人事という組織
人事という機能は中央集権的な組織と地方分権的な組織、大きく二つに分かれると思う
中央集権的な人事組織は、福利厚生や評価制度の企画、そして異動・昇格・採用といった個別の人事に対しても権限を持っている
地方分権的な組織は、全社的な人事制度は人事部が担い、個別の人事は現場が担っている
私のいる銀行は、必ずしもそうではないのだが、どっちか選べと言われると中央集権的な人事に属するだろう
ただ実際に人事の担当者の立場からするとどっちが良い悪いはないが、いずれもメリット、デメリットあるなと感じたので、書いてみる
中央集権的人事
<メリット>
①部門間にまたがる異動や昇格など複数の現場が関わる人事は人事担当が横ぐしでパイプ役になることでスムーズにいく
②社としての経営方針をトップダウンで人事運営に反映しやすい。福利厚生や人事制度、採用方針など
③現場のモラルハザードを防ぎ、公正な評価ができる
<デメリット>
①現場目線との乖離が発生してしまう。現場の評価と人事の評価が分かれたり、採用を人事で一括してやる場合は、現場が求めている人材とのミスマッチが生じやすい
②現場が強い組織だと機能しづらいため、ある程度人事に権限を集中させないと意味がない
③評価や昇格などが現場目線からするとブラックボックス化し、不平不満が出やすい
地方分権的人事
<メリット>
①現場で評価や採用をしているので、より実態に沿ったポスト登用や現場で活躍できる人材の採用ができる
②各社員にとっても評価者が近ければ納得感が強い
③何をするにしてもスピードは中央集権よりも早い
<デメリット>
①部門部署間をまたいだ人事運営は個別対応になってしまう
②全社的な経営方針に基づく人事運営を浸透させづらい
③これが一番だが、最終的に現場は好き勝手やってモラルハザードが発生する。上司が誰かによって人事評価が大きく左右される(当たり外れが大きい)
以上は一例で他にもあるがざっと述べると上記の通り
ベンチャーや数百人規模までの中小企業であれば、人事担当者と現場の距離が近いので、お互いに歩み寄って人事を運営することは可能だろう
しかし、数千、数万人という企業規模になってくるとそうはいかない。
必ず上記のメリデメが生じる
ではどうするか、例えば人事部は本当に全社的な制度企画に徹しつつも現場任せにせず、例えば大きな単位、例えば営業部門、商品開発部門、、のように各部門ごとに人事担当者を置く部門人事制度など人事機能と現場機能を両方持った組織で対応するというやり方もある。色々あると思うがそれはまた今度
それでは、愛を込めて合掌
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