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子供には麻雀をやらせるべきでは?

 私に子供が出来たとしたら、是非とも麻雀をやらせたいです。麻雀は頭が良くなる要素を多分に含んでいると思っています。

 あまり麻雀に馴染みが無い人にとっては、「賭けてやってるんでしょ?」「ギャンブルでしょ?」「なんか不良しかやってない気がする」みたいなイメージがあるのではないでしょうか。タバコの煙でモクモクした暗い雀荘をイメージする方もいるかもしれません。

 しかし、麻雀はシンプルにゲームとして面白く、私はほぼアプリでのみやっています。今回は、雀魂という最も人口が多い麻雀アプリで雀聖(上位1.5%)の私による、教育における麻雀のススメを紹介します。

偶有性がある

 子供の頭が良くなる要素として、偶有性がある遊びをするというものがあります。偶有性とは、ある程度は予想できるが、予想できないこともある、ということです。

 麻雀は確率に支配されています。まさにある程度は予想できるが、ある程度までしか予想できません。偶然が絡むので、強い人が必ず勝つというわけではないし、正しい選択が必ず良い結果を生むわけでもありません。麻雀とは、結果より理由が重要な珍しいゲームだと私は考えています。

 例えば、間違った選択をしても良い結果を生むことがあります。その時、結果論的にしか考えられないと、「やっぱり自分が正しかった!」という結論になってしまいます。しかし、それでは麻雀は強くなれない。実際の結果がどうだったかより、正しい選択をしたかが何より重要なのです。正しい選択をした結果、悪い結果が待っていようと受け入れなければなりません。

 しかし、これが難しい。正しい選択だったから1位になれたのか? それとも間違っていたのに偶然だったのか? これを客観的に理解しなければならないのです。これはすなわち、自分に都合の良い考え方ではいけないし、「オレの勘は正しい!」のような根拠の無い思い込みをしているわけにはいかないということです。これによって、子供にありがちな主観的で思い込みの激しい思考形態から一つ上の段階へいけるのではないでしょうか。


多面的である

 麻雀は、その腕前によって様々な顔を見せるゲームです。私は幾度となく「麻雀がわかってきた!」と悟りを開いたような気になって、幾度となくそれを打ち砕かれてきました。その度に、私は麻雀の「ま」の字もわかってなかったと打ちひしがれます。恐らく麻雀はまだ変身を残しているのでしょう。

 最初は、絵合わせゲームです。ドンジャラやポーカーを思い浮かべていただければわかりやすいかもしれませんが、牌の組み合わせで役を作っていきます。恐らく、初級者の人はこの段階にいると思います。牌の効率を考え、より確立の高い選択をしていくゲームです。この牌効率だけでも、恐ろしく奥が深く、「あ、こう見ればこういう形にも見えるのか!」という発見の連続だと思います。この牌の形だけで麻雀は楽しいわけですが、これだけで多角的な物の見方が養われます。

 その段階を超えると、守りのゲームへ姿を変えます。相手が欲しい牌を自分が捨ててしまうと自分だけが点数を支払わなければならないので、自分があがることを諦めることが必要になるのです。攻めてばかりはいられない、自分が点数を支払わないことが重要なのだと気づくのですね。しかし自分があがりたい! という欲求に勝つのはなかなか難しいものです。要は、我慢精神的な切り替えが身に付きます。

 そして最終形態、バランスのゲームです。私は初心者に「麻雀って何が大切なゲーム?」と訊かれたら牌効率と答え、中級者に訊かれたら守備と答え、上級者に訊かれたらバランス感覚と答えます。

 どこまで攻めるか、どこで守るか、点数の高い手は何が作れるか、周りの人の手役は何か、順目はあとどれくらいか、何局目か、それぞれの確立はいかほどか、あらゆることを総合的に判断しなければなりません。これには一本道の論理だけでなく、抽象的に物事を捉える能力が問われます。一つのことしか見ていないと他が見えなくなり、あちらを立てればこちらが立たず状態が幾重に重なっているのです。


まとめ

 偶有性によって客観的な目線が養われ、牌効率によって多角的な視点が養われ、守備によって論理力や精神性が養われ、バランス感覚によって抽象的な物事に理解が養われる。どんなゲームや習い事でもいろんなことが養われると思いますが、麻雀によって得られるものはその中でも多いと考えています。

 麻雀をやったことがない人にも少しは魅力が伝われば嬉しいです。ちなみにカードゲームもだいぶ似た効力があると思っています。あなたの子供にも麻雀かカードゲームをやらせてみる選択肢をご一考いただければ幸いです。


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