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バスケなめんなよ 10話

地獄のスリーメン…なのかな?

休憩も終わり、次にスリーメンを提案しました。
全員の顔が曇りますww

私「さっきやったレイアップとチェストパス、スクウェアパスはここに繋がるからね!覚えてる?どうやってやるか?」

2年生「……えーと」

金剛「全力で走って全力でパスを出して、スピード緩めないでレイアップ」

私「そう!素晴らしいwあと、サイドを走る人は中央の人に寄らないで、この線より外(適当な体育館の線)を走る事!そしてエンドラインを踏んでこっちに戻ってくる事」

部員「ハイ!」

私「2年生は中川先生が入るから、1年生と混じらないようにしてね。一年生はしくじってもいいから全力で走る事!シュートが入ったら最高!って感じで!」

1年生「ハイ!」

返事が良いな…2年生と組まなくていいから気が楽なんだろうな…

2年生のスリーメンは昨日に比べれば全然良い出来です。

しかし、まだ自分の全力を出し切っていません…

1年生はサイドへのパスがノーバンで届かない事も多々……

1回練習を止めました。
私「2年生さぁ全力で走ってないよね?この後の体力の事とか考えなくていいからいい加減全力でやろうよ。そんなスピードで10日後の大会に出るの?ちょっとヤバいよ…涼、大翔!もっと全力でやろうよ!2人はミニバスで試合に出た事あるんでしょ?こんなゆっくりでイイの?」

大翔「……良くないです」
……の間を空けずにすぐ喋れないのかなww

私「じゃあやろう!涼!ダラダラしてんじゃねぇーぞ!」

涼「…ハイ」

1組目の涼、大翔、金剛はかなり良いスピードになりました。
涼、大翔のスピードに引っ張られ金剛も全力でダッシュをしています。
シュートは微妙ですがこれでいいのです。

私「ナイススピード!いいか、ずっとこのスピードで行くからな!」

涼「……無理だって…体力持たねぇーよ…」

私「何か言ったか!」

涼「……別に…」

涼は沢尻エリカ状態でしたww気持ちは分かります。

ただ、速くなったと言っても超弱小チームにしか通用しないようなスピードです。

でも、昨日より速くなってます。
これが大事なのです。
そしてこれをほめる事が1番大事だと考えております。

次は槙野、三井、中川先生の3人です。
中川先生のスピードは強豪チーム並みなので、私から多少2人に合わせてほしいとお願いしました。

1組目の3人に比べると圧倒的にスピードがありません…そして、キャッチミスとパスミスが目立ちます。

私「キャッチは頑張ろう!パスは相手に出すのではなく、走りこむスペースに出さないと気持ち良くレイアップできないぞ!速攻落としたら負けるぞ!もう1回行こう!」

三井、槙野の顔が下を向きます。
私「下向くな!試合でやったら相手にばれるぞ!次頑張ればいいんだよ!」
再チャレンジは何とかやり切りましたが、スピードがまだまだです。

とにかく何回もやり続け、もっともっともっとスピードとレイアップの精度を上げなくてないけません。

昨日は右10左10だったので、今日も右15左15にする事にしました。
部員たちは渋い顔をしていました…

私「スリーメンはマジで大事だから!想像してみて、相手がシュート!外れた!リバウンド!金剛が取った!大翔にパス!前を走ってる槙野にパス!槙野レイアップ!ゴール!!」

これが出来なかったらヤバくないか?
大翔と槙野がちゃんと走ってないとこのゴールは生まれないよね?
ただリバウンド取って、本当は速攻で点とれるのに相手が戻り切った状態でオフェンスが始まるんだぞ!
速攻出来る所は徹底的にやり続けて決めきれなくちゃ行けないんだよ!」

部員「……ハイ」

だから、その間は何なんだよww

涼、大翔、金剛は理解したようです。

ここで既にバテていた中川先生から
顧問「はぁはぁ、全然運動してない俺が次の事考えないでこれだけ全力でやれてるのだから、みんなはもっとできるだろ!全力でやり切らなきゃダメだって!あと、パスもらう時に大きな声でヘイ!って呼ばなきゃ!俺だけじゃん声出してたの」

部員「ハイ…ハイ」

涼、大翔、金剛は最初に返事が出来るようになりました。
遅れて、三井、槙野と1年生が返事をしていました。
3人は意外に早く伸びるかもな…

私「中川先生が言ってくれた事をキッチリやって、全力でやり切るぞ!」

彼らの地獄のスリーメンが始まりました……

私がスピードについてワーワー言っているので、どうしてもシュートが落ちてしまいますw

でも、そのスピードでシュートを決められなければ、次のスピードにも行けないしこれから強くなる事もできません。
心を鬼にして、もっと早く!もっと走れ!と叫び続けました。

とは言っても、スリーメンをやってた時間は10分以内くらいです…

やり切った彼らは今まで味わった事の無い疲労感と達成感を感じているように見えました。

私「よく頑張った!座っていいからゆっくり休め!水分補給をしっかりな!」

金剛「やばい…マジで疲れた…毎日これやったら超強くなるんじゃね?」

槙野「ヤバいでしょ!余裕で勝てるんじゃね?」

私「……おいおいw今のスリーメン10分やってないぞw普通こんなのアップだぞ?俺は中学校の時の夏休みはスリーメン40分、スリーメンクロス40分を毎日やってたぞwwフットワーク1時間やってからなwww」

部員「…え……マジっすか……」

私「もちろん色んな理由はあるけど、俺達が県大会に行けたのはフットワークとスリーメンのおかげだと思ってるよ。スタミナ、脚力、DF力を先に付けておいたおかげで、オールコートプレスが出来たし、疲れた時でも絶対やり切る!って言う気持ちも付いたし、超疲れている時に難しい練習もやったけど、スタミナが付いていたから冷静に覚える事も出来たんだよ。しかも、昭和のヤバい時代だっから80分間水分補給無しとかだったなwwこれはマジでヤバいけどww」

部員「…………スリーメンを1時間20分やってたって事ですか?……意味が分からない…」

私「まぁ今はもっと合理的な練習方法もあるだろうから、そこまでやる必要ないと思うけどなw昔の強豪校とかはもっと酷かったはずだからな…そもそも、今やったスリーメンって30本決めれば終わりなんだから、全部自分たちのせいだよね?俺らの時は時間でやってたし、シュート外したらスタメン落ちになる可能性もあったしなww」

部員「……ヤバすぎる……」

かなり厳しいオフェンス…

じゃあ、3on3行こうか!

2年生+顧問の6人で行う事にしました。
私「昨日教えたカッティングを使ってスペースを作ろう!そしてそこにドライブ!ダメならもう一回やってみよう!」

顧問にも昨日の練習を説明し、やってもらう事にしました。

黒チーム

槙野
三井

白チーム
大翔
金剛
中川先生

多分黒チームは上手くいかないだろうなと思いながらスタートさせましたw

白チームは、顧問が積極的にカッティングを行い大翔と金剛のドライブスペースを確保し、そこからレイアップやジャンプシュートと、ゴールにはなりませんが攻撃の形は出来ていました。

黒チームは案の定ダメでした…

涼がスペースを作る為にカッティングをするものの、槙野と三井はキャッチミス…

スペースを作った方にドライブに行かず…

三井がスペースを作る為にカッティング!
涼が空いたスペースにドライブ!

しかし、なぜかそこに槙野が走りこむ………

涼「おいっ!いい加減しろよ!昨日やっただろ!まずは言われた事やろうぜ!」

涼は完全にイライラしていました。

私「じゃあ、カッティングを使用しながら自由にやってみよう!金剛のポストプレーとか、涼、大翔にキックアウトしてスリーとか、とにかく相手に負けないように全力出やってみよう!1年生もやるよ!」

そう言って本気の勝負が始まりました。

しかし、黒チームは悲惨でした…

  • 槙野は涼の後ろにポジションを取ったり、何の可能性もないフロントチェンジを繰り返しファンブル、人がいる所目掛けてドライブ……

  • 三井はボールをもらったらすぐにスリーポイントを打ちまくるし……

  • 涼はカッティングしてスペースを作るが誰もそのスペースを使わない……


涼「お前らいい加減にしろ!1回俺にパスを出せ!」

涼は自分にボールを預けさせる事で、彼らの暴走を止めるつもりですw
しかし三井と槙野は、ボールは渡すがカッティングをしません……

涼がボールを持っていると槙野は涼の後ろに近寄りボールを要求します…
それを逆手に取り、ドライブしゴール下の三井へラストパス!三井はキャッチミス…

涼の顔が曇り始めます……
これはキレるかも知れませんww
おそらくキャッチミスではなく、槙野の動きについてでしょう。

しかし、プレーは続きます。
白チームはセンターの金剛にボールを集め、ゴール下のシュートでゴールを決め始めます。

両方ともDFもかなりまずいな……
センターの金剛がポジションを取る時に、マークについている槙野が簡単にポジションを取らせているのです。
きっとDFのやり方が分からないのだと思います。

これは短期間でどうこう出来る問題じゃないな…
そんなこんなで3on3は終了しました。

あと、トラベリングが異常に多く感じました。
金剛と槙野はボールをもらってからステップをする癖があるようです。
三井はドライブ時に軸足が完全に動いてしまってます。
三井ってミニバスやってたんだよな……

そして、最後の練習は8秒ドリブルです 

私「最後で疲れてるかもしれないけど、ここで全力でやれば絶対スピードつくし、ドリブルも上手くなるし、シュート力も上がるよ!だから、スピードMaxでドリブル強くついて、レイアップを絶対決めきろう!」

部員「ハイ! 」

最初はイイのですが、途中からランニング程度のスピードになり、ドリブルも適当になり出し、シュートは外れまくります…

私「疲れてるのは分かるけど、ここだぞ!ここで楽したら今までと一緒だぞ!ここで頑張るから強くなるんだぞ!」

部員「ハイ!」

涼「ラストまで声出して全力で行くぞ!」

部員「ヘイ!」

槙野、金剛、三井、1年生は顔が曇っていますww

一応最後までやり切れるのは、涼と大翔だけか……まぁゼロよりはマシか…

こうして2日目の保護者会練習は終了しました。

明日はきっと何人か休むだろうな……

家に帰ったら涼が
涼「マジで今日の練習きつかったわ!」

私「……疲れるほど練習してないぞw」

涼「明日もやるぞー」

涼はそれなりにハードな練習が嬉しかったようです。
きっと、1年生の時からハードな練習をしてでも、強くなりたい!と思っていたのだと思います。

次回は
予想通りの筋肉痛と欠席者…
ぜひご覧ください!


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