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GORI - ディジュリドゥ奏者


ディジュリドゥをはじめたきっかけは?

1997年大学生の夏休みにNYに旅行に行きました。毎晩ライブハウスとクラブに通いつめる中、ハードコアパンクスの聖地CBGBにてバンド「Neurosis」のサブユニットで演奏される鉄パイプのディジュリドゥを聞いたのが初体験でした。

ぼくのディジュリドゥのファースト・インパクトは「この楽器はめちゃくちゃハードコア!」。その時メインアクトだったBrutal Truthの演奏の記憶が薄らぐぐらいブッ飛んだことを覚えています。帰国後すぐに、近所の竹林で切ってきた楽器で練習しはじめました。


伝統奏法を学びはじめたのはなぜ?

NYでディジュリドゥに出会い、取り憑かれたようにディジュリドゥを鳴らして3年ほどたった時、なぜか頭打ちを感じました。これ以上この楽器を演奏していても成長がない、もしかしたら自分一人でセルフラーニングすることに限界を感じたのかもしれません。

ちょうどその頃、UNESCOから出ていたアボリジナルの現地録音のCDを友人が入手して聞かせてもらったところ、セカンド・インパクト降臨。自分が鳴らしていたサウンドと全然違う異質な響き、決して自分が鳴らせない音が鳴っていました。生で聞いてみたい!それだけの初期衝動でオーストラリア行きを決めました。


誰からディジュリドゥを学んだのか?

2000年に初渡豪して友人3人とオーストラリアをラウンド。この年ディジュリドゥ・マスターDavid Blanasiに出会うことがかなうも、葬儀中で彼から直接学ぶことはできませんでした。

翌2001年に北東アーネム・ランドを訪れ、イダキ・マスター故D. Gurruwiwi(1935-2022)に師事。以来2018年まで毎年現地を訪れ、長い時では2-3ヶ月、短い時では2-3週間というスパンで師の家にホームステイしながらイダキ作りや葬儀に参加しながら伝統的なイダキ演奏を学びました。

[Garma Festival 2001]敬愛するイダキ・マスター故D. Gurruwiwi。近年では胸のあたりに演奏することが多かったですが、この頃は背中や腰にむけて演奏するというのが普通でした。他のヨォルングにもそうやってイダキを演奏すると話していました。サポートしているのは当時アートセンターのスタッフだったJeremy Cloake。お互い若い!!

他にもYothu Yindiの初代イダキ奏者故M. Mununggurrのプライベート・レッスンを受けたことは、ぼくにとっては財産でした。海外経験も豊富な彼だからこそ伝えられる明確なアドバイスや、一つ一つの演奏技術に対するわかりやすい表現は目からウロコでした。

もう一人のイダキ・マスター故B. Wunungmurraのイダキ作りに参加したり、MarakuluクランリーダーのDjambawa Marawiliへのインタビューなど、北東アーネム・ランドの様々なキーパーソンとの交流を深めて文化的な学びも多々ありました。

他にもBeswick、Maningrida、Wadeye、Belyuenなど様々なコミュニティを訪れて現地のディジュリドゥ職人やプレーヤーとの交流を深めました。特にカンビ・マスター故N. Jorrockから学べたことは幸運でした。今思い返しても突出した天才だったと思います。直近では2018年にWadeyeのマロック奏者William Parmbukから学ぶなど、多様な現地の様々なスタイルを今も学び続けています。

ぼくが最も長い時間をすごしたディジュリドゥの師はイダキ・マスターD. Gurruwiwiとその息子Larry GurruwiwiとVernon Gurruwiwiです。必然的にぼくのプレイスタイルは彼らの影響を一番受けていると思います。


ディジュリドゥのプレイスタイルは?

アボリジナルから見てガイジンという立ち位置を生かしてKenbi、Mako、Mandapul(イダキ)と異なる演奏スタイルを統合的に学び、実践することでそれぞれのスタイルを尊重し深めながらも、アボリジナルの伝統にはないリズムやマウスサウンドを模索した新しいスタイルを追求しています。

[Palumpaコミュニティのディジュリドゥ・マスター]偶然訪れることができたPalumpa(現Nganmarriyanga)で出会った凄腕のKenbi-Man。たった一日だけの出会いで彼の名前を失念してしまったが、やわらかくてスムーズでめちゃくちゃ気持ちいい倍音は脳の奥底にいまだ響いています。

earth_tube_officialのインスタグラムではYoutubeのiDIDJAustraliaチャンネルのヨォルングの動画が使っている同じ楽器で同じマウスサウンドで演奏する完コピ演奏のチャレンジや、N. Jorrockに学んだスタイルなど、バリエーション豊かな伝統奏法へチャレンジした動画も投稿しています。

伝統奏法を通じて、より自由に、より高い即興性で、しかも身体が楽で心地よい体感的に自由な演奏を目指しています。


学んだことを伝えたい

ディジュリドゥの演奏方法についてはnoteのマガジン「How to play Didjeridu - ディジュリドゥの鳴らし方」で、イラスト・動画・音声・文章でできるだけわかりやすく解説しています。

けれど、身体的な感覚を人に伝えるにはデジタル情報では難しく、人から人へとダイレクトに伝わっていくものだと思います。数人でおこなうワークショップや 1 on 1のプライベート・レッスンをオンライン・対面の両方で対応しています。

Earth Tubeのスクールのページにて詳細がのっていますので、ご連絡ください。

[水牛ハンティング専用の四駆]もちろん車検登録されておらず、余分なところを全部はぎとり、カンガルーバンパーにタイヤを取り付けたマッドマックスにでも出てきそうな車。これで水牛で体当たりして弱ったところを銃で撃つのだそう。

より深く自分の身体の感覚を深めていきたい人はぜひお声がけください。一緒にディジュリドゥ沼に浸かって悪戦苦闘できたらと想います。

GORI

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