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2021年3月の記事一覧
まちぶせ 不器用な恋の策略
主人公は策略家のようでいて、かなり不器用です。まわりくどく、目的はあれども、自分にはこの戦略しかとれない。そういうブルースの響きをもって、この『まちぶせ』は私に響くのです。
赤い花 白い花 赤い鳥の拡散
美しく神妙なアレンジは見事です。ベースのポジションを2拍単位で動かした分数コードの響きをはじめ、その音楽はどこも非常に垢抜けていて、時代の移ろいに朽ちるどころかむしろ錬磨されて、ますます洗練が際立ちます。
最近ふれた音楽の話 #28 話題:山下達郎『パレード』、チューリップ『青春の影』、荒井由実『やさしさに包まれたなら』ほか
HELLO 福山雅治 2拍3連の妙メロ
モロ私は世代なのですけれど、分厚い歌本を繰っていて久しぶりにこの曲と出会いなおしました。福山雅治のことはなんとなくマルチタレントと認識しがちな近年の私でしたが、彼がいかにシンガーソングライターとして魅力的であるかを今更認識を改めました。もう、ファンにごめんなさいとしか言いようがありません。いえ、彼のファンは私のことなんか知らないしどうでもいいこと請け合いで
真夜中のギター 孤独と詩情
歌詞、メロディの無駄のなさや普遍性はもちろん、ストリングスの対旋律やフレージングに象徴される編曲のセンスの高さに私はとても感激しました。作曲者が編曲者を兼ねる好例だと思います。筒美京平もそうですよね。
原田知世『時をかける少女』(1983)リスニング・メモ
編曲の緻密さ、演奏、録音の良さに相当惚れました。この布陣でメインキャスト、十代なかばの原田知世を囲んだのです。その上あろうことか作詞・作曲はユーミンです。いい意味でユーミンが立役者になっている気もします。
やさしさに包まれたなら ユーミンの長7度ステップ!
ヨナ抜きを基調にオイシイ所のみで「ヨナ抜き」を破るのはヒット曲に頻出する特徴です。メロディに革新の翼となつかしさの郷土。歌詞は子ども時代と大人になったあとの両方を思わせる情景の飛翔、時間の振れ幅があります。
河島英五『酒と泪と男と女』を聴いて 心を持ってく擦れたサスティン
私の中にある側面を河島英五は全身で発しているのです。もちろん、勝手に河島英五の波長に、たまたま私がコミットした、共振したというだけの話なのですけれど。
青春の影 チューリップ リスニング記とプチ聴き比べ
己に付したラベリングのむこうにある私とあなたの関係こそが愛なのかも。タイトル「青春の影」は曲の主題を抽出して本文中にない言葉をつかって題したのでしょうか。これから更新していく私とあなたの関係を際立たせます。
パレード 山下達郎(ナイアガラ・トライアングル) 『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』より リスニング記
恋だの愛だのいう単語を使わずに、とろけるようなロマンを描いているのです。洗練されたクールな感性です。洋楽への愛や研究のたまものでしょうかね。
HELLO 福山雅治 2拍3連の妙メロ
歌本をめくって出会い直しました。Cメロ譜の旋律線がキレイ!サビ前の♪かなわぬゆめかぞえて…の2拍3連や、サビ終わりの♪きみとえがおつかまえるのさ…のメロディの印象付けの妙技にその場でのけぞったほどです。堪能。
夢の中へ 井上陽水 リマスターの精緻
バンドでライブで再現可能な編成で描き切っているのも好感です。夢の中へという主題の広がりを思うとなんでもやりたい放題な気もしますが、的を射るような精度でまとまっており無駄のない構築が美しさを醸しています。
ルビーの指環 風の街に貴女の幻影
4年しても6年しても、きっと主人公は“貴女”の影に敏感でいるのでは。指にルビーのリングをした貴女が、もうどこにもいなくとも。あの頃と似て非なる、代謝を続ける“風の街”を今日も行くのでしょうね。
世界は二人のために 佐良直美の映える世界
“二人のため 世界はあるの” との言葉の意味を取り出して味わってみると、なかなか極端です。恋愛中の二人はまさに盲目。世界のすべてが自分たちの脇役に思えるかもしれません。それもまた真実。