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⚾️大学三年を制する者は、大学野球を制する。
大学三年生。もう新人ではなく、ベテラン扱いをされる学年。二年生と三年生で『たった一年』しか変わらないのに、もう目新しい存在としては見てくれません。できて素晴らしいといわれていたことが、当たり前であるという評価に変わります。
大学三年を制する者は、
大学野球を制する。
これは私が首都リーグを見てきて感じたことです。先述した通り、大学三年生はもうルーキーとして見てもらえません。また、進路を深く考える学年でもあります。
選手を引退し、学生コーチに転身する人もいます。もう試合に出られないと諦めて、腐ってしまう選手もいます。野球をやめて、就職活動に注力する人もいます。ここで踏ん張らなければと、心を入れ替える人もいます。
色々な選手をみてきました。心の底からいえるのは、甲子園に出たとか出ないとか、そんなことは関係ありません(素晴らしい功績であることに変わりはありませんが)。たとえスタートラインに差があったとして、最後はどれだけ四年間で頑張れたかが重要です。その中で『大学三年生』の過ごし方が肝になります。ここで頑張った人は大学野球はもちろん、その先の人生も豊かになっています。
学生コーチを選択した選手
選手から学生コーチに転身することを、マイナスの要素と感じる人もいるかもしれません。人によっては選手を続けられないから、学生コーチになったのだろうと感じる人もいるでしょう。
もしかしたら最初のきっかけはそうだったかもしれません。選手としての将来が難しいから、学生コーチとして周囲をバックアップする。それが自分に課せられた使命であると奮闘した。その結果、現在『高校野球の指導者』として華を咲かせている人がいます。
大学三年で奮起した選手
怪我で苦しみ、思うような結果を出せない。どんどん下級生に抜かされて、焦りが増すばかり。どうせ頑張っても意味がないのだから、諦めてしまおう。そんな選手がいました。
彼の前に立ちはだかった壁は高いもので、当然すぐにこえることはできませんでした。頑張ったところで無駄という気持ちも拭えず、リーグ戦の応援席でスマホをいじる始末。試合にも身が入らず、仲間を応援する気持ちにもならない。その姿を見るのは、辛いものがありました。
あるとき、これではいけないと自分自身で気が付き。どうせ同じ四年間を過ごすのであれば頑張ってみようと再起を図りました。結果、もう二度と着ることができないと思った公式戦のユニフォームに袖を通し、打席に立つことができました。その後、社会人野球チームに所属することが決まりました。
だから僕はここにいる
甲子園ボーイとして名を轟かせたその選手は、大学一年生の頃から電光掲示板に名を連ねました。試合に出ない日は考えられないというほどの活躍ぶりで、四年間安泰であろうと感じていました。
事情が変わったのは大学三年生になった頃。優秀な下級生が入学し、少しずつ出場機会が奪われていきました。ここで踏ん張ればというところで、彼は諦めてしまったのです。指導者に反発し、練習をボイコット。彼には彼なりの言い分はあったけれども、頑張れなかったのは事実です。
そのまま四年生になり、めっきりと出場はなくなりました。死んだ目で応援席にいたことを今でもはっきり覚えています。
出たかった。悔しかった。
でも頑張れなかった。だから僕はここにいる。
チームは秋季リーグ戦初優勝をし、明治神宮野球大会でも準優勝を飾りました。彼の最後のセリフを忘れることはできません。
応援してくれてありがとう。
でも、もう少し頑張ればよかった。
引退試合の日。明るく声をかけてくれたけれど、これが本音だったのでしょう。
―――
大学三年生は人生の分かれ道。どっちに転ぶかは自分次第。そんなふうに感じています。かくいう私は何も考えずに生きていたので、一生懸命一つのことを極める選手たちのことを尊敬しています。
大学生は四年間という限られた時間の中で、人生の地盤を作る絶好のチャンスです。もちろんいつ何時も一生懸命頑張る必要があるし、やらなければ結果があらわれないのは事実です。その中で三年生が一つのターニングポイントではないかと、野球を通じて私は気が付きました。
もっと深く突っ込めば、下級生の頃から活躍し続けられる選手は本当に凄いんです。それだけの努力ができるなによりの証拠です。
腐りかけることなんて、人生いくらでもあります。それを踏まえてどう生きていきたいか。そして、どんな人間になりたいか。今一度、私もそんなことを深堀していこうと思います。
いただいたサポートは野球の遠征費、カメラの維持費などに活用をさせていただきます。何を残せるか、私に何ができるかまだまだ模索中ですが、よろしくお願いします。