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前庭感覚について

前庭感覚を知っていますか?

感覚の中でもとーっても大事なのに、世の中では五感「視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚」のことばかり取り上げられるので(というか知られていないだけか)寂しい思いをしていた前庭感覚から、先日相談を受けたので、ここで紹介をしていきたいと思います。

耳で感じる感覚、聴覚ではなく半規管という受容器で感じる感覚のことです。
揺れ、重力、スピード、回転などを感じます。

今回はその感覚の特徴、それがどういう意味合いがあるかを検討していきたいと思います。

前庭感覚の役割

いろんな経路があって、それぞれの経路に役割があるので、順番に説明していきます。

①前庭ー脊髄経路

前庭感覚は頭の傾きなどを感じます。だって頭の中に入っているんですもの。

それを感じて「あ、やばいやばい。このままじゃ倒れちゃうぞ」ということで、固有受容感覚(筋肉や関節からの動きを感じる感覚)の出動です。

傾いている方と逆の筋肉を縮ませて身体を立て直します。姿勢を保つのも前庭感覚の大きな役割です。

子どもの頃、首すわり、寝返り、おすわり、はいはい、つかまり立ち、歩くまでの過程をどんどん進むなかで、この前庭感覚と固有感覚の統合がなされていきます。

②前庭ー動眼経路

これは、先程の①前庭ー脊髄経路を、前庭感覚と大まかな身体の動きの関係だとすると、②前庭ー動眼経路は、前庭感覚と目の動きの関係とでもいいましょうか。

私たちの目は、デジタルカメラでいうところの手ブレ補正を自然に行っています。走っているとき、自分の目にみえたものがガタガタ(手ブレ?)することはないですよね。これは前庭感覚で感じた重力の変化を、目の動きで調整することによって可能となります。

すごすぎ!便利すぎ!

③前庭ー脳幹毛様体経路

ジェットコースターに乗って、眠る人はいませんね。もしみかけたら、とても疲れているのか、気を失っているので助けてあげてください。

さて、ジェットコースターにのると「わっ」と目が覚めると思います。

急激な前庭感覚の変化は、覚醒を上げる機能がありますね。

ほら、机で寝そうになって頭がかくっと落ちた時「はっ」と目が覚めて頭を打たないのも、この機能のおかげです。

④前庭ー自律神経系経路

内臓にも感覚があります。車酔い、3D酔いなんかもこれにあたります。自律神経系が運動の予測とのズレることによって気持ちの悪さを感じます。これは車の運転を自分でしていて気持ち悪くなる人が少ないのと一緒ですね。ほー。

このように前庭感覚は、日々の生活の中に大きな影響をあたえているので、どんなときに働いているのかを考えてみると、日々の生活に「ほー」を増やせるかもしれません。

すごいぞ前庭感覚!

前庭感覚よ、僕が君のすごさを知っているから安心したまえ。

いつか世界が前庭感覚って大事〜って言ってくれる日がくるまで、いつも応援してるからね。うまく働いてね。




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