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斬新なアイディアが良いとは限らないの世界 "コピーライティング"

 バブル絶頂期、コピーライターに憧れる人が非常に多かった。様々な有名なコピーライトが流行った。
「おいしい生活」
「24時間戦えますか」
「そうだ、京都へ行こう」
 おしゃれな短いセンテンス一つで食べていけるこの職業は若者の憧れの的だった。

 そして、今の時代よりもコピーライターが必要な時代はない。なぜならアマゾンや楽天を代表とするネット販売が増え、ますます需要が加速している。
 ネットでは写真と文字で商品を説明することがほとんどだ。ということで売れるコピーを書ける人が重宝される。

 さて、コピーライターと言っても現在求められる大半のコピーライターは昔のコピーライターと質が違う。楽天市場で「そうだ京都行こう」なんて書いても「なんで京都にいかなきゃいけないんだ?」と首を捻られるだけである。マーケティングで言う世界の「ベネフィット」が要求される。

 ベネフィット(効用)を説明するために様々な経済行動心理学を利用したコピーライトが使われる。
 このコピーライトを習得するのは大変だろうと思う方が多いと思うが実はそんな事はない。

 現在の販売方式はいわば、通信販売だ。通信販売の歴史は古い。特に国土の広いアメリカでは店が物理的に遠いので通信販売が昔から盛んだった。
 通信販売に使われるのはダイレクトメールである。つまり今のインターネットの販売ページを紙で送るようなものである。

 通信販売の歴史が長いということはコピーライティングが長期に渡って研究されている。その結果、売れるコピーライトが厳選されている。
 売れるコピーライトばかり集めたファイルを業界では「スワイプファイル」と呼ぶが、自分で新しくコピーライトを考えるよりも昔から売れる事が証明されているコピーライトを使った方が断然売れる。これはネットのコピーライターの間では常識だ。

 よく、ネット広告を意識して眺めて見ると、似たような表現が多いことに気がつくと思う。なぜ似たような表現を使うのか?なぜならその表現で売れることが過去何十年の実績で分かっているからだ。
 つまり、売れるコピーライターになるのはそれほど難しくないということだ。逆に言えばしっかり勉強しないと商品に合わせた表現などができない。ものを売るためには自由で奇抜は発想よりも過去の実績を持ったコピーライトの使い方を覚えるのが近道のようである。

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