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インドネシアに住んだことで得たこと-インドネシアへ進出、起業を考えているあなたへ

人口多い、人件費安い、物価安い...そんな思いでインドネシアに進出、起業されようとする方、会社様。
ブラジルの黄色いお菓子くらい甘いよ~!
とハンバーグの人も言ってしまいます。
ということで本日はインドネシアが進出先として良い場所なのかを話していこうと思います。


モノによっては有り!

はい。お決まりの逃げ道を作る言い方をします。何が良くて何が悪いのか見てきましょう。という前にインドネシアという国、人を簡単に知ってもらいます。
・年々、最低賃金が8%程アップ(一時は20%~50%)
・外資に規制&規制&規制
・行政がゴミ
・1人あたりの労働生産力が低い(遅刻、サボり、能力)
・宗教に対して配慮する必要がある
・ロジカルに考えることができない
・算数が出来ない。(数学はもちろん)
・物事を真正面でしか見れない(意図を読み取り行動できない)
・渋滞地獄
・人材がなかなか成長しない
ふぅ...インドネシアへの進出は止めましょう。
そうなんです。この国が魅力的な東南アジアだと思って進出すると痛い目に合います。実際に日系企業が進出していたのも過去の話。撤退する企業も多くあります。ではそれぞれの業界で見ていきましょう。
「B向け製造業」ー厳しいー
製造業は多いのですが、「何百人の賃金が8%アップしても労働力は低いまま」というのが毎年のように起こります。こんな所で何百人も抱えて製造業をするのはなかなかのリスクです。毎年かなりの人件費が上がりますからね。今は沈静化していますが、過去には暴動などが起きてそりゃ大変でした。金を抜く輩も普通にいるので大変なことばかりです。実際に製造業の社長さんに何十人とお話を聞きましたが、景気は悪いです。やはりC向け製造業の部品やパーツを作る会社がほとんどなのでC向け製造業の調子に引っ張られあまり良くない状態です。

「C向け製造業」ーモノにより良いー
B向け製造業と同様の問題を抱えています。ただ、これはモノによります。車、バイクが有名どころですが昔よりは旨味が少ない状態です。その為、関連会社のB向け製造業も上向かないです。ただ、1ユーザーに完全に行き渡るような化粧品だとか洗剤、食品だとかは調子が良いです。中間層の増加にも付随して「少し良いモノ」というジャンルでも売れるものがあります。やはり人口が多いですからね。消費系は強いです。消費系でありながらも1度持つと長く使えるようなモノは行き渡ると厳しいです。ここの国の人は壊れても適当に直して使うので買い替えみたいなのがなかなかおきません。どちらにせよ、同じようにローカル企業もあるのでどう差別化を取るかが鍵になります。完全に薄利多売で勝負するとローカルにはなかなか勝てないので、日本ブランドを残しつつ価格を抑えることが鍵になります。

「商社」ー厳しいー
日系の企業にモノを売るわけですが、商社という考えが日本特有であり、インドネシア人には出来ません。そうなると日本人がやるわけですが、人件費は高いですし、そもそもB向け製造業が不景気なので引っ張られるところが多いです。そして商社出身の方はロジカル思考という武器を持っていますが、こちらでは仇になることが多い印象です。その考えを押し付けがちでインドネシア人との信頼関係が生まれず、人が次々と辞めたりいても低パフォーマンスな印象です。

「IT」ー厳しいが可能性はあるー
これもかなり厳しめです。まずできる人が多くありません。ベトナムのように海外に開発会社を置く考えが出来ません。仮に集めたとしても納期どうりに綺麗な出来上がりは期待出来ないでしょう。希望としては、そりゃ沢山人がいます。出来る人もいます。そういった人たち数名とスモールビジネスを行うことですかね。もしくはITに強いクリスチャン系の大学があります。ここの大学を卒業する人たちをターゲットに育成込みで雇うことですね。

「飲食」ーやや厳しいー
俗に言うブロックMに構えることになると思いますが、厳しいです。今のブロックMって昔よりも寂れています。そしてここもヤクザの世界。何も考えずにブロックMに構えてもまぁ上手くはいかないでしょう。土地勘をもった上で戦略的に進めれば成功の余地はあります。ただ、私が見る限り日本人が賑わうような飲食店を経営出来ている店はごく僅かです。 それくらい難しいと思っていいと思います。ついでに酒関連を提供しようとするとかなり高くなりますので、お酒メインのお店は難しいですね。

「無形サービス」ーやや厳しいが分野次第でー
人材紹介や進出支援、フィットネス、旅行代理店など目に見えないモノを扱うサービスですね。これは勿論、大体先駆者がいます。そこを凌ぐようなサービスを提供できれば道はあります。そしてまだ、余剰分野もあります。そこを上手く突けば可能性はあります。個人で目指すならここじゃないかと思います。

と単純に上手くいっているモノをインドネシアでトレースしても上手くはいかないと思います。きちんと分析して戦略的に攻めなければ活路は見出せません。ここまでが各業界、分野でのお話となりますが、そもそも論としてインドネシアで厳しいと言われるのが行政関連です。
・進出までに1年
・完全にこちらの資本でやるのであればうん千万円必要
というものですね。行政がゴミすぎるので書類関連が進みません。進ませるのであれば賄賂です。そして外資に厳しい国である故に安全な方法を取る進出方法ですとうん千万円かかります。企業の進出であれば潤沢なので大丈夫だと思いますが、個人で起業するのにはテクニックが要ります。正当方ではお金が足りません。

「個人でやりたい場合」
インドネシアで起業するには簡単に言うと
「信頼できるインドネシア人見つけて数十万で起業する」
という方法になります。ただ、自分が大きくした企業が乗っ取られるリスクもあるので本当に信頼できる人でないと厳しいです。もしくは
「名義貸しする日本人を見つけて数十万で起業する」
です。これは帰化している日本人にコンタクトをとり、会社を立てるための名義にする方法です。前者よりはかなり安全です。ただ、こちらは間違いなく毎月のフィーがあるのでそれは我慢しましょう。そもそも帰化した日本人を見つける所から必要ですがね。

というところで、企業と個人でそれぞれ進出、起業の総評をしますと
「企業」
オススメはしない。現地を知る人がいてその人も納得するようなビジネスであれば攻めても良い。土地勘がない状態で攻めるのは無謀。仕事に関しても日本人の価値観とは全然違うのでそれを理解して行動できる人が責任者として立たないと上手くいかない。鍵となるのは「すげーインドネシア人」を抱えること。こういった人が社長の右腕として働いている企業は厳しい中でも上手くいっているところが多い。社員のコントロールとこちらでの攻め方、忖度できる考え方などかなり頼りになる。30jt~40jt(平均インドネシア人の3~5倍程度の給与)を払ってでも引き止めておく必要あり。

「個人」
いきなり来ていきなり起業は無謀。こちらで身体を慣らして「言葉、人、感覚」を知る、集める必要がある。勿論、行動力に勝るものはないので立ち向かい続けるのもありだが、戦略的にいくのであれば上記を蓄えてから攻めるべき。個人というのもあり、やるならスモールビジネスで信頼できるインドネシアを数人抱えてやるのが良い。友達のような感覚でありながらも仕事も出来るインドネシアであればきっとあなたにとって重要な人物になる。ある種、友達じゃないと本当の意味で助けないところがあるので、友達のような間柄である必要がある。

ということで少し厳しいことを並べましたが、成功した時のかえりはでかいのも事実です。こちらで成功した経験というのは貴重な体験となり、その実体験をお金に変えることも出来るはずです。インドネシアに進出、起業予定の皆様。簡単な国ではないのは承知の上だと思いますが、想像以上に難しい国です。個人的には日系起業が増えることは嬉しいので頑張ってもらいたいところですがこういった事実もあるのでご紹介でした。

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