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ロシア兵とウクライナ兵、殺し合いを拒否(ただし、前線の別な場所で)

原文:https://libcom.org/article/russian-and-ukrainian-soldiers-refuse-kill-each-other-different-sectors-front
原文掲載日:2023年6月20日
著者:assembly.org.ua

記事トップの風刺画は作者不詳『攻勢に出る』(1917年頃)。この風刺画は私達の目前でますます現在にふさわしいものになっている…

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私達が取り組んでいるこの国際コラムやオフラインのボランティア活動への資金カンパへようこそ。この戦争以前から、あなた方の国のコーヒー2~3杯はウクライナ労働者の一日の収入に相当するのです。皆さん、宜しくお願いします!
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バフムトでのヴェルダン型肉弾戦は、徐々に、ウクライナ軍によるアゾフ海沿岸までの突破攻撃に置き換わっている。ウクライナ国防次官アンナ゠マリャルによれば、南部反攻作戦の2週間で、ウクライナ軍は8つの村落しか奪還できなかった。こうした陣地争いが何をもたらすかは、第一次世界大戦以来よく知られている。

「デア゠シュピーゲル」の6月17日付の記事で、ウクライナ国軍の反攻中、戦車の損傷を装って戦闘を拒否する戦車兵がいると報じている。ジャーナリストは南部戦線で戦うレオパルト2の乗務員と話した。誰一人として戦闘拒否者を非難していない:

ミーシャは、自分も運に見放されるかもしれないと分かっている。「タワーを攻撃されたら、自分も遺骨の山になってしまう」と彼は言う。グジクは、戦闘の途中で退却するよりも最初から拒否する方がましだ、と言う。

戦闘はウクライナ人にとって高い代償を伴う。キーウは情報提供を禁じているが、このことはすぐに判明した。血塗れで喘ぐ兵士が前線から数キロ離れた病院に運び込まれている。医師によれば、ここ数日間で負傷者の数が急増しているという。南部戦線全体を調査したウクライナの諜報員は、人員と装備の大幅な損失について語っている。

一方、ASTRAの仲間達は、昨日、前線の反対側の証言を発表した。彼等はこれまで、占領されたウクライナ領土内に、戦闘を拒否したロシア人用の地下室を一ダース以上見つけている。これは、彼等が、占領されたウクライナ領土北部のラシプノエ(Rassypnoye)--いわゆる「ルガンスク人民共和国」がハルキウ州とベルゴロド州と接している境--の地下室で撮った動画のスクリーンショットである(本日の情報では、この方向に向けて、ロシア軍は東部進出を始めた)。この場所から15km離れたザイツェヴォ(Zaytsevo)にある同様の施設については、2022年の終わりに報告した。昨年、
ザイツェヴォ収容所は、注目を浴びるようになって解散させられたが、その後活動を再開したのである。ASTRAの情報筋によれば、収容者は大抵、居場所を告げられることなく、村から村へと移動させられるという:

敷地内で撮られた映像--ASTRAが独占的に使用できた--では、軍人達が板に座ったりコンクリートに直接座ったりして寝ているのが分かる。トイレの代わりにペットボトルが使われている。照明はランタンである。
この地下室は非合法で運営されている。法律上、軍人を衛兵所に送るには、プロトコルを作成しなければならない。それは、拘禁に関するプロトコルだったり、規律違反に係る資料に基づく手続きを確保するための措置の適用に関するプロトコルだったりする。今回の場合、プロトコルは作成されていない。さらに、衛兵所は地下に設置してはならないのである。
ASTRAはこうした収容所を少なくとも15カ所発見したが、いくつかはもはや稼働していない。

ロシア軍戦闘員の一人はラシプノエの地下室で数カ月座っていた。駐屯地の軍事検察局の公式回答では、彼はほとんどの期間リハビリテーションセンターで療養していたという。「地下室は完全に不衛生で、病人がたくさんいるが、治療する人は誰もいない。HIVや肝炎の患者だらけだ。彼等は是が非でも前線に戻ろうとしている。携帯電話は没収され、地下室を出る時も返却されない。時には、何とか携帯電話を隠すことのできた人達を通じて連絡することもある。」釈放された別の人物の親族は同じテレグラムチャンネルでこのように語っている。

両交戦国の非公式プロパガンダが過去30年にわたってスターリンの人民委員をどのように罵っていたか、多くの人は覚えているだろう。人民委員は1941年から1945年に無理やり民衆を大虐殺へ引きずり込んだ。今や、このやり方はさほど酷いものではなかったと判明している。血が流れていなければ、面白いジョークなのだが…

だが、ここで記したようなことが、前線の別な場所ではなく、同じ場所で起こったと想像してみよう。兵士達の友愛は、意外と遠い未来のことではなくなっているのではないだろうか。

この記事と併せて、私達は、先日、出国禁止令にも拘らず、閉鎖された国境を兵役義務のあるウクライナ労働者が突破している方法について書いたので、ご参照いただきたい。

さらに、ロシア軍と軍産複合体内部での大胆なサボタージュ(拙訳)に関する前回の記事もご参照いただきたい。

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