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子どもの発達・発達障害・感覚統合

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いつも仕事で関わっている、子どもたちの話。 そのご家族の想い。 作業療法士として、子育てのヒントや子どもの行動の捉え方について発信していきます。
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#日記

自他の区別と皮膚感覚【触覚】

昔話 さて、幼稚園のころは、この世の中の出来事は自分の想像の中で起きているものだと思っていました。 テレビでやっていることは実際に起きてなくって、自分の頭の中の無意識が勝手に説明していると思っていた。 おなじように、人に嘘をついてもわからないだろうと本気で思っていた。 ※ゲームギアとポケットPCエンジン?(ともに黒で形は縦長か横長)を友達と交換したのを母に問い詰められて、同じだと言い張った。懐かしい。知ってます? かくれんぼするときに、自分の目だけを隠して隠れたと思って

子どものやる気と4つのスイッチ

ここだけの話なんですが、実は今日、子どものやる気スイッチを押す方法をお伝えしようと思うんです。 私、実は発達領域で作業療法士をしておりまして。 ええ、子どもと遊んでその子の発達を促進させる仕事です。 運動学・神経心理学・発達学・解剖学なんぞを嗜んでおります、なんて。 子どもは何かに困っているといって自分からは来所しないので、基本的には保護者さんの心配事、または乳幼児検診で発達がゆっくりなので作業療法を利用してはどうか、という話で来所に繋がります。 そして、保護者さんの心

子どもの運動発達 その6 【歩行】

ついにクライマックス。今日は歩行についてお話します。 1歳になると、いままでの運動は結実し、子どもはついに歩くようになります。 1歳〜1歳3ヶ月 (歩行の完成) この時期の歩行は不安定で、両手を高く挙げて左右の歩幅を広くとって歩きます。はじめは両手を高く挙げていますが、歩行が安定することに伴って、歩幅も狭くなります。 この時期は目標に向かって直線的に歩きます。 1歳4ヶ月〜1歳6ヶ月 両手を推進力として交互に触れるようになり、歩くスピードが上がります。また、片手を支えら

子どもの運動発達 その5 【つかまり立ち〜伝い歩き】

今日はつかまりだち〜伝い歩き(9〜12ヶ月)をお話します。 前回までの、ハイハイで自由に動く楽しさや興味を高めていくことで、1歳の独り歩きにつながっていくというお話でした。 ついに一人歩きまであと一歩のところまできましたね。 覚え方:くっと(9っと)つかまり立ち(9ヶ月) 机の上になにがあるのかな、わくわく。見てみようとついに立ち上がります。おすわりやハイハイで培った抗重力伸展活動と、骨盤周囲の安定性から、ついに!立ち上がります。 立ち上がった後は、伝い歩きが始まり

子どもの運動発達 その4 【はいはい】

今回はハイハイについてお話します。 ここで復習。前回はおすわりまでのお話をさせてもらいました。 発達の法則では、頭から尾の方向へ発達が進むので、首から骨盤方向へ安定性が下がっていき、それがおすわりという形で結実するという話でしたね。 それでは、ハイハイいってみましょう。 ①ハイハイ(8ヶ月) 覚え方は、8181(はいはい)で8ヶ月です。 8ヶ月になると、移動手段としてのハイハイが行われるようになります。それまでにも5656(5〜6ヶ月)での寝返り(狭義の移動)や、ずり

子どもの運動発達 その2 【首の座り・寝返り】

今日は4〜6ヶ月。 定頸と寝返りについてのお話です。 ・子どものからだの発達には順序性があります。(運動発達の原則) ・動きの意図的なコントロールは頭部から尾部へ発達します。 ・運動のコントロールは身体の中心を縦に通る正中線から外側へ向かって発達します。
 ・神経系が成熟し、多様な刺激を受けてそれに適応していくことで数々の動きを身につけていきます。 ・そのため、焦って難しいことをさせるのではなく、いまできていることを積み重ねて質を高めていくことが、次の発達につながっていきま

「なんでやってくれないの〜!?」

これは、子どもに関わる多くの人が感じていることではないでしょうか? 理由は沢山あると思いますが、一番は「大人がやって欲しいこと」と「こどもがやりたいこと」にギャップがあるからです。 そこで今回は、私がこどもとセッションでしている方法をご紹介します。 こどもはやりたいことをする存在大人はこの子の将来にとって困るかもしれないから、できることが増えるように、お手伝いしたいなぁと思って関わります。 つまり大人は、未来志向型。 でも、こどもは今が全て。未来のことなんて考えていま

感覚が変わると、人生が変わるかも。

「心が変われば人生が変わる」あなたもこんな言葉を聞いたことがありませんか? 心が変われば、態度が変わる。 態度が変われば、行動が変わる。 行動が変われば、習慣が変わる。 習慣が変われば、人格が変わる。 人格が変われば、運命が変わる。 運命が変われば、人生が変わる。 ①心→②態度→③行動→④習慣→⑤人格→⑥運命→⑦人生の順に変化が起きるというフローを示しています。 なので、まず最初の心を変えてみよう。気の持ち方を変えてみよう。そしたら人生も変わるかもっていう話です。 で

不機嫌そうな君 【聴覚の話】

「べらべらとしゃべる男はあんまり好きじゃなかったのにな〜」 車の助手席で平気でそんなことを言う君に対して僕は平気で喋り続ける。 疲れているんだろうか、僕は全く疲れないけど。 「疲れてるの?」 「ううん」 「あれかな、僕の声が低いから?」 「うーん、でも私耳があんまりうまく聞こえないから電話でもよくブチ切れちゃうもんね……」 「それ、聞こえにくいんじゃなくって、フィルタリングが悪いっていうんだよ。カクテル効果って知ってる?」 「知らなーい」 注)カクテル効果と

一番病という病。

「一番病、知ってますか?」そうです、常に一番でないといけないと思ってしまうあのややこしい奴です。 私は仕事柄、お子さんと関わることが多いのですが、これは保護者の困りごとの中にもよくでてきます。 一番じゃないと気がすまない。 1番最初に部屋に入らないと、一番最初に帰らないといけない、勝負は勝たないといけない。ときにはじゃんけんですら、勝てないと癇癪を起こす……。 でも、これって発達障害どうこうという話ではなく、小さいときは誰にでもある話ですよね。そして案外、大人にもある話

「苦手なこと」は「本当はやりたいこと」なんじゃないかな。

あなたにも自分ができなかったこと、苦手なことで、いつまでもやりたいと思っていることはありませんか。 今回は、上手くできなくても、好きなものがあってもいいんじゃないかな。と、そんなお話です。 どうしようもなくスキなこと。 僕にはあります。悔しいから羨ましいからとかじゃなく、できるようになりたいと想うこと、憧れているもの。 
できないことだけど、いつかうまくできるようになりたいなぁと夢みていること。 「できないからこそ、やれるようになりたい」と思っていること。 好きな

「あなたはスキップできますか?」 弱みがあなたをつくったのかもしれない

よく強みを伸ばそう!と強みの話は聞くけれど、案外「弱み」についてはなくそうとか、ネガティブに話されることが多いので、「弱い」ことってそんなに悪いことかな?という話をしていきたいと思います。 「あなたはスキップうまくできますか?」スキップがうまくできない人の話、たまにテレビでやっていますね。ヒザ神とか変なネーミングでものすごい運動音痴な人がいたりします。冗談でやってなくてそれができるってすごいなぁと思います。そして、おもしろい。 かの有名なおもしろ番組、探偵ナイトスクープで

「ずうっ〜と始まってね!」 【子どものことば】

「ずうっ〜と始まってね!」 いつものように、仕事でお子さんと遊んだときのお話。 「じゃあ、また来週ね〜バイバーイ」子どもの帰り際、声掛けするとそのお子さんがこういうのです。 ほのぼのした感じではあったのですが、動きが一瞬止まり、皆の頭から一様に「?」マークがでていました。 私はすかさず「オッケー!ずうっと始まっとくね!」と返します。 ご家族は「ちゃうやろ〜」と笑いながら話していましたが、エレベーターに乗り込む二人を見送りながら私は「いいなぁ」と思いました。 こんな風