子どもにケガをさせない!大人に知ってほしい「子どものタイミング」
今日は子どもの遊びにはタイミングというものが存在することをお話ししようと思います。
例えば虫何触る時。滑り台が怖い時。
これは大人がいくら「〇〇だから大丈夫だよ」なんてことを言っていても出来ないんですね。
何故かと言うと、子どもには自分のタイミングが存在するからです。
このタイミングとは何なのでしょうか?
一言で言うならば、このタイミングと言うのは覚悟を決める瞬間です。
この覚悟を決めるためには友だちが非常に強く影響します。
以前お話ししたものでは、カブトムシに触れなかった子が友達が「今のうちに!」とカブトムシを指で押さえつけるのを見て初めて触れるようになった。
なんてエピソードをご紹介しました。
他にもこんな話があります。
いつだったか遠足に行きました。
当時保育園の周りに遊具があまりなかったため、大きな遊具がある公園に遠足に行ったのです。
そこには大きな滑り台がありました。
私たちの保育園の子どもはじゃんじゃん滑り台を滑ります。
何往復もするんです。
ところが、親子で来ていたある子どもは滑り台の手前に来るとどうしても怖くて滑ることができませんでした。
まぁそんな姿を横目で見ていたのですが、その滑れない子の母親は子どもに向かっていろいろ言うわけですね。
「お友だちは滑っているでしょう」
「滑り台なんて全然怖くないのよ」
「まずはやってみたらできるんだから」
「いいからやってみて」
公園に遊びに来ているのにかわいそうですね。
すると、そんな様子を見てうちの保育園の子が1人こんなことを言いました。
「ねえおばさん。そんなんそんなん言ってたらケガするよ。静かに見てないと危ないよ」
まさに私が子どもにはタイミングがあることを知った瞬間です。
別にその母親はその子の背中を手で押すような事はしていたわけではありません。
でも無理にかけた言葉で「えい!」と行ってしまうことで、それがケガに繋がるということを子どもが1番よく分かっていたのです。
結局その男の子は私たちが「もう並んで保育園に帰ります」と言う時、急に滑り台を滑ることができたのです。
「自分のことを理解してくれて、母親にそんな言葉をかけてくれた仲間が帰ってしまう」
「その前に何とか滑りたい!!」
みたいな思いもあって、私たちが帰るそのギリギリのところで覚悟が決まったらかもしれませんね。
子どもにはタイミングがあり、それは覚悟を決める瞬間です。
このタイミングが10秒で来る子もいれば10分かかる子もいますし、1回では終わらない子だってもちろんいます。
でもこうやってタイミングを計っている子たちはみんな興味を持っているのです。
挑戦しようとしているのです。
後は見守るだけ。
ここから先は大人が声をかけても何の意味もありません。邪魔になるだけです。
保育士の仕事で考えても、「興味を持たせること」が目的で、「無理矢理やらせること」ではありません。
タイミングを計っている時点でもう興味を持っているので、大人の仕事はそこまでです。
後は静かに見守るのが成功の鍵でしょう。
いかがでしょうか?
どうしても大人の目線から見たりするとモタモタしているだけでイライラしてしまうと言う感じる人が多いと思います。
でもじっと固まっているのはタイミングを見計らっていることを知ることで、少し待つ側の気の持ちようも変わってくるのではないでしょうか。
今日は以上になります。ありがとうございました。
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