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📸正しい設定など、存在しない。

野球を撮るのに、いい設定はありますか。

時々質問を受ける。この言葉を聞くたびに、正しい設定ってなんだろうと思うのだ。

カメラを構えた当初、私も同じような質問を誰かにしたと思う。恐らくその人も、今の私のように困惑したに違いない。それでも当時の私は知りたかった。なぜなら、シャッタースピードはもちろんISO感度や絞りのこともわからない。何がどんな役割をしているのかも、皆目見当つかなかったからだ。


――正しさを求めていた。


設定が分からなかったので、しばらくはスポーツモードを活用していた。その時々に適しているだろう設定を、自動的にカメラ側が判断してくれる。とても便利な機能なので、長らくお世話になっていた。カメラが設定してくれているのだから、間違いなんてないだろう。そんな自信もあった。これが正しい設定なのだと。

写真を撮りながら、ある日気が付いたのである。私の写真って個性がない。何となく撮れていて、何となく被写体がそこにいる。野球をしているということはわかるけれど、そこにメッセージ性はない。見えるのは事実(野球をしている姿)だけ。


――正しい設定なんて存在しない。


思い切ってマニュアルモードを試してみた。本を読んで、シャッタースピードやISO感度、絞りの相関性も学んだ。ガチャガチャと動かして、自分好みの一枚求めた。白とびをしたと思えば、今度は暗くなりすぎる。失敗を何度も繰り返した。没になった写真は一体何枚になるだろう。自分で考え、訂正し、実行する。そして今の作品を作り上げた。ここまでの道のりはとても長かった。

多くの失敗を重ね、私は理解した。

正しい設定など、存在しない。
あるのは適切な設定と、
自分好みの設定だ。


正しい設定はない。もちろんその日の天候や日の角度によって、それなりに表現できる設定はある。ただ、それが撮影者の満足できる一枚になる保証はない。かっこよく、素敵な一枚というのは一人一人異なる。自分好みの一枚を残すには、経験が必要となるのだ。

いい設定ってとても難しい。

天候に左右される屋外スポーツで、設定を決めるのは最も難しい。球場によって、日の差し込み方が全く異なること。季節によって、南中高度が変わること。過酷な条件の日もあるだろう。その度に私は最高の一枚を求めて、設定を変えていく。

―――

カメラをもって、一番最初の壁は設定です。いや、一番どころか永遠の壁です。新しい球場に行くたびに、そのときの状況をメモに残します。もちろん天気や季節で変わりますが、その内容は財産になります。

設定に正解はありませんが、もし仮に適切な設定があるとすれば、以下のように答えると思います。

使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
使用機材:Nikon D500
シャッタースピード:2000
ISO感度:320
絞り:F6.3

あくまで一例です。天気の良い日は、この設定をベースに微調整を行います。自分の納得できる一枚を求めて、これからも研究を重ねていきたいと思います。


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