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【寄稿者:柴田涼平】作って、失って、見出した、場と人に対する思い(寄稿記事vol.7)

みなさまこんにちは、Rio(柴田涼平)です。
場の発酵研究所にはフェローとして関わっています^^


簡単に自己紹介をしますと、1992年生まれ北海道稚内出身です。そう、あの最北端の場所で、桃鉄で飛ばされた思い出がある方も多いかと思います。
普段は北海道札幌市に活動拠点を置き、札幌で3棟、小樽で2棟の宿泊施設、札幌で1棟のシェアハウスを経営しております。

大学を卒業と同時に友人と起業をし、まもなく創業八期目を迎えるところです。
2014年10月にGuest House wayaという宿泊施設をオープンしまして、その時おおよそ200名以上の方々が改築を手伝ってくださり、当時ではまだ広まり途中だった、クラウドファンディングを活用し、改築の一部資金に活用させていただきました。


振り返れば、当時から「場づくり」と呼ばれているものと、「共創」というコンセプトをとても大事にして、経営をしてきました。
そんな僕たちの、「作って、失って、見出した、場と人に対する思い」を少し覗いてみてくれたら嬉しいです。
「新型コロナウイルス感染拡大で、失ったものと、見出したもの」
自己紹介で述べた通り、宿泊施設の経営をしておりますので、今回コロナの感染拡大により、尋常ではない被害を受けました。
前年度比マイナス90%という月もありまして、絶望的な状況が続く日々でした。
※幸い、宿泊事業以外にも、自治体とのお仕事や、移住、関係人口創生関連、自然体験のできる宿泊施設、オンラインサロンなどを行っているため、なんとか生き延びてはおります。


そして、初めて「作ったもの手放す」というの体験をしました。
Guest House waya Annexという場所を、昨年夏に閉館しました。
コミュニティを押し出している宿泊施設ではないものの、作ったものがなくなってしまう、もうその場所では集えないというリアルを体験した時、胸が締め付けられるような痛みを感じました。

その痛みを乗り越えるために、「来年は今よりも希望を持てるはずだ」なんて、脆くも淡い期待を誰にでもない、自分に言い聞かせながら、日々を歩んでました。


しかしながら、事態は変わらず、むしろ悪化していくことになります。


変異型ウイルスの感染拡大。


去年の春から共に乗り越えようと頑張ってきた仲間、知り合いの事業者が少しずつ閉店、閉館を決め始めました。

「あぁ、大好きだった場所が、一つずつなくなってしまう。」
自分の会社で作った場所がなくなることと同じくらいに、胸が張り裂ける思いでした。

そして、弊社二号店のGuest House 雪結(yuyu)も今年の6月末で閉店します。
ここに関しては、土地と建物の所有者が、契約満了の際に、更新の交渉を受け入れてもらえず、撤退せざるを得ない状況となりました。

「また作ったものを失ってしまうのか。」

そんな思いに浸りかけていた時、yuyuを一緒に立ち上げた元社員から #yuyuforever という企画の提案を受け取ったり、その企画に載せて一緒に改築をした友人や、元アルバイトスタッフ、元ヘルパースタッフ、宿泊者から思い出写真が送られてきました。

更には、元アルバイトスタッフを中心に、撤退前に(コロナ対策をした上で)yuyuに集って、yuyuという場所への感謝と、関わってくれた人への感謝を伝えられる場を設けようと言ってくれました。

とても優しくて、温かい提案を関わってくれた仲間たちがしてくれています。

それら一連の動きを見ていた時、「たとえ場所がなくなったとしても、yuyuで集った、関わったという事実はなくならない、そしてこの関係性はずっと続いてくんだ」という想像が確信となりました。

それぞれの思いが紡がれ、醸成されていたのです。


「未来を想像し、創造していく。」
2017年3月14日に、下記の記事を書いたことをふと思い出しました。

"場"なんて作っても、人は繋がらない。~In order to truly connect people, simply "making a place" is not enough.~
https://note.com/rio39/n/ne664859c9c28


要約すると「場所があれば人がつながるという訳ではなく、どのような仕掛けやデザインを用意するかが重要だよね」という話です。

今は、その時の思考に「場所がなくなっても思いは消えない」という気持ちが宿りました。


少し唐突ですが、「場づくりから、場の発酵へ」という言葉を聞いた時に、言い得て妙だなと感動しました。

他の皆さんが書いてくださっていますし、場の発酵研究所のLPにも丁寧に記載されているので、詳細は省きますが、作り手が100%意図的にその場を作っているのではなく、そこに集う人たちが生き生きと活動できて、新しい出会いや発見に喜びを感じてもらえるような場所になるような環境づくりだけをしている。(杜氏の役割)

場を作っているというよりは、場を発酵させている。
そのような状態。

しかし、これは放任とは全く違います。
適切ではない環境下で発酵させようとすると、単純に腐敗しちゃいます。

生き生きと自分らしくそこに集う人たちが過ごせる環境づくり(=土台づくり)には全力投球で、その後どんなことが起きるのかは、そこに来る人たちや、雰囲気にある程度委ねるという状態。この絶妙なバランスが、簡単なようで、とっても難しい。

そして、場の発酵のさせ方や、人との関わり方などに、マニュアルは基本的にないと思います。(だから難しいですよね!)
100人いたら100通り。
100箇所あっても100通りのオーダーメイドが必要。

1人でそれを担うと大変だし、辛いですよね。
しかも、作った場所がなくなる可能性だってあるのだから。

そんな大変だし、辛いことを、一緒に悩んで、考えて、答えになりうるものを導き出していく。
そのような場所が場の発酵研究所だと思っています。

共に研究員(仲間)になりませんか?
未来を想像し、創造していきましょう。
そして、有形、無形に関わらず、残したいものを一緒に残していきましょう。


Rio(柴田涼平)
twitter: https://twitter.com/rio3900
note: https://note.com/rio39


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▷ 場の発酵研究所とは?
 https://peraichi.com/landing_pages/view/banohakkokenkyusho


いつもご覧いただきありがとうございます。一緒に場を醸し、たのしい対話を生み出していきましょう。