『こんな涙を流さずいれたのに』

わたしです。

どうにも、筆をとりたくなって。こんな時間に。

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…なんだか別れの多い最近で。

わたしのさす≪別れ≫は永遠のものとか死別とかではなくて、“いつか”とか“また”とか、再会が確実なものではなく、不確定な≪別れ≫のことなんだけれど。

どうして『好きなこと』って、好きなように続けることが出来ないんでしょうね。誰が悪い訳でもないとき、このモヤついた気持ちのはけ口をどこにぶつければ良いのか分からず、だた情けなく、涙することしか出来ないわたしです。

わたしが泣いたところで何も変化は無いんですけどね。

わたしは、歌を歌ってて。お芝居をしてて。
表現を、してきた。なのに、こういう気持ちを未だに上手く昇華させることが出来ずにいて、そうこうしているうちに、目に見えない『有効期限』が差し迫って、気付けば期限が切れてしまったりしてるんですよね。

歌うこと、演技すること、絵を描くこと、何かを創りあげること…まぁ、あくまでもこれらはほんの一部だけど、この「好きなこと」「やりたいこと」を自分の意思にそぐわない形で失うことになるって、ほんとにやりきれない気持ちになる。

例え最終判断を下したのが自分であったとしても、抗えないことってあるじゃないですか。どうしても、抗えないこと。本当は認めたくないのに、認めざるを得ないこと。

なんだかんだ人って一人じゃないし。大切な人がいる人ほど、痛みも分かる優しい人だろうし。自分の正義を押し通したい気持ちと、大切な人とのことも蔑ろに出来ない気持ちと、戦って戦って、下した結論で。

わたしはそれらの表面的な部分しか知ることが出来ないけど、当事者は結論に至るまでにわたしの想像遥かに超える苦悩があったはずで。

…なんて、わたしにはそんな陳腐な言葉でしか、創造することができないのだけれど。

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わたしも。わたしの意思とは関係なく、好きなことが思うように出来なくなってしまって、もうすぐ１年ほど経とうとしてるんですよね。

歌を、歌ってたんですよ。二人で。かれこれ10年来の友人であり、家族にも似た間柄の相棒と、一緒に。

とにかく彼女と歌うのは心地よくて、楽しくて。そんなわたしたちのステージを楽しんでくれる目前のお客さんと過ごす数十分が心底幸せで。沢山の素敵な仲間にも恵まれて、スタッフさんやクリエイターさんにも恵まれて、このチームで、もっともっと一緒に色んな景色が見たくて。

…ずっと続いていくもんだと思ってて。

そんな矢先に出た不調。心因性発声障害だった。
思うように歌えなくなって、悔しさも苦しい気持ちも見て見ぬふりをして、それでも思うようにいかなくて、やっぱり苦しくて。でも、誰にも言えなくて、止まりたくなくて。応えたくて。返したくて。

「続けるために休止しよう」

引き止めてくれたのは相棒だった。誰よりも悔しいはずなのに、その決断を下すのが怖くて言えなかったわたしの手を引いて、止めてくれたのが相棒だった。

一人だったら、わたしはきっと止まることなく、自分自身を騙し続けて、もっともっと悔しい思いして、苦しんで、最悪もう二度とステージに立つことが叶わない表現者になってたかもしれないな、と思う。

わたしはあの時、相棒が手を引いてくれて、わたしもちゃんと現状と向き合って、皆さんにも伝えることが出来て。

止まる決断を受け止めてくれたお客さんや友が、歌うこと以外でわたしがステージに立つことを願ってプレゼントしてくれたのがカホンとの出会いだったし、今までの縁が巡り巡った結果、仲良くさせてもらってる演者さんがMC依頼をくれたり、歌う事とは別の形で、今もステージに立てて、みんながわたし自身を「表現者」でいさせてくれてるんだよな…ってことを定期的に実感しては、また泣くただの泣き虫オバケなんですけども。

今も二人で歌うことは諦めきれないし、諦めてないし、全く先の見えないリハビリを地道に繰り返しながら（たまに心折れそうになりながら）いつかあの日同じステージに立ってた仲間の元に…って思って過ごしてた１年以上。

冒頭に戻るけど、別れがね、多いんですよねーーー。寂しいなぁとか、悔しいなぁとか、ぐるぐるぐるぐる。

続けることが必ずしも正解だとは限らないって思ってるし、友が出した結論は、しっかりと受け止めたいなと思っているんだよね？

っていうのを、自分自身に伝えたくて、筆をとったのかもしれないですね。うんうん。

永遠の別れもあれば、そうでないこともあるので。≪いつか≫を願って待とうかなと思います。

…人の事、言ってられないんですけどね。

あぁ、また朝になってきた。

筆をとるきっかけになった彼女の曲を聴きながら、もう少しだけここに居ようと思います。

『Liebe/なんかかんな』
▶ https://www.youtube.com/watch?v=o74mJygaOB4

それでは、また。