Scandinavian Gibson (Gibson twist )
※このnoteは当店のInstagramにアップしたカクテル解説になっています。
<Instagram>
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今回のものは自作したディルウォッカをテイスティングした際にGibsonと繋がってレシピが見えたので作ってみようと。
試作は4回。納得のいくものを作ることができた。
Scandinavian Gibson
<shake>
ディルウォッカ(自家製)40ml
ジン(タンカレー)15ml
ドライヴェルモット(ノイリープラット)5ml
塩(マルドン)極わずか
白ワインビネガー 1tsp ※グラスに注いだ後にドロップ
パールオニオン(ガーニッシュ)
自家製のディルウォッカがメインなので作るには少々手間でしょうね。
僕としてもこんなに使うとは思っていなかったです。
素材に対して液体の量がオーバー気味で香りが薄かったのかもしれない。
このカクテルのポイントは塩味と酸味。
マルドンはUKのシーソルトで塩味・旨味がともに強い。扱いが少々難しいけど使い方さえわかれば本当に優秀な塩。酸味を立たせ、舌に存在が仄かにわかる程度の配合を。以上でも以下でもダメ。何度か使うとコツ掴めます。これにビネガーとガーニッシュであるパールオニオンの酸味。
これらでディルの香りと存在感を際立たせる。
僕はGibsonのアイデンティティを酸味だと解釈している。ほぼ双子のようなMartiniは塩味。
どちらもappetizerとされるのは酸味 or 塩味のどちらかで食欲を刺激するのとアルコールの強さで胃をキックするからじゃないだろうか。
だからそのアイデンティティを損なうことなく、少し捻らせることができたのには満足している。
ディルとGibsonが繋がったのと”Scandinavian”を冠したのは共通項というのかな…うまく書けないけれどそういうものがある。
僕はディルの香りでどうしてもサーモンマリネを連想する。なにより先に。
あの酸味に渾然となって漂う、青く独特で優しげな香り。
最初はサーモンをインフューズして”サーモンマリネのGibson”にしようかと思ったのだけどさすがにそれはやりすぎだろう、と感じてとどまった。ならばしっかりディルを立たせるものにしようとした結果の着地点がコレ。
ネーミングについては「サーモンマリネ = 北欧」という捻りひとつも加えることなく、想像力を露ほど働かせることもなく”Scandinavian”(北欧の)というワードをつけてみたら語感が良かったのでそのまんまにした。
レシピは捻ったのにネーミングは捻りゼロ。
本来ならネームまで含めて捻るのがtwist cocktailだと思うので、コレはhalf twistと言った方がいいかも知れない。
ちなみにディルウォッカを「自作した」と冒頭に書いたけれど、なぜ作ろうと思ったのかはよく覚えていない。
思いついた時にはきっと何か別の物を作ろうという目論見がきっとあったはずなんだが…今やそれは記憶の彼方。まあ、別の形とはいえ成果物ができたので良しとしよう。
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