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「主婦」がバカにされる、致命的な理由

「主婦」について、どういうイメージを抱くだろうか。
「主婦」と言っても、全く働いていない「専業主婦」もいれば、扶養内で働いている「パート主婦」、正社員だが「時短勤務主婦」など様々だ。
言葉の捉え方は人それぞれだが、「結婚していて、主な収入源は夫の収入。自分は働いていないか、働くとしても少額」という認識を持つ人が多いのではないのだろうか。
なぜなら、既婚女性で上記以外の立場の場合、「ワーママ」「バリキャリ」など他のカテゴリーに分類されるからだ。
私は、結婚してから「専業主婦」「パート主婦」の期間が最も長いが、僅かながらフルタイムで働いていたこともあるので、色々な立場を経験した。
その上で、「主婦」という存在は、少しバカにされるというか、下に見られる、という感想を持った。そして、自分のことは棚に上げて、「主婦」の人はこれだからちょっと…と思ってしまったこともある。
この理由を考察しようと思う。


(1)「主婦」はフィードバックを受ける機会が、極めて少ない

何らかの仕事をして、収入を得るということは、自分のしたことに対して、お金を払う人が存在するということだ。
会社に所属している場合は、会社から「給料」という形でお金が支払われる。会社は「給料」を支払っている以上、それに見合った成果が欲しいと、当然ながら思うので、漫然と勤務するだけでは、厳しい状況となるだろう。
このため、いわゆる窓際社員などでない限り、自分がした仕事に対して、上司や取引先、お客様などから、何かしらのフィードバックがある。
「主婦」はどうだろうか。夫の性格や気質により、家事のクオリティに厳しいフィードバックが入る家庭もあるとは思うが、それによって生活費が脅かされるということはないだろう(もしされるなら、それは経済DVとなり、別の問題に発展する)。
子どもには自分が指摘する立場であるから、夫を尻に敷いている場合、家庭内においては、お山の大将となる可能性もある。
フィードバックがないことの問題点は、自分の言動や能力をブラッシュアップする機会が減り、成長が難しいということだ。
人に指摘してもらえず、自分の意識のみだと、気づかない、ということは多いだろう。そもそも、それが改善の必要があるかどうか、という思考にすら至らないからだ。
以前、子育てがひと段落したママさんたちが多い職場にいたが、上司からフィードバックを受けるのが、ひどく苦痛な様子だった。上司の言い方も少しキツかった可能性はあるが、自分の行動は棚に上げ、上司の愚痴大会を毎度のように開いており、私には全く共感できなかった。

(2)受動的な生活をしていると、他人と話す機会が少ない

「主婦」は、基本的には家にいて、家族のサポートをしていることが多いので、他人と話す機会が少ないと感じる。
もちろん、個人差は大きいと思う。子供がいたら、その繋がりでできるママ友との会話や、習い事関係、などでのコミュニティがありそうだなあ、とは思うが、よくネットで見るのは、育児は孤独で、夫が唯一の話し相手、などといった情報だ。
また、子どもがいない場合は、この子ども関係の繋がり、といったものもないので、自分からアクティブに行動しないと、他人と接する機会はどんどん少なくなる
他人とは接さなくてもいい、一人でいるほうがラクだ、という人もいるかもしれないが、このコロナ禍で、色々と考えさせられた人もいるのではないだろうか。
「人との繋がり」は大切だ。一人で悶々と気にしていたことでも、他人に話してみるだけでも気が楽になることはあるし、他人の話を聞くことによって自分の知見が広がり、学びになることは往々にしてある。
本やネットなどで、学ぶことは可能だが、自分が好き・興味がある情報にアクセスしがちなので、新たな気づきという意味では少し弱い。
また、他人と接する上で生じる、人間関係の問題も、多すぎるとストレスにはなるが、自分の言動を見直す良い機会となる。伝え方を工夫してみようとか、受け止め方を変えてみようとか、そういった試みをする機会がないと、コミュニケーション能力がどんどん下がっていってしまう。

(3)時間に追われないと、効率性を軽視してしまう

「主婦」は状況にもよるが、時間に余裕がある生活を送っている可能性が高い。
少なくとも、子持ちでフルタイム勤務のワーママさんなどと比べると、家事やその他のタスクにかけられる時間は長いのではないだろうか。
その結果、効率性を軽視し、やらなくてもいい無駄な作業をしたり、非効率な動きをしている可能性がある。
仕事などで家事にかける時間がないと、追い込まれて、自然と家事の効率化に取り組まざるを得ないのだが、時間が余っていると、そういう状況にはならない。
もちろん、家事を趣味でやっている、それが好きなんだ、という方は、思う存分やればいいと思う。
しかし、ネットでよく流れてくる「主婦」の声としては、主婦は無償労働だからつらい/主婦は本当に大変/家事がつらい…というものが多い。
家事に手をかけて、本当に楽しい、幸せ!という人は少ないのではないだろうか。もしくは料理は好きだけど片付けや掃除が嫌、など部分的に嫌と思う作業があるのではないだろうか。
以前の職場で、家事やそれにまつわる夫の愚痴などを聞かされたことがあるが、少し工夫すれば、軽減できるのではないか?という点が多かった。
皿洗いが苦痛なのであれば、食洗機を導入すればいいし、料理が苦痛ならばホットクック等の機械も、現代は充実している。
こういうことを言っても、愚痴だけ言って解消する気がない人は、お金が…場所が…云々言って向き合おうとしない。
効率化できるのは、設備投資だけではない。より効率的な家事導線の検討や、収納の工夫。やらなくてもいい作業の洗い出し。掃除しやすい空間作りや、物の数のコントロールなど、できることはたくさんあるのだ。
結局、今の環境を変えたり、それに適応するのが面倒くさいということで、それでは現実は全く変わっていかない。

(4)まとめ

このように、(1)~(3)まで、私が思う問題点について、挙げてみた。
これらのことに共通している問題は、「成長できない、もしくは成長スピードが鈍化する」ということだ。
演出の都合上、「バカにされる」という言葉をタイトルに上げたが、他人にどう思われるかは、正直どうでもいい(強いて言うなら、愚痴・悪口が多い主婦の方は、主婦のイメージを下げるという点で、気にはなる)。
夫の稼ぎでラクしてそう~とか、暇なんでしょ~とか、そう思われることはもはやどうでもよくて、成長できないことが一番の問題点だ。
成長とか興味ない、という人も、中にはいるだろう。
しかし、そんな人であっても「主婦」という道を選んだのだから、「家庭」には少しは興味があるのではないだろうか。
第一線を退いた「主婦」であっても、常に学び、成長を止めないことで、夫との関わりや、子どもの教育に活かされると思うので、結果的に「家庭」に還元できて、みんながハッピーになれると思う。
夫や子どもの目線に立ってみても、向上心がなく、ただ老けていくだけの人よりも、常に好奇心を持って、色々な世界に興味を持ち、自分を成長させていこうという気概がある人のほうが魅力的に見えるのではないだろうか。

自戒の意味も込めて、問題点を考えてみた。
今後、これらの問題点の対処法についても、模索していきたい。


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