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溶けた漆黒の夜

抜けていく力に身を委ねる
その先に何があるだかとか、そんな訳のわからないことはやめろだとか、そういう、所謂、たわいもない言葉がこの両耳の周りを飛び交う
その飛び交う戯れごとの間をすり抜けて、向こうが側にいこうとした時、縦に一筋の白い線が視界に映った
これが何を意味するのか、それを考えることに意味はあるのか
と、考えることの意味は一体

冷える足とは反比例するかのように、頬が熱くなる

概念も、言葉も、光も、色も、フォースも、感覚も、意識も、身体性も、思考も、説明のつかない欲も、整合性のつかない言い訳も、取り止めもない時間も、選んだことによって失ってしまった選択肢も、悲しみも、誰かの喜びも、目にすることの無かった幸せも、結局は何も出来なかったと立ち尽くす少女も、優しくなれなかったあの日の思い出も、嘘だらけの日常も、枯れてしまった涙も、どこまで言っても不器用な君も、過去にしかすがれなかった悪気ない自慢話も、刹那に消えた喜びも、お金も、それと引き換えに得た揺るぎない虚しさも、それを助長する音楽も、誤字に溢れた誰かの日記も、いつまでたっても答えの出ない問いも、わかり得ぬ自分も、どうでもいいとしか言えなかった霞行く存在も、綺麗に、そう、綺麗に溶けていく

あぁ、闇夜!
その漆黒な世界に私も混ぜてはくれないか

見ていただけたことが、何よりも嬉しいです!