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📒社会人野球の分岐点

野球“が”できる人

ではなく

野球“も”できる人


一人でも多くの選手が自分の可能性に気づき、より素晴らしい人生になることを願っています。


社会人まで野球を続ける選手は、主に2つのパターンに分かれます。
※あくまで私の周囲の話です。

① NPB入りを目指す
② 野球を長く(できるところまで)続けたい

大卒の選手の場合、ドラフト指名解禁年である2年目が、NPB入りの勝負の年になります。ここで夢を叶え、新たな目標に向かっていく選手もいます。

問題は指名されなかった場合です。
されなかったというより、野球“だけ”に注力してきた選手です。モチベーションを保つことができず、路頭に迷うパターンです。


ユニフォームを脱いだとき、あなたになにができますか。



社会人野球も色々です。一日中野球に費やすチームもあれば、社業と並行するチームもあります。野球“だけ”を追い求めてきた場合、仕事のスキルが不十分であると考えられます。野球では即戦力でも、実態は新卒同等もしくはそれ以下の位置付け。在籍年数だけが経過している。難しい問題です。

野球を軸に就職活動をしていたら尚更でしょう。とにかく野球がやりたいので、業種は問わないという選手も多くいます(チーム事情で選べる立場にない選手もいるでしょう)。しかし、いざユニフォームを脱ぐとそうもいっていられなくなります。


自分にはなにができるのだろう。
なにが好きなのだろう。


引退した後、この壁にぶつかる選手は少なくないです。悩みに悩んで自問自答を繰り返します。

特に興味のない業種、嫌いな仕事であれば、モチベーションを上げるのは困難です。何十年と先、同じ会社で働くのか。転職を考えたとして、能力が不十分。八方塞になります。

だからこそ、野球以外に興味のあるものや得意分野を『学生のうちから』見つけることが重要になります。仮にすぐに見つからなくとも、嫌いな仕事でなければモチベーションを保つことは可能です。


いつの日やら、こんな悩みが寄せられました。

「これから先が怖い。野球がなくなったら、何をして生きるのか」

社会人2年目のシーズンを終え、3年目に入ろうとしている選手。NPB入りを希望していますが、チームはなかなか勝ち上がれず、自分自身の実力も伸び悩み、次のシーズンの出来上がり次第で野球に見切りをつけようとしています。問題は今の仕事が好きではない。定年まで働く熱量はもっていないけれど、退職したとして自分に何ができるか全くわからない。このような選手がたくさんいます。

彼に問いかけたのは

・好きなことはあるか
・野球以外の趣味はあるか
・得意なことはあるか

この3つです。

自己分析をかっ飛ばして社会人野球に進む選手の多いこと。一般的な就職活動とは異なるので、当然といえば当然なのかもしれません。

最初は頭を抱えていましたが、しばらくして答えを見つけました。人と関わることが好きという理由から、引退した現在は営業職に従事しています。それまでは野球をしながら工場勤務をしていて、人と接する時間が極端に短い環境に身を置いていました。話すこと、人を笑顔にすることが大好きな彼にとって、アンマッチな場所だったのです。

「野球しかできないと思ってたけど、そうでもなかったわ」

この言葉に安心したのを今でも覚えています。


企業選びの重要性は、なにも社会人野球の選手に限りません。大学生であれば、どんな会社でどのようなスキルを求められるのか、就職活動の際に企業研究を重ねます。自分に向き合うことの大切さをひしひしと感じます。

少子高齢化、野球人口の減少といわれて久しい時代ですが、社会人野球への道は狭き門です。アマチュア野球の最高峰まで戦える力は、本当に素晴らしいものだと感じています。だからこそ頭の片隅に『その後』の人生も考える必要があります。

私も社会に出て結構な年数が経過しています。今の仕事が好きか嫌いかと聞かれたら、大好きともいえないけれど別に嫌いでもない。そんな中途半端な答えです。

幸いにも嫌いじゃないから辞めずに続けられています。でも、それって結構大事なんだと思います。あまりに興味がなかったり嫌いな仕事であれば、私だってモチベーションは保てません。

自分と向き合う時間を作る。

これが未来をの扉を開く鍵になると私は思います。

もちろんNPBに入るという目標があるのなら、全力で応援します。とことん好きな野球を突き詰めてほしいと願っています。ただ、可能であれば学生のうちから自分の好きなことや得意分野を見つけてほしいと思います。

望む企業に入れる選手は一握りです。どこの企業でもいいから野球を続けたい。NPBを目指したい。正直な気持ちだと思います。そんな心境の中で仕事内容や、その後のことを考えて動けなんて難しいことも理解しています。でも、嫌いじゃなければどうにかなります。

皆さんの夢や希望にエールを送るとともに、野球だけの人生ではないということも伝えておきたいです。野球しかできない人ではなく、野球もできる人であることを。早い段階から、多方面に通用するように様々なものを磨いていきましょう。

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