見出し画像

これから日本はどこへいく?なぜ今、渋沢栄一が現れたのか?

次期一万円札の渋沢栄一さんが書いた論語と算盤をご存知ですか?今回は内容ではなく歴史を踏まえた背景を考えてみました。

NHKの大河ドラマの主人公でもあり、今日本で一番ホットな人物ではないかと思います。なぜ今改めて渋沢栄一なのかを考えながら独自に解釈していこうと思います。

[論語と算盤]
このタイトルの意味とは?

言いかえれば

[仁義道徳と利益]

孔子の言葉である論語は仁義道徳の指南書

道徳=人が守るべき規範を守ること
義=正しいとされる行い
仁=真心と思いやり

この二つは東洋の思想(儒学)では相反するもの。
水と油
古来東洋思想で利益追求は愚行であり、恥ずべき欲にまみれた行為であるとされていた。つまり道徳に反している。もちろんこれは、読み取り方次第です。そもそもこのイメージは支配者サイドの解釈によってつくられている。

この双方を兼ねそろえることこそが、これからこの国を豊かにする資本主義の考え方であると主張している。道徳を重視した資本主義、共産思考を感じるような皆を豊かにする資本主義、この考え方はビルゲイツやウォーレンヴァフェットなどが訴える創造的資本主義の構造に似ている。←あのドラッカーも渋沢を尊敬していると明言している。 
欲ではなく世の為に富をつくる必要がある。その富を正しく使うには徳が大切だということ


渋沢栄一は数々の会社を設立しているが、一番最初にやりたかったのはなんらかの組織を成立させること。強い組織がなければ外国と渡り合えないと考えた。最初は事業のことは考えてなかったらしい。
そして、最初の銀行 第一銀行を作った。(みずほ銀行)各地にある番号名銀行は彼がつくったもの。(盛岡には七十七銀行がある)

渋沢さんの起業話で僕が好きなエピソードは彼の地元の深谷にドイツの技術者を招致して最新の煉瓦工事をつくったことだ。東京駅や東京大学など明治の東京の煉瓦はほとんどここで作られた。
莫大な需要と利益、そして地元には副産物として稲作を与えた。
関東ローム層(粘土鉄)で稲作ができない地域を煉瓦原料としてローム層を使い、その後に残った土地は稲作ができるようになった。まさに一石二鳥!
いまでも今でも見渡す水田を見るたびに住民は渋沢栄一を思い出すそうです。

経営者の指南書としてはこれを読むだけでいいが、もっと深読みするには江戸時代~の思想の歴史を理解する必要がある。

そもそも論語とは?

儒教の四書五経のひとつ。孔子の言葉を弟子達がまとめた書物、道徳、人生感についての記述が主で暖かみがある教え、秦では弾圧→書物は失われる。※なぜ?(徳ではなく法律で支配したかった)

が口伝で脈々と受け継がれる

それを含め体型的にまとめた儒教は漢時代に成立。しかし、教えを政治的に利用して人の欲全てを悪とするイメージを植え付ける。孔子は論語の元だが儒教の始祖ではない←孔子の名は利用されているとされている。

論語は円珠経(えんじゅきょう)とも呼ばれる
鏡はいくら大きくても一面しかうつさない。だが玉は小さくても全面を見渡せるという意味。そのような教えである。
この言葉が一番わかりやすい。

そして時代と共にさらにまとめられて変化していき儒教は形を変えてより学びやすい学問になる。
朱子学として成立→人民の心(価値観)を支配し、国を平和にする為に活用。
朱子学は簡単に言えば
ストイック保守! 主知主義
・無前提にこの世の秩序を認めてしまうような節がある。
・勉学をして偉人からよく学び、探究して努力し続ける事で素晴らしい人間になれる。
・自分の置かれている環境をよく見て理解してそのパーソナルスペースを守る事でどんどん居心地がよくなるものだ。
・新しいことを考えるのではなく今あるものを学びその出来栄えで評価する。
・否定することを否定する。
・枠組やルールの中で競わせ、答えがある。
→今の日本学校システムに違い。
創造的ではない。
江戸時代、徳川政権で採用される。

そして派生系の陽明学は簡単に言えば
革命的 主観主義

・心が全てを教えてくれる。真理は心から離れることはない。
・皆学ばなくても本当に何が善かは分かっているはずだ。
・正しい行いは天理(自然の摂理)だ。
・良知に基づく行動は外的なものに制限されない。今を正して新しきを知る!
そして、知行一致
知っていることをしないのは知らないのと同じという考え。→革命への原動力

明治維新の面々や三島由紀夫が信仰
 

朱子学は理論ばかり 
外側 答えがある 陽明学は理論に行動がつく 
内側 答えはない(分かっているはず)


陽明学は朱子学の派生で中身はほぼ同じだが、二宮金二郎がもっている[大学]に書かれる部分に違いがある。
江戸時代陽明学は禁学、これだけを学ばせると革命がおこりまた争いの世がきてしまうから。徳川政権はあくまで平和な世の中をとにかく目指している。
儒学の先生は武士に朱子学を学ばせ、本当にセンスがよい人にだけ陽明学をこっそり教えたらしい。

朱子学の影響で東洋は文化は育ったが、西洋よ
りも文明は衰退したという説もある。

話を戻すと

論語と算盤を読めば元幕臣の渋沢栄一は朱子学の影響をかなり受けているし、徳川家康を信仰する面も感じる。家康と平和を目指す姿勢が同じ。やり方は違えど、日本を守る為にその時代に何が必要なのかをよく理解していると思う。

一方で一つの学問に支配されず結果バランスが大切であるとの考えも濃い。日本人は全てを受け入れて混ぜこぜにしてよりよく良くするのがとても上手い。
例えば
日本の信仰、武士道はどのような思考か? 
少し後世のことだが、新渡戸稲造は国際的な場で日本の信仰をきかれて困った。
結果、武士道を書いたと思う。これは海外への日本信仰の説明書だ。
それも解釈は様々だが仏儒神一体の教えと考えれば腑に落ちる。(仏教、儒教、神道一体)


渋沢さんは経営者として甘さがないリアリストあり、文化人でもある。文中に中国の漢文や俳句の例えなども様々ある。

国がなぜ渋沢栄一を紙幣にするのか?
NHKがなぜ大河にするのか?


経済成長はしても幸福度が低い日本、、

道徳を重視した資本主義で、心も懐も豊かな国を皆で協力して創りたいからではないのでしょうか?






この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?