見出し画像

ロシア軍需工場での山猫ストとドンバス地方初の集団武装脱走

原文:https://libcom.org/article/wildcat-strike-russian-army-supplying-plant-and-first-mass-armed-desertion-donbass
原文掲載日:2023年5月29日
著者:assembly.org.ua

春の終わりに向け、とても興味深い事件がロシアで起こっている。これが始まりだと期待しよう!

---
私達が取り組んでいるこの国際コラムやオフラインのボランティア活動への資金カンパへようこそ。この戦争以前から、あなた方の国のコーヒー2~3杯はウクライナ労働者の一日の収入に相当するのです。皆さん、宜しくお願いします!
---

5月17日、ウリヤノフスク自動車工場(UAZ)で数十人の労働者がストライキと抗議行動を行ったとメディアが報道した。工場労働者は職場で集会を開き、低賃金について訴えたとBazaテレグラムチャンネルは報じ、工場内の動画を公開した。先月(4月)、従業員の平均賃金は1人平均2万ルーブルだったと報じられている。投稿動画によれば、労働者は賃上げを要求したが、集会は同日夕刻に解散させられた。

ストライキは勤務終了の1時間前に起きた。新しいコンベヤーで働く仕事着を着た50人ほどの男性が、16時頃に「パトリオット」の生産ラインの作業を全て止めた。あたりは騒然とし、車両に上る人もいた。

「工場はストライキだ!給料はない!」と従業員の一人がコメントしている。

労働者を安心させるべく、新任の最高責任者アレクセイ゠スピリンが姿を見せた。彼によると、7月から賃金は12%アップし、新たな物価スライド制を導入するという。

抗議行動に積極的に関わっていた7人がZasviyazhsky地区警察署に連行され、刑事告訴すると脅された。その理由は、スピリンが「違法行為」の事実について発言したためだと思われる。内部関係者によれば、賃上げを求める共同書簡を起草した活動家だけでなく、工場の経営陣も尋問された。UAZは軍産複合体企業である。この点で、国家防衛秩序を混乱させかねない行動はサボタージュと見なされうる。言い換えれば、戦争は、いつも通り、権威と資本が階級闘争を弾圧する優れた手段として機能しているのである。

ウリヤノフスク知事アレクセイ゠ルスキーは5月24日にこの企業を訪問した。彼は、労働者の賃上げに同意し、工場官理層に労働者団体と対話し続けるよう要請した。同時に、彼は、労働者が地域の平均賃金以上をもらっていると考えている。いったい、「給与は地域の平均以上だ」などというフレーズを心底信じるバカがいるだろうか?ウリヤノフスクはヴォルガ川流域で最貧地域の一つだ。平均賃金が一カ月も持たない水準なのに、何を自慢できるのだろうか?

しかし、最も注目すべきことが前線近くで起こった。39人の元受刑者がリシチャンシク(いわゆる「ルガンスク人民共和国」)の「ストームZ」訓練キャンプから逃げ出したのだ。ロストフ地域の警官隊は脱走兵に関するオリエンテーションを受けた:

脱走に際して、監督者が死んだ。Bazaテレグラムチャンネルによれば、脱走は5月24日に行われた。逃亡犯は自動小銃で武装し、2台の車両(カマズのトラックと三菱L200)で移動しているという。ドンバスのロシア支配地域の情報筋は、ロストフのニュースポータルに次のように語っている:

実際に、ロストフ地方の内政機関と情報交換をしている様々な内部組織に報告が届いている。国境地域で隣接している多くの行政トップも情報を受け取った。5月24日の軍事施設地区を離れたのは契約でここにいた元受刑者達である。殺されたのは、ルガンスク人民共和国国家保安省の軍人一人だけである。彼は脱走兵の逃亡を止めようとしていた。

5月27日には、ドネツク州ソレダル近郊のロシア軍部隊から7人の武装した元受刑者が逃亡したことも分かった。その内の3人はすぐにブリャンカ近くで捉えられ、2人はブリャンカのカフェで泥酔していたところを拘留され、もう1人は投稿を希望したために「同志」に撃ち殺された。

私達はこの状況を注視し、続報が入り次第アップデートするつもりである。

ウクライナ側の情報として、私達は、先日、総動員と大規模な海外逃亡のためにウクライナの労働市場危機が起こっているとお伝えした。

また、関心があれば、出国禁止令にも拘らず、兵役義務のあるウクライナ労働者が、閉鎖された国境を突破している方法も読んでみていただきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?