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自分と自分以外を破局に追いやるものとは(6-50)

いよいよ朝晩20度を切る日が続き始めました。昨夜はとうとう厚い掛け布団出しました。まだ早いかなって思いましたが、寒がりの私にはやはり準備しておいた方がいいみたいです。

さて今日は第163回芥川賞受賞した「破局」のお話しをしたいと思います。

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私を阻むものは、私自身にほかならない。ラグビー、筋トレ、恋とセックス―ふたりの女を行き来するいびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。第163回芥川賞受賞。(「BOOK」データベースより)

私が好きな作家である、山田詠美氏。小川洋子氏、平野啓一郎氏が高評価なので、期待していました。

愚息たちとあまり変わらない世代の方の感覚が、とてもストレートに伝わってくる(私には)作品です。

主人公は、スポーツ(ラグビーというスポーツですが、きっとスポーツの世界はこういう感じが残っている気がします)によって自分以外を滅ぼし、同時にセックスによって他者(付き合った女性たち)から精神的に滅ぼされてゆく感じは、嫌な感じもします。

しかしそんな主人公が現代社会に対して味わっている違和感に、いつの間にか共感させられている自分がいることにはっと気づいた時、やられたっという癖になりそうな筆致でした。

好きではないけれど読まされてしまう感の強いこの作品の方が将来を考えると芥川賞という賞にふさわしいとも感じました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
連休の方も今日が最終日です。私たち夫婦もこれから実家でお彼岸の中日を過ごします。こういう時は家族について考える日としてはいかがでしょうか(お若いかたも)そして今日という日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。

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