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自他の区別と皮膚感覚【触覚】

昔話


さて、幼稚園のころは、この世の中の出来事は自分の想像の中で起きているものだと思っていました。

テレビでやっていることは実際に起きてなくって、自分の頭の中の無意識が勝手に説明していると思っていた。

おなじように、人に嘘をついてもわからないだろうと本気で思っていた。
※ゲームギアとポケットPCエンジン?(ともに黒で形は縦長か横長)を友達と交換したのを母に問い詰められて、同じだと言い張った。懐かしい。知ってます?

かくれんぼするときに、自分の目だけを隠して隠れたと思っている子どもとそんなに変わらないように思う。(見えている自分、見えない自分→他者視点が獲得されていない、もしくはルールがわかっていない



実際は、現実に世界は存在していて、家族や周りの人がそれぞれ別の思考をもっていると今は信じている。

いや、普通に持っているだろう、そうじゃなきゃ、自分すごすぎる。自分より明らかにすごいって思う人のことでさえも、自分がつくっているということなわけで、それに面倒なことも、あえて自分で設定しているってことだろ?変態じゃないか。

そして、あの頃は死にも興味があった。
死後の世界はどうなっているんだろう。わくわく。
でも、おばけとかいたら怖いな。



それで、もし世界が自分の想像であるという思考が間違っていたら。

だれかが悲しむかもしれないな。
どうやら愛されているということはなんとなくわかっていた気がするので。

曖昧な自己存在感と、ひどく自己中心的な思考。
そんな勇気は無かったなあ、小さかったので。

子ども故の身体感覚の曖昧さと、他者視点の獲得しにくさ、他者に対しての想像力の乏しさがあったのでしょう。

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自他の区別と皮膚感覚【触覚】


まず、自分の身体の内と外を分けるのは皮膚です。

皮膚には触覚が存在して、感覚には感じ過ぎたり感じにくかったり、と人によって個性があります。

例えば、触覚が感じにくければ、足りないものを補おうとしてガンガンいく。距離感のつかめない人になるかもしれない。いけいけで積極的という側面があったり、あんまり考えなしでやりながら考える人になるかもしれない。

逆に触覚が感じすぎる場合。
例えば、日焼けをしてあちこち痛くてたまらない時では、人混みの中にできるだけ行きたくないですよね。つまり、感じすぎると避ける傾向が人にはあります。ちょっと用心深くなったり、観察力が優れていたりするかもしれません。

このようにただ、感覚が感じやすいか、感じにくいかで人の行動が変わるって面白くないですか?

行動は正確や人生を作ったりしていきますから、なおさら大切にしておいたほうが良さそうです。

そして。行動特性が触覚の鈍感さ・過敏さでできることに加えて、前述のとおり、皮膚感覚は自分の身体の内と外を分ける。

触覚が曖昧であれば自分が自分じゃなくなって、世界に溶けてしまう。そうすると自分が相手になって、相手は自分になって自分の考えが相手に伝わっているものと考えたりする。こうなると、伝わらなくっておこっている子どもがいますよね。僕とあなたは一緒の存在、思考なはずなのになんでそれがわかんないんだよ。と怒るのは案外まっとうな思考かもしれません。

乳児期に、おかあさんと赤ちゃんは同一のもの、と赤ちゃんはとらえているそうです。だから、ほしい時におっぱいがあって当たり前。だって自分で自分のものを得るのだから。

そして、おっぱいを飲みながら、唇や手のひらでその触覚を感じている。自分と他者の始まり。一番それがわかるのは、おっぱいがほしい時に得られない。そんな時にああ、自分の思ったようにいかないこれは、自分ではないのかな。とわかっていくのだと思います。

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治療の仕組み

さて、今、私は発達領域の作業療法士をしています。
身体感覚の偏りが影響して、自他の区別の曖昧さや、他者に対する想像することが苦手なお子さんと関わっているのでどんな風に対応しているか説明していきます。

触覚の鈍感な人は時においては敏感に使えるように、少しずつ触覚の弁別をうまくできるようにすすめていきます。

具体的には、まず様々な感触を触ってなれるところからはじめます。ただ、鈍感系の人はむしろこの工程は必要ないことが多いです。イケイケなので。
次にボックスの中に物をいれておいて見ずに触るだけで当てる。背中文字や手文字をかいて当てる等を行います。
違いに気づけるようになることで、適切に力を使えるという感じです。

若い頃お腹一杯、味より量で満足していた人が少量でも美味しい(質)もので満足できるようになるのと同じです。

次に、触覚の敏感な人には、まず様々な感触を触ってなれることから始めます。視覚的に予想がつくことにより、構えられるようになるため、入ってくる刺激に対応できるようになります。もともと識別力は高いひとが多いのでこの後ボックスの中に物をいれてというのも、鈍感な人とは使い方がことなり、予想がつかなくっても、そんなに不安にならないという実践になっていきます。

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まとめ

振り返って考えてみると、幼少期の自分の考え方は、どこに原因があったのでしょう。触覚が感じにくくって、自他の区別が曖昧になっているからなのか。だから人の気持ちが想像できないのか。でも、だれかのことを思ってやめている。おもしろい。

想像力はおもしろいんだけど、その思考の拠り所となる身体感が乏しいから多分実感をともなわないのかな。今ここに「ある」を感じられないとそんな思考になるのかなとも思います。

子どもの思考としては、おもしろいと思いますけど。

こんな風に自分の過去についての分析できるようになるとは。
今の仕事ついてよかった。
単純に嬉しい。

あなたのワクワクが満たされますように。

それでは、また明日。


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