2023/11/3 黒い労働の中にオアシスはあるか

今日は10時10分に起きた。アラームをこの時間にセットして、この時間通りに目が覚めた。

起きて支度をしたら出発である。今日は漫才大行進だ。11月の漫才大行進第一回はお当番から始まる。
今日はお当番もあるが、漫才が15分間の出番というプレッシャーのかかる出番であった。また、浅草に到着してやたらとたくさんの人が出歩いている。どうやら祝日だったようだ。知らなかった。

私はどうも祝日がいつなのかわからない。子供のころからわからない。これはまたも野球が関わっていると思う。
私は小学校低学年からソフトボールを、中学校では軟式野球を、高校では硬式野球をやってきた。ソフトボールは土日がメインの活動である。中学野球は平日の朝、夜、土日、高校は年中無休、夜明け前から夜更けまで野球をやる。
要するに、小学生から現在に至るまで、休日の概念から離れて生きてきた。高校に至っては休日は練習時間も伸び、疲れる。むしろ休日など来ないでほしいと思っていた。

学校であれば帰りの会で、次の登校日の日付と時間割、持ち物を連絡帳と言われるものに手書きするので、次の月曜は祝日なのだと気づかされる。
大学生は授業の組み立てによっては平日に休みを作ることができる。わざわざ祝日など気にしない。講義室に行くと誰もいなくて祝日だったと気付くことなどよくあった。

お笑いになるといよいよ休みはない。ないというかもう自由だ。いつ働いても休んでもいい。ただ、生活とお笑いを両立するには結局休みなく毎日働かなければいけない。いま思い起こせば、子供のころから個人事業主感覚で生きているのだ。
いや、子供のころは個人事業主と言うよりかは、大ブラック企業だ。休日は年2,3日だ。これでも野球界では多い方なんじゃないかと思う。企業就職で運動部が有利なことに対してネット上では揶揄する声が多い。
運動ができるだけで採用しても意味ないんじゃないか?といった声だ。なにをおっしゃる。運動部の体力はすさまじい。

語るだけでハラスメントになるようなことを言う。
私は野球のやりすぎで高校3年の夏までは毎回赤点をとっていた。部活の引退後は朝起きて勉強、学校に行って勉強、帰宅して3時まで勉強。学校以外で自習を10時間。休日は16時間は勉強していた。その結果、留年も危ういほどの成績から大したところではないとはいえ国立大学まで行った。
過去の栄光を語るのはださいし、聞いても面白くないというのは承知しているのだが、あのときの自分は自分でも褒めてあげたい。それだけ頑張っていた。
こんな恐ろしい人材が面接にやって来ると、多少馬鹿でも採用したくなるだろう。おいおいと休日を与えなくても、お給料を与えなくても働いてくれるんじゃあないかと。

苦労自慢をしてしまった。でも、あのときの私は阿修羅が宿っていた。怖い。そんなこんなで休日とは縁遠い生活をしていたので、今日の祝日には気づかなかった。


今日の当番は、はやぶさ丸の大竹くんとぽ~くちょっぷの篠木さんの三人で担当した。大竹くんがガシガシ働いてくれるので楽をさせてもらった。ありがとうございました。
開演前の支度を終え、楽屋にいると篠木さんがやってきた。篠木さんはうんちがたくさん出ていることを報告してくださった。一日の第一回目に出る量のうんちが3回でている、とのことだった。お笑いだけでなくうんちの才能もある。

ほどなくして開演した。一番手がぽ~くちょっぷさん、二番手が我々という香盤だった。ぽ~くちょっぷさんが漫才をしている間に私は小便を済ませて出番に備えようと思った。便所に入ると便器に大きめのうんちがついていた。
まったく!公共のトイレはきれいに使おうよ!と思い、便所にあるブラシと洗剤をお借りして掃除をした。掃除をしていて思い出したが、今日、東洋館でうんちをしたのは篠木さんだけであろう。つまりこのうんちは篠木さんのうんちである。やれやれ。

我々も漫才を15分行った。袖に戻り、日記を書きながらなんなりしていた。
一組15分の出番は時間の流れがおかしく感じる。気づけば中入りがくるのだ。普段であれば、あの芸人さんが出たな、次の芸人さんが出たなと脳が自動的に動くので記憶量が増えて時間がゆっくり経過するように感じる。
今日はポンポンと芸人さんが出てポンポン時間が経っていく。

その時のお出番は中津川弦さんだった。袖のベンチに腰かけて、篠木さんや漫才56号の堀江さんと話をしていた時だ。
ぱっと、中津川さんがお客様に頭を下げて出番を終えた。あっ!思ったよりも話に集中してしまっていたのか、15分経つのが早かった。急いで音響に戻り出囃子をかける。出囃子をかけたが、そこから中入りであった。慌てて曲目を変えてかけなおす。大変失礼いたしました。
あ~、話に集中しすぎたな。これは反省だ。

と思って時計を見ると、中津川さんは15分のお出番のところ10分で降りてきてしまっていたようだ。通りで早かったわけだ!ひゃ~。
その場はとにかく対応に焦ってしまい、皆様に謝罪をしたが、そんなところが落とし穴だったとは。ある種、自分の責任が軽くなり救われた。

その後、篠木さんがコンビニでコーヒーを買って振る舞ってくれた。このことは必ず日記に書くように言っていたので書いた。
高級なコーヒーであった。おいしかった。篠木さんはすばらしい先輩である。

その後、どこかのタイミングで私はまたも小便をしに便所に入った。またうんちが散らばっていた。またも掃除をした。やっぱり篠木さんはすばらしい先輩ではないようだ。

滞りなく行進は終わった。更新後に大竹くんとトークをして帰った。帰宅する頃には18時頃だったのでハナマサへ買い物に行った。
にんじん、小松菜が安くなっていた。例の激やせ鍋に小松菜を山盛り入れた。にんじんは細く切って、揚げといっしょに火にかけて甘辛くしてやった。家にジャガイモがずっとあったので少ない油で火を通し、その後、蒸し焼きにしてチーズをかけた。
おお。今日は三品も作ってしまった。すごいなあ。えらいなあ。料理の鉄人だなあ。
それにしても、私は良い子ちゃん過ぎてなんだかスパイスが足りない気がする。

お笑いタレントなら、焼き肉を食べて、お酒を飲んで、性風俗店に行き、飲酒運転で帰宅して、大音量でポップスをかけて踊り明かすくらいやらなければいけないのではないだろうか。

今日面白いと思ったことは「真面目しか取り柄がない。」

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。