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読書備忘録

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2022年9月の記事一覧

あの人が同窓会に来ない理由

読んだ本の紹介 出版社:幻冬舎 発売日:2018年8月3日 文庫本:305ページ 内容:切なくてほろ苦い大人のための青春小説 この本を読んだ理由 このところ体調がよくなくて、図書館も書店にもいくことができず、Kindle本を探し、タイトルに惹かれて購入しました。 あらすじ 感想 この小説のように成人式後、かなり短い期間で開催を重ねたときは、地元に住むものばかりが集まっていた記憶があります。同窓会はいつも会えない人と会える楽しみがあるはずですが、いつも出席しない人が

「タコの心身問題」

3連休の最終日、日曜日の朝です。皆さんいかがお過ごしでしょうか? 東海地方、特に静岡では集中豪雨でした。被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。 さて、最近Netflixに加入して以来、映画館で観ることが叶わなかった映画や好きな韓国ドラマを観る時間が増えてしまい、その分読書量がかなり減ってしまいました。 さらには年を重ねたせいでしょうか(年齢のせいにするのは卑怯とも思いますが)没入できない作品が多々あり、読書の幅を広げることができずにいます。 最近ではブックレビュー

スペンサー・ジョンソン「プレゼント」

昨日は彼岸の中日だったので、実家に行き、実母とお昼を食べ、3時間弱話を聞いて帰りました。しかし、世の中はシルバーウイーク後半の3連休。私も夫も生活は普段通り、いつもの家事を終え、読書と映画やドラマを楽しんでいます。 昨日は本文110ページという短さですが、とても意味深い作品を讀みました。 出版社:扶桑社 発行日:2022年7月30日(日本語版) 単行本:112ページ 世界的ベストセラー「チーズはどこへ消えた?」から5年後に原作者が発表した著書です。 物語は一人の少年が

はじめての

読んだ本の紹介 出版社:水鈴社 発売日:2022年2月16日 単行本:224ページ 内容:小説のテーマは、「はじめて〇〇したときに読む物語」 『私だけの所有者』はじめて人を好きになったときに読む物語(島本理生)『ユーレイ』はじめて家出したときに読む物語」(辻村深月) 『色違いのトランプ』はじめて容疑者になったときに読む物語」(宮部みゆき) 『ヒカリノタネ』はじめて告白したときに読む物語(森絵都) この本を読んだ理由 日本を代表する4人の直木賞作家と、“小説を音楽にする

垣谷美雨「もう別れてもいいですか」

読んだ本の紹介 出版社:中央公論新社 発売日:2022年1月7日 単行本:297ページ 内容:女を奴隷扱いする男たちとの決別を描く、ベテラン主婦のハッピー離婚戦線。 「決断は幸福のはじまり!50代」女の再出発を描いた傑作長篇。 この本を読んだ理由 結婚した女性が結婚生活を営む中で、1度は考えると思う「離婚」をテーマにした作品をこのシルバーウイークにゆっくり読もうと借りてみました。 あらすじ 感想 「夫の墓には入りません」「老後の資金がありません」など中年主婦が1度

柚木麻子「ついでにジェントルマン」

読んだ本の紹介 出版社:文藝春秋社 発売日:2022年4月10日 単行本:261ページ 内容:著者初の独立短編集 Come Come Kan!! 渚ホテルで会いましょう 勇者タケルと魔法の国のプリンセス エルゴと不倫鮨 立っている者は舅でも使え あしみじおじさん アパート1階はカフェー この本を読んだ理由 実は他の著書を借りたくて図書館を検索したのですが、貸し出し中でたまたまこの作品が返却されていたので借りました。 あらすじ 感想 本短編は全て文藝春秋社の「オール

ほどなく、お別れです

読んだ本の紹介 出版社:小学館 発売日:2018年12月18日 単行本:222ページ 出版社:小学館 発売日:2020年2月27日 単行本:270ページ 出版社:小学館 発売日:2022年7月22日 単行本:272ページ 本シリーズの内容:読んだ人すべての心を温かく包み込む“お葬式小説” この本を読んだ理由 私の年齢だとお祝いより、弔いの数が断然多くなります。数多くの葬式に 出るのですが、今の状況での葬儀に興味がありました。 あらすじ 感想 一昔前だと葬儀に

原田ひ香「財布は踊る」

読んだ本の紹介 出版社:新潮社 発売日:2022年7月27日 単行本:288ページ 内容:様々な事情で「今より少し、お金がほしい」人達の、切実な想いと未来への希望を描いた連作物語 この本を読んだ理由 題名が面白いなと単に思い、手に取りました。 あらすじ 感想 ルイヴィトンの長財布を熱望する主婦 葉月みずほの物語から始まり、FX情報商材勧誘の水野文夫「財布は騙る」株の取引で大損し水野の現金入り財布を盗む野田裕一郎「財布は盗む」お財布アドバイザーとして活躍するもその後

知念実希人「祈りのカルテ再会のセラピー」

読んだ本の紹介 出版社:角川書店 発売日:2022年8月10日 単行本:248ページ 内容:心震える連作医療ミステリ「祈りのカルテ」シリーズ、待望の新刊。 この本を読んだ理由 「祈りのカルテ」第1弾を読んだ時、なんとなく医師作家である夏川草介氏を思い起こしたことを記憶しています。医療ミステリーの中でも心温まるものが私は好きなので、今回も期待しました。 あらすじ 感想 今回も主人公諏訪野良太医師が研修医の時遭遇する医療エピソードが、厳しくも温かい眼差しの指導医と患者

伊坂幸太郎「マイクロスパイ・アンサンブル」

読んだ本の紹介 出版社:幻冬舎 発売日:2022年4月27日 単行本:192ページ 内容:猪苗代湖の音楽フェス「オハラ☆ブレイク」でしか手に入らなかった 連作短編を書籍化。 この本を読んだ理由 伊坂幸太郎氏の作品は理屈など考えず楽しむエンターテイメント作品が多いので、読んでいて疲れません。本作は虫垂炎前に借りていましたが、手術と入院の長期化で、一旦返却して、再度借りて読みました。 あらすじ 感想 音楽フェスで配られた短編ということで、1話がとても短い上に、幾重にも