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オカネカルト⑤ 自然の価値は変化する

夕方のスーパーでは お刺身のパックに半額のシールが貼られます。
朝 1000円だったお刺身が 夕方には500円になってしまいます。
時間が経つと価値が下がってしまいます

野菜や果物、お肉はほうっておくと数日で痛んでしまいます
土に還ろうとします

植物は 種から芽生えた芽が育ち 花を咲かせて花は散り 実が熟しまた種を宿して 枯れていきます

動物や人間だって そうです 
お母さんのお腹の中から赤ちゃんが生まれて 子どもから大人になって また赤ちゃんを宿して そして 死んでいく…

自然の恵みは基本的に価値を保存することはできないのです
時間と共に劣化して 価値が下がってしまいます
(中にはウイスキーの熟成のように長く貯蔵されたものが価値が高いとされるものもあります)

しかしオカネは何年たっても腐ったり傷んだりしません
病気になったり 死んだりしません

時間がたっても価値が変わらない…まるで神のようではありませんか
なんでも買える…まるで神のようではありませんか

オカネカルトの国は
オカネカルトの国で発行されたオカネを尊いと信じることに基づいてできた国なのです


オカネカルトの国では
オカネが何より大事なモノだとされています

オカネは尊く 価値があるとされていて

「大事なものはオカネなんかじゃない!」なんてセリフを 
アニメで観たり、漫画で読んだりすると
「綺麗事だ」「嘘」だと 大人たちは言います

オカネは尊く 価値があるとされていますが

本当に価値があるのは オカネで買えるモノやサービスの方です
(またはオカネで買うことができないもの…命とか…
いや、命も買うことができると信じられているかもしれません)

モノやサービスに価値があるから
オカネに価値があるのであって

オカネに価値があるから
モノやサービスに価値があるのではないのです

ですがオカネカルトの国の人々が
オカネを大事だと思うあまりに

オカネの方が モノやサービスより価値が高い 
すっかりと誤解しているようです

オカネカルトの国に住む人々は
オカネをありがたく思うあまりに
または将来を不安に思うあまりに 
オカネを貯めようとします

お金のなりたちや本質をわかりやすく伝えようとする活動は2007年から、2017年からは京都や滋賀県高島市でスペース運営をしています。並行してイラストレーターとしての活動をしています。サポートいただけましたらありがたく有効に活用させていただきます。