マガジンのカバー画像

poetry

99
運営しているクリエイター

#Poetry

満たされる喪失

満たされているのか、喪失しているのか。 豊か過ぎるが故の退屈なのか。 失ったが故の気づきな…

2

outside the word

世界は、無色透明で、音もなく、ただそこにあったんだ。 そっとヘッドホンをして、好きな歌な…

3

nukumorika

どんなに寂しい夜でも、誰も救いはしないよ。 また朝は来るとかさ、そんな退屈なことはもうい…

1

望んだ世界

書けません。何も書けません。何も書けないということは書けました。 忘れます。全部忘れます…

last letter

君が最後に残していってくれたのは、世界の姿でした。 この世界の姿でした。 自分というもので…

2

苦行の上に咲く花

苦行の上に咲く花に想いを馳せてみたのです それはそれは想像もしえぬ 色の無い花でした それ…

4

突き刺した夜の情景

その声を聞け 耳を痛めるその声を そこにこそ真実はあり、そこでしか在することなど出来ない 逃げてはならない 言い訳など全く持って不要である 突き刺され打ちのめされたその次の一歩を誰かが待っている

溶けた漆黒の夜

抜けていく力に身を委ねる その先に何があるだかとか、そんな訳のわからないことはやめろだと…

3

瞼の裏に住んでいた少年

見ることが出来なかった。 それは、物理的にではない。 この目は確かに目の前に映る机と、風に…

3

自分ではオレンジって言ってたけど、おそらく紫のような気がするんだよね。 君の唇から漏れる…

4

見知らぬ森に迷い込んだ羊

一匹の羊が、見知らぬ森に迷い込んだ。 首を右へ左へ小さく揺らしながら、恐る恐るその一歩を…

2

明日を待ってる

薄明かり公園の電灯の下 静かに開いた本の中に 浮かび上がった一言 それが何かは思い出せない…

4

相対的な世界に生まれたレジスタンス

男は道端に落ちていた誰かの希望を見つけた。 優しく拾い上げて、一言「ごめん」と言った。 罪…

3

忘我に沈め

何も始まっていなかった この間、終わったつもりでいた人を見たよ どこか視線は虚ろで、握る手に力はなかった そんな時どんな言葉をかければいいの 盛大な嘘の果ての応援歌を歌えばいいの 現実に宿る薄れゆく命の話をすればいいの 華奢な背中に鞭を撃ち続ければいいの 目の前に真っ赤なリンゴをぶら下げればいいの 見えない幕に覆われた僕ら 誰も皆、諦めながら息を吸っている この手に切り裂く鋭利なものを手にするその時まで 自らの心を殺してはならない