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忘我に沈め

何も始まっていなかった
この間、終わったつもりでいた人を見たよ
どこか視線は虚ろで、握る手に力はなかった

そんな時どんな言葉をかければいいの
盛大な嘘の果ての応援歌を歌えばいいの
現実に宿る薄れゆく命の話をすればいいの
華奢な背中に鞭を撃ち続ければいいの
目の前に真っ赤なリンゴをぶら下げればいいの

見えない幕に覆われた僕ら
誰も皆、諦めながら息を吸っている
この手に切り裂く鋭利なものを手にするその時まで
自らの心を殺してはならない

見ていただけたことが、何よりも嬉しいです!