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子どもの運動発達 その4 【はいはい】

今回はハイハイについてお話します。

ここで復習。前回はおすわりまでのお話をさせてもらいました。
発達の法則では、頭から尾の方向へ発達が進むので、首から骨盤方向へ安定性が下がっていき、それがおすわりという形で結実するという話でしたね。

それでは、ハイハイいってみましょう。

①ハイハイ(8ヶ月)
覚え方は、8181(はいはい)で8ヶ月です。

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8ヶ月になると、移動手段としてのハイハイが行われるようになります。それまでにも5656(5〜6ヶ月)での寝返り(狭義の移動)や、ずりばいも始まります。人によっては後ろに向かってずりばいなんかもするお子さんがいたりとか、背ばい(仰向けで頭のほうへ移動)等、個別性があって面白いです。

ハイハイの一番のポイントは、移動手段が獲得されるということです。移動手段としての効率が急に上がります。移動手段の獲得は、移動できない状況と比べると見えるものが変わってきます。そのため、興味関心の質も変わってきます。私たちも、交通手段が変わることで新たな場所に移動すると、新しい発見や興味に出会うことがありますよね。規模は違いますが、基本的には同じことです。

そして、いわゆるハイハイは運動学的に非常に大切な意味合いを持っています。

まず、上肢を支える肩甲帯・肩周りの安定性が鍛えられること。これまでに、体幹の安定性はできていますが、ここでも発達の法則、正中〜末梢へ安定性が育つ。ということを考えると体幹がしっかりして初めて、末梢の手が使えるようになるということを示しています。
同時に足でも同じことが言えます。膝から股関節にかけて体重を支える経験が行われることで、股関節周りの安定性が獲得されます。それができることで、少し前に獲得したおすわりの安定性も高まりますし、これから立位をとり、歩行にあたっての骨盤周囲の安定性ができてきます。

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加えて、手のひらでの親指側、小指側への重心移動が交互に行われます。これがこの先の手の親指側、小指側での分離した動きにつながっていきます。

発達検査でピースができるかな?という質問項目があるのは、親指側で指を開く。そして小指側は反対に曲げておくという、手の中での分離した動きができるかどうかを確かめているのです。
それができると、鉛筆、スプーン操作など、道具の仕様にも影響が出てきます。そのため、発達歴的に、ハイハイが少なかったという子どもには不器用さが伴うことが多いです。手先を鍛えるには、まず中枢から。トンネルくぐりやいかにも身体をかがませてハイハイしなくてはいけない活動を日常生活のなかに取り入れてあげるというのはとっても大事なことです。雑巾がけ、手押し車なんかもいいと思います。

すごいぞ、人間の身体。

あなたのワクワクが満たされますように。

それでは、また明日。

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