最近読んでいる本(11) #107
読んだ本のストックがたまってきたので感想を書き残したいと思います。
科学がつきとめた疑似科学
山本 輝太郎 (著)、石川 幹人 (著)
↑「デトックス」や「マイナスイオン」などのよく聞く言葉がどういったことを意味しており、どんな効果が期待されているかなどといった内容を科学と疑似科学の違いを踏まえながら説明しています。人は良い悪いの見極めがうまくできず、物事の適切な使用方法や効果というものがわからずに捉えていることが多いことに気づかされました。「理系じゃない人向け」と書いてありましたが、専門用語も多く、少々難解なのでは?と思いました。
カレーライスを一から作る: 関野吉晴ゼミ
前田 亜紀 (著)
↑とてもおススメの本です。
武蔵野美術大学の関野ゼミで1からカレーを作る話。探検家でもある関野先生を筆頭に学生たちが野菜、米、スパイス、鳥を育てたり、塩を作ったりする過程について語られ、その過程で生ずる葛藤や悩みに振り回されながらも、一生懸命取り組むなかで大人になると簡単には経験できないことに立ち向かう学生の様子、それに対する関野先生の言葉がぐっときて、とても印象に残ります。今まで可愛がって育ててきた家畜をと殺することへの葛藤やお互いの考えについて話し合ったり、芝浦と場の方の講演を聞いたりして理解を深め向き合っていく姿は、これを経験した学生たちにとっても、読者にとっても大切な気づきをくれるきっかけになるのではないかと思いました。すごく面白かったし、食の大切さを改めて知ることのできる素晴らしい本でした。
身近な「鳥」の生きざま事典
散歩道や通勤・通学路で見られる野鳥の不思議な生態
一日一種 (著)
↑きれいなイラストとわかりやすい説明で鳥の生態や仕草について書かれている本。「鳥見」をしたくなるような知識が詰め込まれており、盗蜜やさえずりなど身近であっても識別、認識していなかったことについて詳しく書かれています。普段何気なく見ていた鳥のちょっとした仕草(首を傾けるとか)の理由を知ると観察してみたいという気持ちになるし、とても身近に感じるなぁと思いました。
卵をめぐる祖父の戦争
デイヴィッド ベニオフ (著)、David Benioff (原名)、田口 俊樹 (翻訳)
↑ドイツ軍包囲下にあるレニングラードで、当時17歳のレフは、ドイツ兵の死体の所持品を漁っているとソ連の兵に見つかって捕えられてしまうが、脱走兵のコーリャとともに、なぜか秘密警察の大佐の娘の結婚式のケーキをつくるための1ダースの卵を調達するという任務を与えられ、ふたりの卵探しの旅が始まる。卵を探す中で戦争の悲惨さを改めて知り、無残な死など多くの困難に立ち向かうことになる。最後まで結末がどうなるかドキドキしながら読むことができました。著者は有名な映画の脚本家であったのは、読み切るまで知りませんでした。
書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力
いしかわ ゆき (著)
↑「書く」ことで自分の思っていることを素直に表現すること、意味は読み手がつくること、自分しか経験したことがないことや考えをどんどん書き出すことが大切ということなどたくさんのことに気づかされました。著者のアドバイスには、書くことへのハードルを下げてくれるような要素がたくさん含まれており、読み終わる頃には、まずは書いてみようかな?と思えてくる一冊でした。相手の評価ばかり気にせず、自分の思うままに書くこと、スキマ時間を使って書く習慣をつくることが大切だというのも、なるほどなぁと思いました。今後noteを書く上で大変参考になりました。
クジラ・イルカの雑学図鑑
あらたひとむ (著)
↑素敵なクジラとイルカのイラストとともにたくさんの雑学や、クジラとイルカにまつわる言葉や物、歴史などが詰め込まれています。生態のことだけではなく、著者が趣味で載せているような雑貨や逸話、クジラやイルカと名前が付くものなど、たくさんの好きがあふれている素敵な本でした。イラストが多く、文字は少なめなのでサクサクと読めます。クジラとイルカに会いに行く前に見直したい一冊。
トンネルの森 1945
角野 栄子 (著)
↑角野さんの経験を投影したのかな?と思う内容でした。前情報なく読み進めましたが、戦争の悲惨さや日本の勝利を信じて耐えるむなしさを切なく物語っています。ひとりの女の子イコがいろんな葛藤や、周りや日本の動きに揺れ動きながらも、懸命に生きる姿にぐっときました。角野さんの経験や戦争がもたらしたものがこれからも語り継がれていくといいなと思いました。
イコ トラベリング 1948
角野 栄子 (著)
↑「トンネルの森1945」の続編。戦後、中学生からはじまるイコの物語は、外の世界へ興味がわいて飛び出す姿や、友達との生き方と比べ劣等感を抱いたり憧れたりする姿など、いろんな心の動きがみてとれて、心を動かされます。どんどん大人になっていくイコのさまざまな出会いや会話から、たくさんの葛藤が読み取れ、学生の頃の揺れ動く繊細な心理を感じ取れます。角野さんの若き日々の姿であるようにも捉えられ、この時代の生活や人の動きに、輝きや懐かしさを感じることができる素敵な一冊でした。
パニック障害とうまくつきあうルール
ベヴ・エイズベット (著)、松本 桂樹 (監修)、入江 真佐子 (翻訳)
↑パニック障害の原因である「あいつ」がどんな姿でどんな影響を自分に与えるかをイラスト多めに説明してくれています。普段目を背けようとしていた「あいつ」が一体自分の考えのどの部分なのかというのも、改めて気づかせてくれます。「あいつ」にばかり目がいってしましますが、今の瞬間や自分の努力にしっかり目を向けてやることの大切さについてもたくさん書かれており、パニックや不安に振り回されない術を教えてくれます。
本を守ろうとする猫の話
夏川 草介 (著)
↑ある古い書店に住む高校生の話。書店の店主だった祖父が亡くなり、書店と本と、書店に足を運ぶ人たちと関わる中で、猫との不思議な出来事が起こり、さまざまな本に対する思いに向き合っていく。単純にファンタジーな展開になるのかと思っていたら、本を読むことがどんなことかや、著者の本に対する思いを感じることができる内容がたくさん詰めこまれていました。私も本を読むときに一冊一冊どう考え、捉えているかを改めて考えさせられるきっかけを作ってくれた本になりました。
以下、読んでる本、これから読む本。
今回も、読めてよかったなと思う本に出会えてうれしかったです。
相変わらず動物関係の本を読み進めながらも、今回角野さんの本を読み進めてみて、続編にあたる「ラストラン」という本も気になったので、読んでみたいと思います。
他にもおすすめいただいた本がたくさんあるので、図書館で予約が取れたら、少しずつ読んでいきたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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