叱られた子どもが得るもの
こんばんは。ぽん先生です。
暑い日が続いていますね。
さて、今日は"子どもを叱る"ということについて、子どもの視点で考えてみたいと思います。
叱られた子どもが得るもの
子どもの誤った行動に対して、叱るというのは親としての義務かもしれません。
子どもの行動を止め、周りに迷惑をかけないことや本人の命を守るのは大切なことです。
しかし、叱ることは本当に子どものためになっているのでしょうか。
今日は結論を先に言いましょう。
叱ることは「私の前ではもう2度とやるんじゃないよ」と言っているのと同じことなんです。
そんな馬鹿なことがと思うかもしれませんが、私は間違いなくそうだと思っています。
じっくりと解説していきましょう。
1人の子が持つたくさんの性格
まず、皆さんが子どもの頃を思い出してみてください。
学校にすごく怖い、もしくは厳しくて絶対に自分は勝てない先生がいたとします。
じゃあその先生の授業中、あなたはどんな性格になるでしょうか。
おそらく、先生に言われたことは何でも素直に聞き入れ、大人しく従う。
そういう性格の自分になると思うんです。
でもそれは「その人の前では」という限定的な話です。
じゃあ全くその人の力が影響しない別の場所での出来事を考えてみましょう。
例えば、放課後の習い事で塾。
そこの先生がみんなから舐められていて、ひどいイタズラをして怒られたってちっとも怖くなければ、みんなの真似をしてあなたも少しくらいはイタズラをしてみるでしょう。
そんな具合で、人間って不思議なもので、相手によって自分の中の色んな性格が出てくるんです。
保育園の厳しい先生
ここからは私が体験した最近の保育園での出来事を少し話しましょう。
とあるクラスの担任は厳しくて、少しでも騒げば叱られてしまいます。
みんなが口を揃えて「とっても怖い先生」と言います。
では、このクラス。
担任がいない時には子どもたちはどのような姿を見せるでしょうか。
それは簡単です。
まず最初にそこに来た先生と自分達、どちらの方が立場が上なのかを確かめようとするんです。
もし相手の方が強いと分かれば萎縮するでしょう。
では、自分達の方が強いと思ったらどうするでしょうか?
クラスが大荒れします。
だから、怖い先生でないと手が付けられなくなってしまうんです。
いわゆる、普段押さえつけられている子どもたちが弾けた状態とでも言いましょうか。
これは厄介な状態です。
叱られて学んだこと
厳しい先生がクラスの子どもたちを萎縮させるようなことをすると、新しい人が来た時にどっちの方が立場が上なのかをはっきりさせようとするんです。
不思議ですよね。
どうしてそうなるのでしょう。
子どもは厳しく叱られて何を学んだと思いますか?
それは、力こそが絶対の権力だということなんです。
相手を自分の意のままに動かすためのね。
だから、自分は相手より上なのか下なのかを決めないことには人間関係を作っていけないんです。
つまり、同じ人間として相手と対等な関係を作れなくなっていく。
というのは少し今回のテーマから脱線するのでまた今度にしますが、結局叱ることで子どもが学ぶことは少ないんです。
だから、叱るんじゃなくて止めるだけで良い。
理由なんか後で落ち着いてから少し話したら良いんです。
聞き飽きた「怒る」と「叱る」
怒ると叱るの違いについてもよく言われますね。
感情的か、冷静に落ち着いて事実を話すのか。
それはもちろん感情的にならないに越したことはありませんが、最近の私は叱ることも良くないと思うようになりました。
叱ることは反省を促す行為。
反省を促すためには失敗について指摘しなければなりません。
では失敗を指摘するとどうでしょうか。
それは少なからず、その子の行動に対する批判の意味合いが入ってしまいます。
つまり、多少なりとも本人を否定することになってしまうのです。
それってやっぱり批判する立場の人の方が上で、さっき話した対等な人間関係というところにはたどり着けないんです。
だから・・・
ではもう一度最初の話に戻ります。
叱ることで子どもは正しく学べるのか。
私の答えはノーです。
「私の前ではもう2度とやるんじゃないよ」というのは、つまり子どもの目線で考えると「この人の前ではもうやめよう」ということなんです。
だから、極論を言えば叱ることは子どものためにならないと言えてしまうかもしれません。
まぁ現実的に全く叱らないで子育てができるのかと言えば、それは限りなく不可能に近いでしょうからこれは理想です。
しかし、これらを踏まえて叱っているのと、子どもを躾けるためには当然だと思って叱っているのでは、絶対に子どもへの言い方や関わり方は変わってくると思うんです。
「これは子どものためだから厳しくしても良い」って自己正当化に深くハマらなければ良いんです。
だから、「子どもを叱ってはいけない」なんてそんなことは言いませんし言えませんが、これはいつも頭に入れておいてほしいんです。
叱ることは「私の前ではもう2度とやるんじゃないよ」と言っているのと同じことだということを。
自戒を込めて。
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