれた。
・3島巡ることで、歴史や文化的な背景の異なる場所で展開するアートプロジェクト、その場所の特徴を生かした建築をそれぞれ比較しながら鑑賞することができたと思う。
・時間の都合上インプットを中心とした行程だった。学生たちが鑑賞を通して考えたことを共有し合えるようなディスカッションの場面を作れるとより視野を広げる機会に繋がったかもしれない。(大黒)


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