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Quarter Deck (overseas recipe)

※このnoteは当店のInstagramにアップしたカクテル解説になっています。
<Instagram>
https://www.instagram.com/p/CcegAM7PRJ0/?igshid=YmMyMTA2M2Y=

最近、すっかり定番化してきたカクテルnote。
コレはだいぶBARっぽいシリーズで満足している。
ここまでの3本はクラシックカクテルのツイストだったけど今回はオリジナルレシピそのまま。

お題はQuarter Deck

まずオーダーされないカクテルのひとつですね。
とりあえずレシピをば。

standard recipe
<shake / short>
ラム 2/3
シェリー 1/3
ライム 1tsp

非常にシンプル。
ラムのショートカクテルと言えばダイキリ、XYZがつとに有名かなと。
他に誰でも知っているようなのは…あったっけか…まあいいか。
これは僕の好きなカクテルのひとつでもある。
暑い日に口開け1杯目なんか良い。軽めのシガーがあればなお良い。

さて、レシピを見てみましょう。
これもアドニスと同じくラム、シェリー共にタイプの指定がない。だから自由度が高い。重くするのも軽くするのも自分次第。
パターンを何個か持っておくとシチュエーションによって変えられるので面白いんじゃないでしょうか。
しかし日本だとおよそ95%以上のBARがホワイトラム+フィノシェリーのチョイスだと思います。

…なんて偉そうに書いてみたけど、僕もQuarter Deckはそういうレシピだと思ってここまで作り続けてきた。
レシピに指定がないことに目がいくようになったのはごくごく最近のこと。それまでは覚えてきたレシピになんの疑いも抱かなかったし、再読や読解なんてことは殆どしても来なかった。視野が狭いというかいかにも日本的思考というか…いやはやお恥ずかしい。

レシピを見直した経緯は割愛するとして、調べ直した際に比較で海外サイトも漁ってみると(僕にとっては)意外なことにホワイトラム+フィノシェリーという組み合わせは見つけられなかった。ざっと見た感じだとダークラム+甘口シェリー。
冒頭に書いたように、ドライでキレのいいカクテルのイメージしかなかったからコクと甘味あるQuarter Deckは想像がつかなかったし、なんならそんなの好みじゃ無かろうと思った。
けれど「百聞は一見に如かず」、「批判するならまず作れ」である。
というわけで作ってみたところ…これが非常に好み。やっぱ想像だけはダメ、絶対。

作るに当たって多くのサイトを見回りながら由来や周縁にも触れることができ、なぜ海外のレシピがこういうものなのかということの一端が理解できた。
これ書くとそこそこな文量だし、ほぼ完全に同業者しか分からない話になのでこれも割愛。でも面白いので興味ある方は調べてみるのをオススメします。
サイトのほとんどが海外なので翻訳に少し手間がかかるけれど…って今どきは翻訳アプリもあるしそんなに苦労もしないか。

で、作ってみた海外レシピは以下の通り。

Overseas recipe 
<shake / short>
旧英領のダークあるいはヘヴィタイプのラム 2/3
甘口シェリー  1/3
ライムジュース  1tsp

ラムはジャマイカのダーク、シェリーはクリームを使って作りました。

さて、ラムがなぜ「「旧英領の」なのか?」は同業者だと「ああなるほどね。」だろうけど、一般的には「何のことやら?」だろうなあ。
そこら辺はBARへ行かれた時にQuarter Deckをオーダーしつつバーテンダーに聞いてみてください。
酒の肴にはなるんじゃないかな。

そうだ、海外ver.希望の際はオーダー時に材料指定しないとおそらく日本ver.がサーブされてしまうだろうからお気をつけを。
ついでに言うと甘口シェリーを用意しているBARはそんなに多くないかもです。

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