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第7章 マイナスドライバー②『伝え方と伝わり方』

就職活動も近頃はマッチングと
呼ぶようになった
買い手市場、売り手市場と
時代時代で力関係は綱引きだが
少子化で、中小企業が無駄に
蔓延る先進国日本では
今後買い手市場に転じる未来はない

とは言うが、就職して
2、3年で第2新卒と呼ばれる資格を
取得する人材は後を経たない
そこでマッチングが
ビジネスとなっている

私が新卒であった16年前
就職氷河期もやっと出口を迎えた
大企業や、有名商社、マスコミ人気
業界ヒエラルキーは
革命を起こすことはない
スタートアップに挑戦した
大学の同級生も
大企業に鞍替えするか
大借金を抱え闇落ちした話ばかり

そんな最中でも
enジャパン、リクナビ、就職ゼミは
マストなツールだった

昨今コロナzoom面談など
スタイルを変えるも
狐と狸の化かし合いは私の新卒当時と
根幹は変わらない。

私は某マスコミ塾の門戸を叩き
作文を中心に徹底的に
自分と向き合った

■伝えたい方(伝えたいこと)
体育会であり、武道をやり
下町生まれ都会育ち
六大学卒と
ろくな資格もない中
必死に肩書きを作った

■伝わり方
「馬≠乗馬、馬≒競馬」
マスコミの人事や面接官などは
底が知れていた
履歴書、エントリーシートで
「体育会馬術部」
パワーワードとなり
ここぞとばかりに面接官たちは
食いついた
しかし、40代、50代の面接官の前では
面白いほどテンプレ質問だった
「馬術部ってあるけど、
君競馬も詳しいの?」
「いえ、私は乗る方で、
賭け事はあまりやりません」

いい子ぶった回答は片っ端から落ちた
5社目ほど同じタイミングで
落とされたのを機に
私は憂さ晴らしをしに、
週末中山競馬場に向かった

競馬新聞も買わず、
パドックだけを見た
胸前の筋肉、闊歩の様子、鼻息
それだけを頼りに1日粘った結果
13レースで15万円勝ったのだ
ビギナーズラックには出来過ぎだった

その後の面接でも同じ質問は
繰り返された
「馬術部ってあるけど、
君は競馬も詳しいの?」
「いえ、私は乗る方です、
ですが、先日も
中山競馬場でパドックだけで
15万勝ちました」

面接は面白いほど
全戦全勝を繰り返した

1、結果が出せたこと
2、嘘はいけないが、
ハッタリは効かせられた

3、中年親父面接官に対し
 気取った乗馬など興味ないのだ
 週末競馬場に連れ回せる同僚に
 なれる素質の有無を見ていた

私は「体育会馬術部」という肩書きが
経験者と世間では齟齬が
あることがよくわかった
専門性をひけらかすよりも
庶民の認識レベルに合わせること

対話の中で見出した大事な
トライアンドエラーだった。

希少性が高いマイナスドライバー
(馬術というレアな趣味)も
使いようによっては
組織の一部となる大事な
パーツなのである。
こんな成功事例は数多ある
しかし、就活支援にも、
就活マニュアルにも、
chatGPTですらたどり着けない
なぜなら、マイナスドライバーで
こじ開ける必要があるからだ

次回
マイナスドライバーパート③
「酔拳面接突破術」

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