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いーさん裏返り旅行記 vol.4 ブラジル・クリチバ編

イグアスの滝で大自然を満喫してアホになり、イグアス空港からクリチバ空港へ。

高校で地理を選択していたのに、クリチバは全く知らなかった。初日サンパウロ国際空港で救世主となったチャーニーの住む町であるが、サンパウロから南西に400キロ、標高が940メートルと高く軽井沢のように涼しい。人口が190万人でパラナ州(ブラジルに26州あるうちの南部の州)の州都、姫路市と39年来の姉妹都市である。

さて、クリチバ空港に夜遅くに到着。預けている荷物がないと楽チン。バゲージフロアの出口でチャーニーが満面の笑顔で出迎えてくれた。なんて安心感があるのか。初めてきた知らない街なのに、気楽でいられる。

ホテルで1泊して、翌朝早くからスタートした。最初の訪問先は日系人コミュニティ。明治41年(1908年)から100年間で26万人の日本人が移住したこのブラジルの地で、日系人たちはどんな生活をしてきたのか。おそらく、生活するのに困難極まりない地で助け合って生きてきた日本人たちがいるはず。その子孫となる人たちとの出会い。

北海道にも開拓民の出身地コミュニティはあったと思うが、すでに日本化されて本州とほぼ変わらないが、ブラジルは他民族の中で日本人として生きたはずなので日本人らしいコミュニティが残っているはず!という仮説のもと訪問した。

Uberにて「兵庫姫路会館」と書かれたお寺のような建物に到着。すごく立派!幹線道路から目立つ建物だった。そこはチャーニーの職場でもあるのだけど、パラナ日伯商工会議所のオフィスだった(日伯は日本とブラジルという意味、日米とか日英とかと一緒)。

兵庫姫路会館は和風の建物だった

迎えていただいたのは商工会議所の会長、副会長、青年部のリーダー、そしてその後もクリチバで通訳や橋渡しをしてくれた浄土宗の開教使である大江田和尚。大江田さんは20年前に20代で浄土宗の普及とお寺建立のためにブラジルへ渡ってきた僧侶である。ポルトガル語がぺらぺらになりすぎて、日本語の単語を忘れるぐらい。

地元のお菓子をいただきながら情報交換

会長と副会長に日本語は半分ぐらい通じた。2世、3世という言い方をしていたが、父親と母親で何世かが違うと、父親側で合わせているとのこと。部屋に飾ってあった上皇と上皇后のお二人が来伯された時のお写真が素敵で、日本人のルーツを大切にしていることがよくわかった。

大切に飾られた上皇・上皇后さまの写真

お互いの簡単な自己紹介の後、商工会議所の歴史を聞き、さらに仕事について1時間ぐらい話した。私が場活師という怪しい仕事をしているし、さらに具体的なビジネスプランも目的もなくブラジルに来ているので、『?』が時折見え隠れしたが、ラテンの地なのか「いやぁ楽しかったね、きてくれてありがとね」という感じで会館を後にした。この辺りは、私のええ加減で軽いところと相性が非常に良い。大江田さんも似た感じのラテン僧侶でよかったー。

次に日系人コミュニティ活動のメッカ「NIKKEI」へ。ここはスポーツに文化に食事に会合にイベントにと、コミュニティの活動拠点だった。野球場に武道場にテニスコートに温水プールにジムにカラオケルームにポーカールームに・・なんでもござれ。ここにいた河村さんと原さんという超陽気な60代後半のおじさんがツートップでコミュニティを守り継承していた。二人とも日本語はペラペラだったが、表現の所々に古い日本語の表現があった。男はつらいよの世界・・饅頭を一緒に頬張りながら、50年前の元気な日本にタイムスリップしたような気分になった。

nikkeiの施設 野球場、サッカー場、道場など様々な施設で
自分の好きなところが見つけて所属することができる。

シライシさんがこのお二人に「今の日本の元気のなさについて、どう映っていますか?」と質問した。二人とも「日本人は厳しすぎるよ!」と同じ回答。勉強も仕事も厳しく子供達に言い過ぎ。なるほど、そんな風にうつっているのか・・

日本在住の私たちより日本文化を大切にしていると至る所で感じた

ゆとり教育を経て、さらにゆるい職場も増えているが・・厳しいのだろうか。いや、厳しい人たちはパワハラという言葉の普及の中ですごく減ったはず。それよりも重苦しい同調圧力に押しつぶされている感じがしているが、これは過去の厳しさの名残り?いや俺たち厳しくされたからお前らも我慢せえよ、ちゃんとせえよ・・的な呪い?

たった3分遅れただけで、謝罪しまくる鉄道のアナウンスは、そんな呪いへの防衛だとしたら、子供達にその呪いを暗に教えているのではないだろうか。とか、ぐだぐだ考えながら過ごしたNIKKEIだった。最後、みんなで「大和乃心」という石碑を囲んで写真撮影をしたが、呪いを解く鍵はこれだろうな、と希望を持った。

さらにクリチバの市議会議場を訪ねて、市議会議員である日系人のノリさんとお話をした。ノリさんの部屋にいたチームはスタッフが3人もいて国会議員のようであった。ノリさんが知人、いや友人の顔にそっくりだったけど、誰だったか思い出せず。ずっと誰だったかなと考えていて、ノリさんの話した内容はさっぱり覚えてない。いや、一つだけ覚えている。ノリって美味しいよね、ノリさんだけに的な親父ギャグ話が日本語であったな。

親父ギャグを口にする市議会議員のノリさん(中央)

さらに観光地の植物園に行き、夜は大江田さんのお寺「クリチバ日伯寺」にて30人規模のお寺 de BBQ。海外駐在している日本企業の社員の人たちとも交流し、肉にお酒にたらふく食べようとしたが、お酒も肉もあまり進まず、スイカがやたらおいしかった。胃腸がだいぶん疲れていることを実感した。

まだブラジル滞在の三分の一なのにヤバい!翌日はマリンガ市だ。

美しいクリチバの街並み

Vol.5に続く)

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