良いことだけれど… 保育の世界に残る困った慣習
今日は保育の世界に残る手作りの習慣についてお話ししたいと思います。
私たちの世界に残るおかしな習慣に「手作りの方が上」
みたいな暗黙の了解があります。
これは靴下入れや保育室の壁面など様々です。
こういった色んなところにそういった手作りでないとと言う風潮は残っています。
しかしながら、手作りの方が良いのは当然のことです。
飲食店だって手作りのポテトサラダが良いのと同じように、「丁寧さ」とか「手がかかっている」ということが評価されるため、多少高くても好まれます。
ただ、保育の世界では外でいろんな歪みが出てきます。
例えばある保育士が1人で3時間でかけて靴下入れを作ったとします。
大体牛乳パックなんかが使われます。
すると、残業代だけで4500〜6000円の残業代が発生します。
でも靴下入れなんて、そもそも百均のちょっとしたケースを3,4個つなぎ合わせたら1クラス分ができるんです。
どんなに高くたって500円,600円です。
これだけ「保育士の業務負担が…」とか、「少しでも業務を減らすために電子化を…」と言われている中で、こういった文化が残るのは何とも言えないところがあります。
また手作りには間違いなく1年間でボロボロになるという欠点があります。
その一方で、百均をつなぎ合わせたものだと余程のことがない限り、5年ぐらいは当たり前のように使えます。
もちろん落として派手に落として割れてしまったともなれば別ですが、それだけ頑丈なものを作ることができます。
壁面等についても同じです。
壁面だって1回入れ替えるのにどんなに手際よくやっても3〜5時間はかかります。
その一方で、最近はメルカリなんかでもすごくたくさん売ってますよね。
あれは1セットで1000円,2000円という時給換算したらありえない安さで売られています。
そういったものを利用するのも手作りではあるのですが、
「自分のクラスの子どもたちのために自分たちで一生懸命作らないと!!」
という文化は根強く残っています。
だからこそメルカリなどで売られている壁面はなかなか売れていないのではないかと思います。
本当は買いたい方はたくさんいると思いますが…
そもそもこういった文化はどこから来ているのでしょうか。
保育の現場では材料費をかける事は「悪」とされてきました。
なぜなら、保育園というのはそういった牛乳パックや紙皿など、身近なところにあるものを使って遊ぶのが1つの大切な仕事だからです。
また、「残業代が支払われない」と言うのが当たり前だったため、残業代の次にお金を削るとすれば材料費というような考えからそうやってされてきたのでしょう。
でも少しずつ時代は変わってきました。
残業代も出るところが少しずつ増えて、保育士の待遇もちょっとではありますが変わってきています。
そうなった今でも、何もかも手作りして手作りの良さを取るのか。
それとも低賃金で仕事量の多いと言われている保育士の業務負担を少しでも減らしていくのか。
ここはある意味保育士だけで決めていくところではないと思います。
でも、手作りで物を作る時間はほぼ全てが残業です。
皆さんはどちらがいいと思いますか??
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