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誰もが初任者だった-環境の変化はストレスがかかる-

 新年度が始まって6日が過ぎました。入学、就職、転職、転居、異動、昇進・・・様々な変化を経験した方が多いのではないでしょうか。怒涛のような日々を過ごされていたことと思います。本当にお疲れ様でした!そしてしばらくはその日々が続くと思います。どうかお体に気をつけて。
 私自身は大学院2年目ということで、生活自体に大きな変化はありません。新しい仲間にも恵まれ充実した日々を送ることができそうです。

新しい仲間に教職大学院の生活について説明しました

  先日、今年度から教員になった大学生や大学院生、異動になった同期や後輩から連絡をいただきました。やる気に満ち溢れた文面を見るとこちらも元気が出てきます。一方で、新しい環境に対する不安や今までのやり方が通用しないといったストレスもちらほら文面から見受けられました。職場の人間関係を不安視する内容も目を引きます。

 繰り返しこのnoteでも書いていますが、何らかの組織に新しく入った人には、以前からその組織にいた人以上のストレスがかかります。とりわけ高校や大学を卒業したての若い方々(初任者)が受けるストレスは想像以上のものだと思います。私は初任者の時期を周りのサポートのおかげで乗り切れました。ありがたい職員室でした。(ちょっぴり辛いこともありましたが)
 メディア等で話題になっているように、現在の学校現場はどうでしょうか。ただでさえ余裕がないとされる学校現場で、周りのサポートが十分行き届いている学校はどのくらいあるのでしょうか。正確な統計を取ったわけではありませんが、手厚いサポートがある学校とそうではない学校とで二極化するのではないかと思います。

 初任者教員に焦点を当ててみると、4月はワークエンゲージメントが1年間の中で一番高いです。つまり仕事に対するやる気に満ち溢れている状態です。

ワークエンゲージメントとは仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭によって特徴づけられる。ワークエンゲージメントは特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知

露口健司(2024)『教員のウェルビーイングを高める「学校の働きやすさ・働きがい」改革』教育開発研究所
同上 p172

 その一方で、4月は保護者や同僚、管理職との信頼関係が一番低くなっています。時間が経つにつれて信頼関係は高くなっていき、3月には最大を記録します。

同上 p174

 この結果は時間が経つことで関係者との信頼関係が高まっていくという初任者に対する希望を与える一方で、現実的には関係者との信頼関係のできていない4月、5月の時期をどのように乗り切るかといった点にも着目できそうです。信頼関係は教育活動を円滑に行ったり、自分の能力を存分に発揮したりするための土台です。
 関連して、次のような意見もあります。

初任者教員は、児童生徒や保護者との信頼関係は不十分ですが、信頼の欠落を同僚教員や管理職との信頼関係によって埋めることで教職適応を果たしているものと解釈できます。

同上p160

 4月、仕事に対してやる気いっぱいの初任者を、気持ちだけではなく教員という仕事に適応できるようにしていくのは同僚や管理職、言うなれば「職員室」の力がとても重要だということです。これは全ての先生が意識してほしいと思います。
  改めて、初任者や異動してくる方には、少しでも不安を解消できるように意識的にポジティブな声をかけてほしいと思います。そういった姿が広がり、いつしか当たり前になること=組織文化となることで初任者や異動者にとって優しい職場になるのだと思います。
 もちろん、元々その組織にいる方がご自身の仕事でいっぱいいっぱいになることもあるのは重々承知です。だからこそ、自身のリフレッシュも兼ねて無駄話も大切にしてほしいと思います。肩の力が抜けることで、お互い気持ち良く働けるのではないでしょうか。

 この時期のSNSを見ると、時折、心無い言葉を見かけます。初任者の方や異動者に対するものです。様々な事情があるのはわかりますが、匿名とはいえ、書いて良いことと悪いことがあります。自戒の念も込めて記録しています。
 (私も一応ハンドルネーム?を使っていますが・・・名前が出ても良いという思いではやっています。はい。)

 皆さん今日もご覧いただきありがとうございました!家の近くは桜がきれいです🌸不安な時期がしばらく続くと思いますが、皆さんなら大丈夫。そして皆さんの職場なら大丈夫。ご機嫌にいきましょう!!
 何か不安なことがあればいつでもご連絡ください!!!

白い桜

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